【インタビュー】スクエニの意欲作『協力クイズ RPG マギメモ』…顔を付き合わせてこそ盛り上がれるクイズの魅力やトレード機能実装の真意を訊く

 
11月18日より、サービスを開始したスクウェア・エニックスの『協力クイズRPG マギメモ』(以下、『マギメモ』)。同タイトルは、ひとりで遊べることはもちろん、最大4人同時プレイでひとつの問題を一緒に解いていく形のクイズに回答してクエストをクリアしていく協力クイズRPGとなっている。クイズの数は、80ジャンル超から1万問以上が用意されているほか、500種類以上のアバターと着せ替えやトレードで、目の前の友達とはもちろん、全国のプレイヤーとコミュニケーションを楽しめる。
 
また、ゲーム以外の面では、リリース翌日(11月19日)からテレビCMを放映するなど、積極的なプロモーション展開が目立つ。
 
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そこで本稿では、同タイトルのプロデューサーを務める吉川氏、プランナーを務める渡辺氏のお二人にインタビューを実施。プロジェクト発足の経緯から、クイズというジャンルにスポットを当てた理由、より協力感を出すために行った工夫などについてお話を伺ってきた。
 

株式会社スクウェア・エニックス
第9ビジネス・ディビジョン
『協力クイズRPG マギメモ』プロデューサー
吉川裕之氏(写真右)
 
株式会社スクウェア・エニックス
第9ビジネス・ディビジョン
『協力クイズRPG マギメモ』プランナー
渡辺優氏(写真左)
 
 
──:まず始めに、本タイトル発足時の経緯について教えてください。
 
吉川裕之氏(以下、吉川):きっかけは、以前からマルチプレイで遊べるゲームを作りたいと考えていたことです。そこで、多くのユーザーが共通して楽しめるものを考えたときに「クイズゲーム」というジャンルが浮かび上がってきました。ゲームセンターにあるクイズゲームの筐体を前にして、老若男女問わず一緒になって遊んでいるイメージで本プロジェクトを立ち上げました。
 
──:吉川氏は今回が初プロデュース作品になるとお聞きしましたが、これまではどういった業務に携わられてきたのでしょうか?
 
吉川:2007年に入社し、プログラマーとして主にコンソールゲームを担当しておりました。スマホ向けタイトルでは、2012年頃から『スクールガールストライカーズ』などにも関わっておりました。現在は、『マギメモ』で開発運営のプロデューサーを務めております。
 
――:渡辺氏は、これまでどういった業務に携わられてきましたか? また、『マギメモ』でどういった部分をご担当されているか教えてください。
 
渡辺優氏(以下、渡辺):私は2015年に入社し、『三国志乱舞』というスマホ向けタイトルに1年ほど携わっていました。そこでは、主にプランナーを務めていたほか、他作品とのコラボ関連の進行を任されておりました。『マギメモ』でも、基本的にはプランナーとして従事しておりますが、状況に応じて他の業務に対応することもあります。
 
――:本作において、特にこだわった部分について教えてください。
 
吉川:マルチプレイにおいては、協力型にすることで皆と答えを教え合い、会話が盛り上がるよう意識して制作に取り組みました。各々得意ジャンルが異なると思いますので、クイズを起点にして一緒に遊んでいる人の趣味嗜好を理解し、より楽しい会話へと繋げられるのがポイントとなっております。
 

 
渡辺:スマホ向けタイトルのマルチプレイと聞くと、オンライン上で一緒に遊ぶことを想像される方も多いとは思うのですが、本作ではリアルに目の前の人と協力して遊んだ際に盛り上がれるかどうかを特に重要視しています。相談しながら答えを探すことで、ゲーム内で一緒に遊んでいる人はもちろん、端末を持っていなくても周りから口を出したくなる、フェイストゥフェイスのコミュニケーションを楽しんでいただきたいと思っております。
 
吉川:自分ひとりで完結せず、周囲にも伝播できるのがクイズというジャンルの強みになるのではないでしょうか。

 
――:問題形式については、どのようにして決められたのでしょうか?
 
渡辺:見た目として分かりやすいという理由で、4択問題や○×問題を採用しました。
 

 
吉川:そのほかには、マルチプレイで盛り上がりやすいという理由で、チームメンバーが順番に文字を一文字ずつ埋めていく穴埋め問題などを取り入れています。また、今後のアップデートでは新たな問題形式を実装することも検討しております。
 
──:開発において、苦労された点はございましたか?
 
吉川:設問を1万問以上用意するのが大変でした。簡単になりすぎてもいけないので、分かりそうで分からないというギリギリのラインを模索したり、特定の地方の人には常識となっている要素をご当地クイズとして出題してみたり、より多くの方に楽しんでいただけるよう工夫いたしました。
 
渡辺:クイズの部分では他に、ジャンル分けには非常にこだわっております。例えば、「アイドル」というジャンルの中でも、「男性アイドル」が好きな人と「女性アイドル」が好きな人は絶対に異なるので分けるべきじゃないかというような話し合いを行いながら作りました。3ヶ月前には30種ほどだったジャンルが、今では80種以上になり、これについては今後も増やしていく予定です。

 

 
──:実際にプレイしてみて、自分が得意な分野をピンポイントに選択できるので、出現したときの高揚感が増しました。
 
渡辺:選択するジャンルによってその人の得手不得手が分かるなど、一緒にプレイするだけで人となりが見えるようになりましたね。
 
吉川:どうすれば友人・家族と一緒にプレイしてくれるだろうかという点を最優先に考えながら開発を進めてまいりました。

 

 
――:ここまで主にマルチプレイについて話を伺ってまいりましたが、ソロパートの魅力はどういった部分になるのでしょうか?
 
吉川:本作には、クイズに加えてRPGの要素が取り入れられています。RPGは、弊社の得意ジャンルのひとつでもありますので、シナリオや世界観、キャラクターたちがどのように絡み合ってストーリーが進行していくのかといったところを楽しんでいただきたいです。また、本作は全クエストをマルチプレイ対応にしておりますので、皆で遊んで話のネタにしていただくのも良いですし、ゲーム好きの方にはソロプレイで歯ごたえのある展開を楽しんでいただけると思います。
 


 
――:また、本作にはコミュニケーションツールのひとつとしてアバターシステムが導入されておりますが、これを採用された理由についてお聞かせいただけますか。
 
吉川:アバターは、ネットゲームにおいて友人とコミュニケーションする際に非常に重要なポイントになると考えております。また、昨今ではトレード機能を実装したタイトルが減ってしまったことから、街で使うアバターとクエストで編成するユニットを切り離すことで、他のユーザーとアバター衣装をトレードできるシステムを用意しました。さらに、ユニットの育成によりアバター衣装が手に入るシステムを導入することで、カードパラメーターやビジュアル面以外にも付加価値を持たせることができるという理由もあり、アバターシステムの採用に至りました。
 

 
渡辺:多くのタイトルでは、レアリティがノーマルのキャラを育てる意義が失われつつあると思うのですが、本作ではユニットのレベルマックスや進化でアバター衣装が手に入るうえ、稀に出現する「レアカラー」もございますので、低レアリティのキャラにもバリューを持たすことができていると思います。そのうえでトレードを実装し、ユーザー間でのコミュニケーションの活性化に繋げたいと考えました。ユニットを育てることでアバター衣装が手に入るという機能は本作の特徴的な部分でもありますので、是非、見ていただきたいポイントです。
 
吉川:少し話が戻りますが、手に入れたアバター衣装をトレードできるといのは、やり込み要素としてソロプレイ時の魅力にもなります。

 

 
──:今後の展望についてはいかがでしょうか?
 
渡辺:コミュニケーション面で、一言メッセージのような機能を実装したいと考えております。また、RPGとして楽しんでいただけるようシナリオの拡張を随時行っていきたいです。
 
吉川:クイズの面では先ほどもお話した通り、ジャンルや問題数を毎月どんどん増やしていく予定です。また、今後はゲーム業界を始め、多方面の企業とのコラボレーションを検討していきたいです。例えば、「Social Game Infoの第一稿を書いたのは誰でしょう?」というように、コラボ先に特化した問題をゲーム内に自然な形で登場させたり、独自のジャンルを設立することができますので。

 
──:それは本作ならではの魅力ですね。
 
渡辺:ゲームが苦手な方も参加しやすいクイズというジャンルならではの幅広さだと思います。
 
吉川:イベントとしては他に、リリース時から実施している降臨系のボスや、長いダンジョンを踏破していくクエスト、レイドボス的なものを倒して獲得ポイントを競うなど、3つの形式を想定しています。

 
──:現在、マルチプレイでは協力のみ可能となっておりますが、対戦形式のコンテンツを実装される予定はございますか?
 
吉川:クイズファン向けのコンテンツとして、知識を競い合うものがあると楽しいとは思いますので、将来的にではありますが検討しています。
 
渡辺:テストプレイの段階で、多くの方から「対戦もやりたい」という声を伺いましたので、是非入れたいですね。

 
──:システム面で今後、検討されていることはございますか?
 
吉川:既に気付かれている方もおられるとは思いますが、本作には現在、ボイスが入っておりません。今後、ゲームをリッチに楽しんでいただくうえで、そういったご要望あれば検討してみたいと思っています。
 

 
──:そのほか、リリース翌日からテレビCM放映を開始されるというのは特徴的なマーケティング戦略だと思うのですが、これにはどういった意図があったのでしょうか?
 
吉川:本作の魅力を伝えるうえで動画が最も適していると考え、そのツールとしてテレビCMを選択しました。内容としては、RPGやキャラクターの部分を見せながら、友人や会社の同僚とも楽しく遊べるスマホのゲームであることをシンプルに訴えたものとなっています。
 
──最後に、読者の方々にメッセージをお願いします。
 
吉川:小学生の頃に、なぞなぞやクイズで遊んだ当時の感覚を思い出して楽しめるゲームとなっております。普段、ゲームをプレイされない方でも楽しめる内容になっておりますので、気軽に答えを教え合いながら、どんどんと周りの人を誘って楽しんでいただければと思います。
 
渡辺:家族、友人、恋人など、同じ空間で遊べるゲームとして活用していただきたいです。また、本タイトルとのコラボにつきましても、各社さんのお声がけをお待ちしております!

 
――:本日はありがとうございました。
 

 
■『協力クイズRPG マギメモ』
 

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設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
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3月
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売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
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