【ミクシィ決算説明会②】「4Qの売上高600億は十分達成可能な数字」(森田社長) アニメ・映画・ゲームのメディアミックス戦略にも手応え


ミクシィ<2121>は、2月9日、東京都内で2017年3月期の第3四半期(4~12月)の決算説明会を開催した。説明会に先立って発表された第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高1429億円(前年同期比4.9%減)、営業利益565億円(同16.0%減)、経常利益560億円(同16.3%減)、四半期純利益388億円(同11.7%減)減収減益での着地となった。

説明会では、同社の萩野泰弘取締役が財務状況を説明、続いて森田仁基代表取締役社長(写真)が事業状況の説明を行い、その後質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■今期の広告宣伝費は期初の計画300億円から230億円程度に抑制


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高が前四半期比43.2%増の563億円、営業利益は同57.0%増の222億円、経常利益は同60.9%増の222億円、四半期純利益は同69.7%増の157億円と大幅な増収増益を達成している。これは、エンターテインメント事業において、主力タイトルの『モンスターストライク』(以下『モンスト』)が国内において、高水準のアクティブユーザー数を安定的に継続したことが大きな要因となっている。

販管費の四半期推移を見ると、広告宣伝費は第3四半期までの累計で173億円となっており、通期で230億円程度で着地する見通しだという。期初の計画では「300億円を見込んでいた」(萩野氏)とのことで、「非常に効率的に広告宣伝ができている」(同)としていた。
 


■『モンスト』は1月に過去最高のアクティブユーザー数を記録


続いて各事業の状況に目を移したい。まずはエンターテインメント事業だが、『モンスト』は10月の3周年で過去最高のアクティブユーザー数を獲得したが、「ここで終わりでなく1月1日(年末年始)にピークをもっていくべく施策を展開した」(森田社長)という。具体的には11月にはテレビアニメ「幽遊白書」とのコラボ、12月には年末年始のキャンペーンを実施している。

また、動画コンテンツについてもYoutubeアニメの展開から劇場版の公開と行い、アニメ・映画・ゲームというメディアミックス戦略にも手応えを得たという。最終的に「1月1日に10月のアクティブユーザー数をさらに上回るアクティブユーザー数を記録した」(同)とのことで、実際に数字面からもその戦略の効果が確認できたと言えそうだ。
 

ちなみに1月が好スタートなった第4四半期のコラボ企画としては、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」の生誕30周年を記念した企画の実施が決定している。
 

そのほか、これは来期の話となるが、マーチャンダイジング展開として、実店舗となる「XFLAG STORE」(エックスフラッグストア)を5月に渋谷にオープンする予定であることも発表した。
 

次にメディアプラットフォーム事業は、複数のサービスを提供し、売り上げを積層的に積み上げることで、じわじわと成長することに成功している。足元は「チケットキャンプ」が伸び盛りで売り上げに貢献しているほか、子どもの写真・動画共有アプリ「みてね」も2月より放映開始したTVCMの効果で利用者数、アップロード数とも急速に伸びているもようだ。
 

 

■4Qの売上高600億円は「十分達成可能だと思っている」(森田社長)


なお、2017年3月期通期の予想については、売上高は従来予想を下回る2060億円に修正されたが、営業利益は逆に従来予想を上回る860億円に修正されている。「『モンスト』の海外展開と、エンターテインメント事業の新規タイトルで増収を狙っていたが、低調に推移し、売り上げは減額となった」(同)が、広告宣伝のノウハウが蓄積され、より効率的なユーザー獲得ができるようになってきたことで、広告宣伝費が計画よりも縮小し、利益は従来予想を上回る見通しとなった。

「4Qの売上高600億円を見込む強気の計画だが、1月に過去最高の日商、過去最高の月商を達成しており、この数字は十分達成可能だと思っている」(同)としていた。
 
 
(編集部:柴田正之)

 
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会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
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