【イベントレポート】SIE秋山氏が語るPSVRローンチ後の反響や課題とは 「VR Tech Tokyo#4」レポートその1


11月10日、VR関連の開発者向けLT型勉強会「VR Tech Tokyo #4」が東京・渋谷のGMOペパボで開催された。その中のセッションで、ソニーインタラクティブエンターテイメント(以下、SIE)の秋山 賢成氏が登壇。PlayStationVR(以下、PSVR)や、PlayStation4 Pro(以下、PS4Pro)が発売された事もあり、ローンチ後の状況が気になる皆様も多いのではないだろうか。

本稿では今回のセッションで明かされた、ユーザーからの反響や、制作で苦労したところや課題など、データを使いながら語ってくれた

・PSVR発売の反響
・VRのこれからはどうなのか
- PS4ProとPS VR
・データから考える今後取るべくアクションとは

といった3つのアジェンダを踏まえ、複数回に渡ってその内容をお届けする。


■PSVR、世界同時ローンチ。発売後の反響や課題とは。 
 

「VRのお話ということでPSVRが先日発売を迎えました。品切れで非常に怒られていますが、我々が思っている以上に、人気や声の大きさを非常に感じている」と秋山氏は語った。

 PSVRの発売時のタイトルは、ゲーム以外のタイトルも含めて22タイトル。更に無料コンテンツを9つ公開しているが、VRは体験しないとわからないことや、ローンチコンテンツの価格設定もどれくらいの値段に設定すれば、ユーザーが満足するか、とっつきやすいのか、無料だけで満足しないようなマネタイズ、といった面でも随分悩んだという。
 
 

 
ただ、そういったことを乗り越え、いま出ている内容がテンプレートになったかと思うので、一度そういった視点でコンテンツを見てもらうのも面白い、と会場に投げかけた。
 

同氏は続けて「まず我々にとってスムーズにローンチすることができた」と伝えた。というのも、過去のローンチでは様々な問題が起き、色々な人に迷惑をかけ、発売延期などもあったことを挙げ、今回は2年程前から展開している中国も含めてグローバルで同時にローンチできた事は非常に大きかったのだという。
 

 
次に発売後の反響、PSVRは世の中にVRを浸透させることができたのかという点に関してだ。「日経トレンディ」が選ぶ "2016年ヒット商品ベスト30に" にVRが15位に入ったことを挙げ、日本人の認知や期待が高いという見解を示した。

更にSIEでは、様々なデータを取っており、VRの認知度という点も調査していたという。具体的に言うと

・VRを理解している
・VRという言葉は知ってる


などといったお題で、VRを理解している人の割合が、3月の24%から9月の28%と4%ほど上昇。その他にも「VRを全く知らないという人」というカテゴリーでの割合も下がったという。

では「VR」という枠ではなく、「PSVR」という視点だとどうか。こちらに関しては3月の時点で知ってる人は8%だったところ、9月の時点で17%と大きく増加したと明かした。

ただし課題もあったという。まずは体験率。PSVRを体験したことがある人の割合が、さほど上がっていない事に触れ、SIEでの周知の仕方や体験会のやり方等でまだ足りてない部分があるのでは、と述べた。

なおローンチ後の情報に関して多くは明かされなかったが、情報バラエティ番組で宮根氏がプレイ中にこけたことや、ワイドショーでダウンタウンの松本氏が体験をしたことなど、TVでの露出があったことを挙げ認知度が上がっていることも加えた。

もちろん良いことばかりだけではない、体験だけに特化しているコンテンツが多いといったことや、"既存の技術の延長、革新的なものを感じない"といった意見があることにも触れ、そういったものを受け止めた上で、VR黎明期という今のタイミングで、こういった話をするのは意味がないとアピール。"作りたいものを本当に作り、ノウハウを貯め、こういう場でシェアをし、VRの場を盛り上げていく時期"だと思っているとし、PSVR発売の反響 というお題を締めくくった。
 

<続く>
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)
https://www.sie.com/jp/index.html

会社情報

会社名
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)
設立
1993年11月
代表者
暫定CEO 十時 裕樹
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