ドリコム内藤社長「いまが勝負の時」 開発ライン拡張し18年3月までに7~8本のIPタイトルをリリース、大きな残存者利益が取れるチャンス



ドリコム<3793>の内藤裕紀社長(写真)は、本日(10月26日)東京都内で開催された証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催し、IP(知的財産権)タイトルの獲得が順調に進んでおり、2018年3月期までに既に発表済みの2本を含めて7、8本をリリースする方針を明らかにした。マーケティング的な観点とIPホルダーの意向もあり、具体的な作品名は明かさなかった。「多くのIPホルダーの方々からご信頼をいただき、IPをお借りすることができている」。
 


同社は、オリジナルタイトルを提供する方針だったが、IPタイトルを中心に提供する方針に転換している。「開発ラインを縮小もしくは撤退する会社が出るなか、逆行していると思われるかもしれない」と前置きしつつ、月10人ペースで採用するなど人材採用を強化する一方、連携する外部の開発パートナーも増やしているとのこと。
 


IPタイトルとして開発するかどうかの判断基準については、ファンが一定数存在するだけでなく、ファンが納得できる作品を開発できるか、そして経済的に成り立つかどうかに置いているそうだ。『ダビスタ』については当時、熱心に遊んだ開発者を中心に編成し、「ファンに届くゲームに仕上がっている」という。方針転換の発表以降、権利保有者からの引き合いも増えているという。

また、内藤社長は、有力IPが枯渇するのでは、との声に対して否定的な見方を示した。例えば、IPタイトルがリリースされたとしても、その2~3年後に新作が出るなど、ある種の「シリーズ化」の動きが見られるという。具体的な例としては『ONE PIECE』などがあげられるだろう。タイミングとして、2作品目のリリース時期を考えている作品が多いそうだ。

なお、スマホゲームの市場規模は非常に大きいが、急速に成熟化が進んでいる。開発費や広告宣伝費の高騰とともに、事業売却を行う会社が出るなど、市場参加者が減っている。この状況に対し、内藤社長は「いまが勝負の時」と述べ、IPタイトルを引っさげて積極的に打って出る考えを示した。市場は少数の会社で非常に大きな残存者利益を分け合う局面になりつつあり、同社にとっては大きなチャンスになるという見方だ。
 
 
(編集部 木村英彦)
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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