【コロプラ決算説明会②】1Qは減収減益ながら「計画上回る順調なリスタート」(馬場社長) 『白猫PJ』は足元DAU回復 今期新作は3Q以降に


コロプラ<3668>は、2月1日、2017年9月期の第1四半期(10~12月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した決算は、売上高144億円(前年同期比12.4%減)、営業利益36億円(同48.8%減)、経常利益41億円(同42.2%減)、四半期純利益27億円(同36.9%減)と大幅な減益での着地となった(前年同期は単体のため、前年同期比との比較は参考値)。

決算説明会では、同社の馬場功淳代表取締役社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■『白猫PJ』『白猫テニス』『黒猫』の12月売り上げが伸び、計画を上回る


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比28.5%減、営業利益は同41.2%減、経常利益は同32.5%減、四半期純利益は同54.6%減となった。主力の『白猫プロジェクト』(以下『白猫PJ』)が10月、11月と落ち込んだことに加え、前四半期はリリースのタイミングだった『白猫テニス』が落ち着いた推移となったことで売上高が大きく減少したことがその要因となる。ただし、これは会社側の想定範囲の推移で、年末施策で『白猫PJ』『白猫テニス』『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下『黒猫』)の12月の売り上げが伸び、計画を上回っての着地になったという。
 

続いて費用の推移を見てみたい。大きく変化したのは広告宣伝費で、前四半期比で11億円減少した。

ただし、取締役CFO兼CSOコーポレート統括本部長の長谷部潤氏(写真)によると「今期はもともと絞るという方針で準備を進めてきた」とのことで、費用対効果での広告効果はむしろ上がったという。
 

従業員数の推移は、前年度の第3四半期(4~6月)から横ばい推移が続いている。これは、M&Aによる人的リソースの確保が一巡し、人的リソースの質的向上と人員の適材適所を進めているフェーズにあるためだ。

そうした状況の中で、上場来となる大規模組織再編も実施された。具体的には、事業部制から機能組織制に移行し、専門部署がチーム横断で人材配置を行う体制になったという。グループが1000人規模となり、事業部制では問題の共有ができなくなってきたことなどが課題となってきたことがその背景にあり、今後この組織再編の効果が発揮されることが期待される。
 
 

■『白猫PJ』の足元DAUは回復 課題は課金率の低下


次にサービスの状況に目を移すと、『白猫PJ』など2014年リリースタイトルが大きく落ち込み、『黒猫』など2013年リリースタイトル、『白猫テニス』など2016年リリースタイトルと売り上げが拮抗しつつある。なお、2014年リリースタイトルの全体売上高に対する比率は前四半期比7.0ポイント減の38.2%となった。
 


売上高が落ち込んでいる『白猫PJ』だが、「足元はDAU(日次アクティブユーザー数)が増えてきた」(長谷部氏)とのこと。ただし、課金率の低下が課題となっており、新たに遊んでいるユーザーは増えているが課金ユーザー化が進んでいないという状況のようだ。
 

海外展開については、韓国版『白猫PJ』の落ち込みとともに売上高が大きく縮小している。台湾版『バトルガール ハイスクール』の運営は、子会社のリアルスタイルが担当し、カルチャライズや日本版でのイベントの早期実装を進めていくという。
 


■今期は3Qより新作寄与で再伸長へ


2017年9月期通期の連結業績予想は、従来予想から変更なく、売上高550億円(前期比35.1%減)、営業利益110億円(同65.5%減)、経常利益110億円(同64.8%減)、当期純利益75億円(同63.8%減)の見込み。

この通期予想に対する第1四半期時点での進捗率は、売上高で26.2%、営業利益で33.3%となり、「計画上回り順調なリスタートを切れた」(馬場社長)としていた。第2四半期は季節要因によって例年厳しいが、第3四半期から新作の寄与により再伸長する見通しとしている。

なお、新作タイトルは、「課金の方法を変えて、ガチャは入れない方向で開発を進めている」(同)とのことだ。
 

(編集部:柴田正之)


 
 
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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