【決算分析】ガンホーの決算説明資料より…7~9月営業益は100億円割れ パートナーパブリッシングの好発進や待望の新作など好材料も 新作パイプラインは10本

10月28日に発表されたガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の2016年12月期の第3四半期累計(1~9月)の連結決算は、売上高874億円(前年同期比26.7%減)、営業利益365億円(同37.9%減)、経常利益361億円(同38.9%減)、四半期純利益231億円(同37.8%減)と2ケタ減収減益での着地となった。

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今回はガンホーが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。


■QonQでも減収減益、営業益は100億円大台割れ


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高259億円(前四半期比12.7%減)、営業利益98億円(同21.1%減)、経常利益97億円(同21.0%減)、最終利益63億円(同16.4%減)と減少トレンドが止まらず、営業利益は100億円の大台を割り込む結果となった。これは既存のスマートフォン向けゲームの売上高が減少したことが、ストレートに表れた結果と言えるだろう。
 

そうした中で、今期のトピックと言えるのが、同社の持つ運営力を元に、他社開発の良質なゲームを提供するパートナーパブリッシングがスタートしたことだ。同社はフランスのゲームロフトから日本における配信権を今年2月に取得した『ディズニー マジックキングダムズ』のAndroid版を10月3日から、iOS版を10月11日より配信開始したが、10月22日現在で、100万ダウンロードを突破するなど、順調なスタートを切っている。
 

また、こちらも第3四半期期間が終了した10月の話となるが、待望の新作スマートフォン向けRPG『セブンス・リバース』が発表され、事前登録を開始した。本作はエグゼクティブプロデューサー「森下一喜」氏、プロデューサー「田中弘道」氏、ディレクター「廣瀬髙志」氏、シナリオは「井上信行」氏が手掛け、コンセプトアートは「津田幸治」氏による描き下ろし、ゲーム内楽曲には「光田康典」氏によるオリジナルサウンドを起用と、数々の有名ゲームタイトルに携わってきたクリエイター陣によるタイトルとなっており、足元は順調に事前登録件数を伸ばしている。
 




■海外展開は“世界配信”前提のゲーム開発に転換 

その他、目新しいところでは、これまでと海外展開の方針から転換することを打ち出したことだ。これまでは、日本市場を見据えた日本発のゲームを海外展開していたことで時間を要していたが、今後は“世界配信”前提のゲーム開発に切り替えるという。

その第1弾は、2016年に北米・欧州で配信予定のPS4向けオンラインアクションゲーム『LET IT DIE』で、海外からスタート+家庭用オンラインF2P市場へ挑戦という、新たな挑戦になるとしている。
 
 

■新作パイプラインは10本、VR等新分野向けも


なお、新作のパイプラインについては10本としており、スマートフォン向けのほか、家庭用ゲーム機向け、そしてVR等新分野向けも含まれているもようだ。
 
 
(編集部:柴田正之)

 
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 森下 一喜
決算期
12月
直近業績
売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
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