【モブキャスト決算説明会】3Qはプラットフォーム事業移管を最優先 中国向け「まどマギ」は事前登録100万件に 来夏までに新作7本をリリースへ


モブキャスト<3664>は、11月10日、2016年12月期の第3四半期累計(1~9月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した第3四半期決算は、売上高23億5000万円(前年同期比20.8%減)、営業損益1億2800万円の赤字(前年同期6100万円の黒字)、経常損益1億5500万円の赤字(同3600万円の黒字)、四半期純損益2億6900万円の赤字(同6億8300万円の赤字)となった。

説明会では、同社の藪考樹社長が第3四半期の決算概要や新作タイトル開発の取り組みなどを説明した。その内容を踏まえつつ、主に業績面の内容について確認してみたい。


■マイネットへのプラットフォーム事業移管は9月末に完了


まずは第3四半期期間(7~9月)の業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比9.2%減の7億1100万円となった。また、営業損益は7700万円、経常損益は6900万円、四半期純損益は7000万円となり、2四半期連続で営業赤字を計上した。減収の要因は、マイネット<3928>へのプラットフォーム事業移管に伴う引き継ぎを優先したため、「『モバプロ』『モバサカ』などで施策を打てなかったため」(藪社長)で、「足元は当初の売り上げ水準に戻っている」(同)とのことだ。
 

一方、費用面を見ると、この四半期は、『18』の積極的な広告施策を実施しなかったことで、広告宣伝費が大きく減少している。その一方で、その他費用が大きく膨らんでいるが、これはマイネットとの提携により外部委託費が増加したことによるものとなる。
 

なお、マイネットへの事業移管および人財のシフトは予定通り9月末に完了しており、新作ネイティブゲーム開発に資源を集中する体制が順調に構築できたもようだ。
 

■来夏までに計7本のリリースを計画中 中国向け「まどマギ」は事前登録者数100万件突破


その新作ネイティブゲームの戦略としては、日本のアニメIP(JP IP)に特化した「JP IP GLOBAL ASIA FUND(仮)」を中国のLUN PARTNERSと設立(関連記事)し、IP取得力を強化した上で、中華圏・日本を中心とするアジアに向けRPGを中心に共同開発の形で取り組んでいくほか、同社の得意とするパズルとスポーツSLGを北米と日本、ヨーロッパに向けに自社で開発していく。
 

共同開発タイトルとしては、中華圏初となる正式ライセンスを取得した「魔法少女まどか☆マギカ」のスマホゲームを中国アニメ配信大手bilibiliと開発を進めているが、こちらは2016年11月10日時点で事前登録者数100万件突破とのことだ。
 

また、Project「CMM」というプロジェクト名で、グローバル向けサッカーネイティブアプリを開発中で、こちらは中国で人気のサッカーゲームを開発したCAPSTONE社と開発を進めている。こちらは中国・日本を皮切りにグローバル配信が行われるもようで、詳細は近日発表の予定だ。
 

また、クリエイターの岡本吉起氏と組み、大型IPタイトルとなるProject「OK」を2017年夏リリースに向けて開発中であるほか、アニメIPプロジェクト2本が現在開発に向けて進行中としていた。
 

一方、自社開発タイトルについては、主力タイトルである『18』と『LUMINES パズル&ミュージック』の強化に努めていくほか、無料DLアイテム課金型「LUMINES」を自社パブリッシングタイトルとして来夏にリリースする予定だ。
 

また、スポーツシミュレーションゲームとなるProject「LEGEND」やパズルゲームProject「SM」も2017年リリースに向けてそれぞれ開発中だ。
 

上記開発タイトルをまとめたのが下の図で、当初計画の6本に1本を加え、来夏までに計7本のリリースが計画中となっている。
 
 
(編集部:柴田正之)


 
株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
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