【決算分析】ケイブの決算補足資料より…QonQでの増収トレンド続く 『ゴ魔乙』は引き続きコラボを展開、海外展開も委託先と交渉中 VRコンテンツにも着手

1月13日に発表されたケイブ<3760>の2017年5月期の第2四半期累計(6~11月)の決算は、売上高13億7400万円(前々期比27.0%増)、営業損益1億円の赤字(前年同期900万円の赤字)、経常損益1億600万円の赤字(同1400万円の赤字)、四半期純損益2億5400万円の赤字(同1500万円の赤字)と2ケタ増収ながら赤字計上となった。

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今回はケイブが開示した決算補足資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
 

■広告宣伝費を通常ベースに戻し、四半期ベースで黒字化


まずは売上構成比率の推移から見てみると、ここには大きな変動はなく、ネイティブゲームの売上比率は第1四半期期間に続き第2四半期期間も全体の80%を占めた。全体の売上高は右肩上がりの状況が続いており、これはつまり四半期単位での『ゴシックは魔法乙女』の売上の伸びが継続しているということになる。
 

一方、利益面については、前四半期の1億8600万円の営業赤字計上から、この第2四半期は8500万円の営業黒字に転換した。これは、第1四半期に『ゴシックは魔法乙女』のTVCMを実施し大きく膨らんでいた広告宣伝費を通常並みに戻したことによるものとなる。
 


では、そのTVCMの効果はというと、足元の『ゴシックは魔法乙女』月次売上高の推移が以下のグラフだ。CM実施直後からは落ち着いてきているものの、足元の月次売上高はCM実施前と比べて上回った水準での推移が続いている。
 
 

■『ゴシックは魔法乙女』は引き続きコラボ展開を計画


続いて、TVCM以外の『ゴシックは魔法乙女』についての取り組みを見てみたい。まずは、2016年10月20日にver.1.4.0へのアップデートを実施しているほか、月間1本のペースでコラボイベントを実施する形となっている。
 


こうしたコラボは、今後も継続的に実施していく方針で、既に2月~5月についても「有名タレント」や「著名アニメ版権」を使ったゲーム内イベントやプロモーション展開が計画されている。
 

また、海外展開についても、既に準備が着々と進められている韓国に加え、台湾/香港/マカオ市場向けについても現在、委託企業との契約交渉が進められているもようだ。
 
 

■VRコンテンツの開発に着手


期中に発表された新たな取り組みとしては、VR(仮想現実)コンテンツの開発に着手したことが挙げられよう。「破壊・爽快」をテーマとしたゲーム性の高いコンテンツの開発を進めているとしており、2017年内のリリースに向けて準備が進められているとのことだ。
 
 

■『ゴシックは魔法乙女』に続く柱の育成fが大きな課題


『ゴシックは魔法乙女』の国内展開については、CM効果やコラボ展開などが奏功し、引き続き順調な推移となっているが、依存度が高まり過ぎているところはやや懸念されるところ。新たな動きとしてVRコンテンツの開発なども浮上してきているが、『ゴシックは魔法乙女』に続く柱の育成は大きな課題と言えよう。

また、海外展開については、『ゴシックは魔法乙女』の台湾/香港/マカオ市場向けの動きが見えてきたことは、今後に向けたポジティブな材料だろう。
 
(編集部:柴田正之)


 
株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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