表参道発のロンドン行き KDDIのリアルタイム遠隔海外旅行サービス「SYNC TRAVEL」を体験レポート


 
KDDIは、11月2日、東京都内で行われた、国内初となるVRを活用したリアルタイム遠隔海外旅行サービス「SYNC TRAVEL」の体験会を行った。

同サービスは、“世界旅行を、もっと自由に。”をテーマに、「VR」と「通信」を駆使することで、日本と世界をリアルタイムでつなぐ、全く新しい形の遠隔海外旅行サービスだ。特設会場で、専用のVRゴーグルと現地ガイドが持つ360度カメラをリアルタイムで接続する。ガイドを通じて、観光スポットを巡って旅行先の人々とのコミュニケーションを楽しむことができ、加えて、見えている風景を写真で撮影したり、お土産を選んで日本で受け取ることができるという。
 

VR体験後には、遠隔体験した国の飲み物が楽しめるほか、体験したVR録画映像とオリジナルデザインのVRゴーグル「ハコスコ」を後日プレゼント。これにより、いつでも遠隔海外旅行の思い出を360度のリアルな映像で振り返ることができる。

本稿では実際にHMDを装着し、現地のガイドさんを通してロンドンを旅した体験をイベント会場の様子も交えてお届けする。


■表参道経由でロンドンへ、仮想海外旅行のはじまり

会場につくと、まず目につくのは大きなお立ち台だ。実際に海外旅行を行う際には、この台に登ってVRヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)をかぶり、旅をすることになる。
 

▲二人同時に体験することも可能。カップルでも楽しめる。
 

▲受付カウンター。大きな荷物なども預かってくれる。予約したことを告げ、料金を支払う
 

▲ロンドン行きのチケットが発行された。荷物を預ける場合には空港でよく見る、あのタグが付く。
 
準備が整い、いざお立ち台へ。筆者はとても緊張しぃで照れ屋である。これはなかなかハードルが高い。多くの関係者が見守り、大きな照れが入り交じる中、HMDを装着し、いざロンドンへ。

かわいらしいコール音が鳴り映像が表示されると、紛れもなく、そこはロンドンだった。
 

▲画面の左上と右上がそれぞれの視点

そしてお姉さんの声が聞こえて振り返ると、そこには素敵な女性ガイドさんが。
 

今回、ガイドさんが案内してくれるのはバラ・マーケット。このマーケット、古くは12世紀まで遡るとまで言われるイギリス最大の食品市場だ。ガイドさんとは、「ロンドンに来たことあります?」なんて話をしながら一緒にマーケットを探索。
 

▲現地の人とガイドさんを通してコミュニケーションができる。リアルタイムですこれ。

途中にはパエリアを作る屋台や、スイーツ屋さんなど、空きっ腹にはなかなかの厳しい状況が目に飛び込んでくる。
 

▲ガイドさんはトラベルキットを身につけているため、向こうの人にもこっちの様子が見える。これに、スタビライザー付きの360度カメラを持っているため非常に目立つ。現地の人に写メを撮られていたのが印象的だ。

そのまま近くにある道を散歩し、横切るロンドンバスの広告の意味など雑談をしながら、目的地であるロンドン橋に到着。ロンドン橋から見渡すテムズ川を、HMDに設置したカメラのシャッターボタンを押し記念撮影。ここで、つかの間のロンドン旅行を終えた。
 

▲目の前にはテムズ川が

会話に関しては、多少のタイムラグがあったため、TVで見る中継のようなシーンになるが、音質自体は良好そのもの。画質に関しても昨今の360度カメラ機材状況を考えると気になるところはなかった。

また、お立ち台にたった時は、多くの関係者に見守られるため、非常に照れを感じた。しかしHMDを装着し、ガイドさんとコミュニケーションを始めた瞬間に、照れというものを一瞬で忘れてしまう、まさに"没入"という状態だった。

さらにガイドさんと話をする事自体も楽しく、あっという間に時間は過ぎ、とても貴重な体験だった。

そして、今回何より思ったのは、現地に行きたいと強く思ったことだ。現時点でのVR体験で行きたいと思わせることができているのであれば、まずは成功と言っていいのではないだろうか。可能であれば、他の国の体験もしてみたい。

またそこまで遠くない未来、さらなる技術の進歩で、音声の遅延や更なる画質の向上があった際には、より没入感が増す体験ができるだろう。海外にいるガイドさんキットが小型化し、友人・知人がガイドになってくれた場合には、また違った楽しみ方ができるかもしれない。

「SYNC TRAVEL」は、今後のさらなる進化にも、とても期待できる旅行サービスだ。


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