8K3D映像と22.2ch立体音響で作られたサカナクション VRコンテンツ『Aoi −碧− サカナクション』の体験レポート


10月27日より、東京にある日本科学未来館で開催されている「デジタルコンテンツEXPO」。同イベントは、コンテンツ技術をテーマとした国際イベントだ。コンテンツ分野で活躍する研究者やクリエイター、企業関係者等が参加し、最新の情報を交換しながら、デジタルコンテンツ産業の5年後、10年後の将来像を描き出すというのがその狙いだ。

その中でも、サカナクション、NHKエンタープライズ(NEP)、NHKメディアテクノロジー(MT)がコラボした世界初の8K3D映像と、22.2chサラウンドで作られたVRコンテンツ『Aoi −碧− サカナクション』が一般公開となった。同コンテンツは、等身大のサカナクションが目の前に現れて、白熱のライブ演奏を繰り広げるというもの。本稿では、VRコンテンツ『Aoi −碧− サカナクション』の映像体験をレポートする。


■VR HMDではない、3D眼鏡を使ったVR映像体験
 

8K:VRシアターは、新世代のメディア技術「8Kスーパーハイビジョン」を活用したシアター型のVR体験システムだという。映画館で使うような3D眼鏡をかけ実際に映像が始まると、立体映像としてサカナクションが目の前に現れて、ライブを行うといったものだ。

3D8Kで投影されたメンバーは、見たことのない精細な状態で”そこ”に存在していた。メンバー全員の全身が写っているようなカメラが引いた状況においても、ギターのフレッドでどこを抑えているのかはもちろん、指の爪まで確認できるのではないか?と思うくらいの精細さであった。


■24個のスピーカーが奏でるサラウンドシステム

シアター内には、22個のスピーカーと2個のサブウーファーが構成する、22.2chのサラウンドシステムが組まれており、それがよりリアルな体験を後押ししている。
 

▲上下左右をスピーカーで囲み、全面の両サイドにあるサブウーファー(紫色)が音の土台となっている

実際に出てくるとは非常に明瞭で、筆者は前の左寄りの席に座っていたが定位もしっかりしており、気になることはなかった。低音に関してもスペック上の低い音が出ればいいといったようなサブウーファーや、低域の設定をすることがまれにあるが、音が篭もることもなく、スッと抜けていく感じが実に心地良いものであった。

公演終了後、担当書の方よりお話を伺うことができたが、今回の会場は、今までの中でも状態がよく、非常に効果的に出せたとのことだ。
 

ライブに来ているファンを背景にし、立体化されているメンバーが演奏され、ライブ会場かのように設置された無数のレーザーが飛び交う空間は、今後くるであろう新しい空間を感じることができた。この先どのような作品が生まれてくるのか、リアルタイムへの応用はといった夢も膨らむ、素晴らしい体験ができた。

なお、残念なことに体験のための事前予約は全て終了となっている。また新たに体験できる機会が発表されたら、いち早くその内容皆様にお届けできればと思う。ファンはもちろんのことオーディオビジュアルや最新技術に興味のある人にも、間違いなくおすすめできるコンテンツだ。

8K:VR Theater 公式サイト

デジタルコンテンツEXPO



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