ファリアーは、3月11日、宝塚大学梅田キャンパスで、関西圏の学生に向けた勉強会「駿馬 〜ゲームクリエイター育成講座〜」を開催した。「駿馬(しゅんめ)」とは、関東近郊以外の地域からゲーム業界を目指す学生に向けたイベントの総称だ。
関東圏に比べて、関西圏でイベントが開催されることはまだまだ少なく、ゲーム業界を「ただの夢」ではなく「目指す先」として具体的にイメージし、何をすればたどり着けるのか?「夢から目標に」転化する機会となってほしいという、当媒体の連載記事「ゲーム業界活人研」でもお馴染みの株式会社ファリアー代表馬場氏の願いのもと開催された。今回の記事では、「駿馬」の模様をレポートしていく。
■案出しからアウトプットまで経験する「ゲーム開発を足元から支える企画立案講座」
▲会場には、学生さんをサポートしたいと、日清食品さんからの『とんがらし麺』が山積みに!
ゲーム業界に進むのであれば、「ゲームをつくったことがある」という経験は大きな強みとなる。スキルとしては勿論だが、面接などで自分を表現する際にも、「何を考えて」「どのような壁にぶつかり」「悩んだ末のアウトプットはどう評価されたか」という経験が活きてくるはずだ、とのこと。しかし、何から始めれば良いのか?そもそも、やり方が分からないために動けない、と悩んでいる学生も多くいる。そこで今回の「駿馬」では、馬場氏が講師となって、
「ゲーム開発を足元から支える企画立案講座」
と銘打ち、三部構成で実施された。
第1部の座学では、初めの一歩を踏み出す企画の基礎を、第2部の個人ワークショップでは、中村隆之氏考案の、EMS Framework(関連記事)を使っての案出し~反復の実習を、第3部のグループワークでは言語化しにくい感情をコンセプトとして表現する方法を学生たちに実践してもらった。
イベント開始から終了まで学生の表情は真剣そのもので、決まったテーマに沿ってアイデアを出す個人ワークショップ(第2部)では、理屈では分かっていても、実際にやってみるとなかなか上手くいかないというもどかしさが表情からも感じられた。
「曲げる」というテーマに対して、「それは叩くゲームだよね?」とか、「それは本当に曲がるものなのか?」と感じるアイデアもでてきて、参加者は「●●を××して、▽▽を■■するゲーム」というシンプルな言葉で表現することの難しさを体感していた。
▲皆必死に、アイデアをひねり出す。
続いて、自分で出したアイデアに対して、コンセプトを考えてみる個人ワークショップ(第3部)では、言語化の難しい課題を黙々と進めている参加者の集中力に、ものづくりにおける熱意が感じられる。感覚だけで考えるところから、それが何故だか説明出来るようにアウトプットする訓練は、ゲーム開発だけにとどまらず様々な環境で役に立ちそうだ。
個々に考えたアイデアとコンセプトを元に1つのゲームの企画を考えるグループワークでは、自分のアイデアを伝えるとともに、人のアイデアを聞いて面白いものを組み上げていく共同作業を通して、どのチームもなんとか1つのゲーム企画にまとめあげていた。
▲チームでまとめた企画をプレゼン。ロケットの軌道を曲げる!?、といった企画も。
初めは、誰しもゲームを作ったことがあるわけではない。しかし、即戦力に近いスキルを求める企業が増えてきた昨今、ゲーム開発経験が重視されるというのも事実としてある。自分達の置かれている状況やどの段階に位置しているかをしっかりと理解する機会は貴重だといえるだろう。ゲームをつくる面白さ、手法、そしてそれを継続的におこなうキッカケを得られる「駿馬」。参加した学生たちが自分たちの考えた企画を形にしたくて、うずうずしながら帰途に着いたように感じたイベントであった。
▲イベント終了後もアイデアの議論がなされ、熱心な情報交換・交流が印象的だった。
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第1回「駿馬 〜ゲームクリエイター育成講座〜」
ゲーム開発を【足元から支える】企画立案講座
講師:
馬場保仁氏 株式会社ファリアー 代表取締役
プロフィール:
1997年 セガ・エンタープライゼス(現セガゲームス)入社
『プロ野球チームをつくろう!』シリーズ
『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』シリーズ
『龍が如く OF THE END』
『スーパーモンキーボール』シリーズのプロデューサー / ディレクターに従事
2012年 ディー・エヌ・エー入社
スマートフォンアプリのエグゼクティヴプロデューサーに従事
2016年 ファリアー 創業 現在に至る
会場:
宝塚大学 梅田キャンパス
〒530-0012 大阪府大阪市北区芝田1丁目13番16号
協賛:
日清食品
参加費
無料
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