アスタミューゼが分析する世界210ヵ国の「AR/VR」のクラウドファンディング市場の動向は?

アスタミューゼは、同社が保有する世界210ヵ国のクラウドファンディングデータの分析により、AR/VR分野におけるクラウドファンディング市場の動向を公開した。

同社は、保有する世界中の技術・特許・研究テーマ・製品情報とそれに関わるプレイヤー(企業・大学/研究機関)に対する投資データの分析を通じて投資・提携、新規事業支援を行っており、クラウドファンディングにおける各分野の投資状況についても調査・分析を続けてきたという。

*集計年次はプロジェクト終了日基準
*国別集計はプロジェクトオーナーの所在地基準
*2016年6月30日時点の為替レート


■流通金額は2014年から中近東・アジアに勢い
 

流通金額トップの北米地域は、約2.6億円を集めたOculus Riftの勢いを受けて2012年から2013年にかけて急伸したものの、翌年より堅調路線に。代わって後発ともいえる中近東・アジア地域が伸びを見せ始めている。

 
■中近東地域の勢いを牽引するイスラエルでは、大企業によるAR/VRベンチャーの買収が相次ぐ

中近東地域の勢いを牽引したのは「世界を仮想の紙面にする」というコンセプトを謳ったペン型入力デバイス”Phree - Make the world your paper”で、どんな場所でもレーザーでペンの動きをトラッキングし、スマートフォンなどに手書きの文字を入力できるというものです。これはイスラエルのベンチャー企業OTM Technologyによる製品で、2015年6月までにkickstarterで約1億2000万円、さらに2016年3月までにindiegogoで約1億1000万円、合計約2億3000万円の事前購入予約の獲得に成功している。

イスラエルは「第二のシリコンバレー」とも呼ばれ、研究開発費の対GDP比が世界1位となるなどイノベーションハブとして注目されており、AR/VR分野では2013年にApple社が3Dセンサーを開発するPrime Sense社を約351億円で買収し、大きな注目を集めた。

その後もイスラエルでは2015年にFacebook社が3DセンサーのPebbles Interfaces社を約61億円で、2016年3月にはスポーツをあらゆる角度からリプレイ視聴できる技術を開発したReplay Technologies社をインテル社が約155億円で買収するなど大企業によるAR/VRベンチャーの買収が相次いでおり、日本企業では2015年にサン電子がInfinity AR社に出資、さらに同年Lumus社とも提携してARによる業務効率化システムの開発に取り組んでいる。

*文中の買収価格はすべて想定価格
 

アスタミューゼ公式サイト