【インタビュー】GMOアプリクラウドで『モンスターストライク』はどう生まれ変わったのか―XFLAG スタジオにその実力を訊く


ミクシィのXFLAG スタジオが提供するスマートフォンアプリ『モンスターストライク』。本作は2013年10月10日より日本国内で配信が始まるとすぐさま人気を集め、現在では、北米、台湾、香港・マカオに加え、西ヨーロッパ、南米などにも提供範囲を拡大。2017年1月には世界累計の利用者数が4,000万人を突破するというニュースも飛び込んできた、モンスタータイトルとしての地位を不動のものにしている作品だ。

しかし人気が高まり、プレイヤーが増えるにつれて問題となってくるのがサーバーへの負荷である。サーバーへの負荷が増えればゲームの動作、レスポンスは遅くなり、それはそのままゲームの評価にもつながってしまう。そこで現在『モンスターストライク』では、GMOインターネットが提供するゲーム・アプリ向けクラウドサービス「GMOアプリクラウド」を導入し、安定した運営を実現している。

今回、XFLAG スタジオのSREグループに所属する清水勲氏にインタビューを実施。GMOアプリクラウドを導入することになった背景から性能まで、同クラウドサービスについて気になる質問をぶつけてきた。
 
 

■パフォーマンスだけでなく安心感も魅力



XFLAG スタジオ
SREグループ 
清水 勲



――本日はよろしくお願いします。まずは清水さんが現在携わっている業務について教えてください。

よろしくお願いします。私は『モンスターストライク』などを運営するXFLAG スタジオのゲーム開発室、SREグループに所属しています。SREというのはサイト・リライアビリティ・エンジニアリングの略で、『モンスターストライク』のサーバーを支える仕事という認識で問題ありません。具体的には、効率の良いサーバーの構築や、負荷の対策がメインの仕事です。

――関わっているタイトルとしては、やはり『モンスターストライク』がメインなのですね。

さらに言うと、日本版の『モンスターストライク』ですね。本作は日本以外に海外での運営も行っていますが、私が担当しているのはあくまでも国内のサーバー周りです。


――今回は『モンスターストライク』も利用している「GMOアプリクラウド」についてお話を聞かせてもらいたいのですが、その前に、こちらを導入する前はどんな運用をしていたのか教えてもらえますか。

以前より他のクラウドサービスを使う機会がありますが、性能面やレイテンシーの問題、さらにはコスト面など、さまざまな課題がありました。また、特定の一社のクラウドに依存していいのかという議論も社内では度々起こっていましたね。そしていつしか、他のクラウドサービスも試してみようという話になっていったのです。


――たくさんの種類があるクラウドサービスの中で、選定する際のポイントはなんだったのですか?

『モンスターストライク』のシステム上、レイテンシーはとても重要だったので、選定の際もそこを特に吟味しました。あとは当然価格面ですね。質の良いサービスを安く利用できれば、会社としても使いやすいですからね。それ以外にも利用するサービス、例えば今回だと『モンスターストライク』にはどのクラウドサービスが向いているかをじっくり見極める必要があります。ゲームとクラウドの相性もとても大切なので。


――ゲームごとの相性もあるのですね。

『モンスターストライク』では「GMOアプリクラウド」をアプリケーションサーバーに利用していますが、そこに関しては「GMOアプリクラウド」はとても相性がよく、安定した運営ができています。またアプリケーションサーバーの数は今後も増減していくと思います。負荷が少ないときは減らせるのもクラウドのいいところです。そんなときも柔軟に対応していきたいですね。
 

――そうしたポイントを重視した結果選ばれたのが「GMOアプリクラウド」だったと。では、どのようなきっかけで「GMOアプリクラウド」を知ったのでしょう。

当時を振り返ると、『モンスターストライク』のサービスを提供する以前、GMOさんが開催した勉強会に参加したときですね。その勉強会は「GMOアプリクラウド」を中心にしたもので、当時は「こういうものもあるのか」くらいにしか思っていませんでした。その後、新しいクラウドサービスを選定する際あらためてお話を伺ったという経緯です。


――実際に使ってみていかがですか?

以前使っていたクラウドと比較してもパフォーマンスがとても良くて満足しています。「GMOアプリクラウド」には万が一物理ホストで障害が発生したときでも、自動的に復旧してくれるシステムHA機能(自動フェイルオーバー)の機能があり、安心感という点でも優れていると思います。


――機能や性能面で特徴的だったことはありますか?

『モンスターストライク』を運営するために必要な40vCPUといったCPU数の多いサーバースペックを揃えているだけでなく、コストパフォーマンスの良さやHA機能は運営するにあたって重宝しております。


――導入決定から本番稼働までで苦労したことはありましたか?

以前使っていたクラウドサービスと比べると、使い勝手やオペレーションの手順は当然違ってくるので、チーム内で使い方を共有するのは苦労しましたね。とはいえGMOさんにはいつでも質問を受け付けてくれる24時間365日対応のサポート窓口があり、分からないことはすぐに相談に乗ってくれました。総合的に見ると作業はスムーズに進んだのだと思います。


――では、他のスタッフからの反響としてはなにかありますか?

やはり障害があったときの対応が万全なのはかなり好評な印象です。また、サーバー性能が良いおかげで見なければいけないサーバーの台数が減ったため、サーバー運用にかかる労力がかからなくなり、運用が楽になったのも大きいですね。
 

――具体的に「GMOアプリクラウド」を導入したことで、改善した点や、質が向上したケースはありましたか?

今までは社内で借りているデータセンターにアプリケーションサーバーを置いていましたが、「GMOアプリクラウド」を導入したことにより、単純に台数を減らせました。自社のサーバーでは2~3台必要なところが1台でまかなえてしまいます。台数が減らせれば当然故障に悩まされる可能性も低くなりますし、運営の安定にもつながります。


――コスト面ではいかがですか?

実は、目先のコスト削減を目的にはしていません。というのも、我々は5年先を見据え、未来のコストを削減できればいいという考えですので、長期的に見ましたら大きく変わってくると考えています。


――ここまでは運営チーム側にとってのメリットを教えてもらいましたが、ユーザーサイドにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

サーバーのスペックが良くなればゲームのレスポンスが多少なりとも良くなり、快適に楽しむことが可能になります。その点でも「GMOアプリクラウド」のパフォーマンスは満足のいくものとなっています。


――今後の「GMOアプリクラウド」に期待していることがあれば教えてください。

サーバーの種類もたくさんありますが、それをもっと柔軟に使い分けることができると嬉しいですね。先ほども話したとおり、ゲームとサーバーには相性があり、「GMOアプリクラウド」とマッチしないゲームが生まれる可能性もあります。サーバーの幅が広がれば、よりマッチした使い方ができるようになると思います。


――ちなみに、そのような要望を聞く体制はGMOさんにはできているのでしょうか。

なにか問題や相談事があれば営業の方がすぐに来てくれます。それも円滑な導入に一役買っていて、今でもとても助かっています。


――それでは最後に、『モンスターストライク』やXFLAG スタジオが持つ、今後の展望を教えてください。

運用をしている側としては、よりシンプルな運営を実現できるように頑張っていきたいです。僕たちが考えたり、悩んだりする場面が減れば、ユーザーさんにも快適なゲームという形でお届けできるからです。また僕個人としてはサーバーを落とさないように努力したいですね。サーバーにはどうしても障害がつきものですが、できるだけ落とさない準備、万が一落ちてもすぐに復旧できる準備を進めていきたいです。なお、XFLAG スタジオでは、様々なポジションで積極採用中ですので、ご興味のある方は是非お願いします。


――ありがとうございました。


 

XFLAG

『モンスターストライク』

GMOアプリクラウド

 
 
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会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
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