【決算分析】ケイブの決算補足資料より…『ゴ魔乙』は4月に単月で過去最高の売上を見込む 新作は多人数参加型のMMORPGを2017年中にリリース予定

4月13日に発表されたケイブ<3760>の2017年5月期の第3四半期累計(6~2月)の決算は、売上高20億6600万円(前々期比21.3%増)、営業損益5000万円の赤字(前年同期7800万円の黒字)、経常損益5800万円の赤字(同7500万円の黒字)、四半期純損益2億600万円の赤字(同7200万円の黒時)と赤字計上に終わった。

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今回はケイブが開示した決算補足資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
 

■QonQで『ゴシックは魔法乙女』の売上が微減 ネイティブゲームの売上構成は77%に低下


まずは売上構成比率の推移から見てみよう。第3四半期の売上構成は、『ゴシックは魔法乙女』の売上が前四半期比微減となったことで、ネイティブゲームの売上構成比が前四半期の80%から77%に低下した。一方で、大きく伸びているのがその他の売上の部分で、これはリアルイベント実施に伴うグッズ売上やコラボカフェ関連の収益などが影響しているものと思われる。
 

続いて利益面を見てみると、前四半期に続き営業黒字を計上したものの、前四半期比で40%の営業減益となった。これは減収の影響に加え、広告宣伝費が増加したことが影響している。なお、売上の減少については、この四半期は日数の少ない2月を含む季節要因も加味して考えておく必要がありそうだ。
 

 

■積極的なプロモで『ゴシックは魔法乙女』の4月売上高は過去最高となる見込み


続いて同社の主力タイトル『ゴシックは魔法乙女』の足元の状況に目を移すと、この四半期はにver.1.5.0、ver1.6.0と2回のアップデートを実施するなど、ユーザー満足度の向上に向けた取り組みを推進した。

また、前述のリアルイベントの動きとして、「コミックマーケット91」のブース出展を行ったほか、アニメコラボカフェ「SHIROBACO」とコラボカフェを実施するなど多彩な動きに取り組んだ。
 


さらに第4四半期に入ってからの3月には小林幸子さんを起用した全国CMを年3月18日~26日に放映したほか、全国主要都市での屋外ビジョン放映や全国主要都市でのアドトラック走行も実施した。これらの施策の効果もあって、その後の『ゴシックは魔法乙女』の各ストアのセールスランキングでの推移は好調を維持しており、2017年4月は単月で過去最高の売上高となる見込みとしている。

第4四半期はこの積極的なマスプロモーションの投資負担と効果がそれぞれどのくらい業績面に影響してくるのか注目されるところだろう。
 

 

■海外展開が大きく進む 『虫姫さま GOLD LABEL』など2タイトルを世界150ヶ国に配信


次に海外展開の状況を見てみたい。同社は、韓国Mobirix Corporationにゲームライセンスを提供する形で2016年12月に『虫姫さま GOLD LABEL』、2017年1月に『怒首領蜂Unlimited』の配信を世界150ヶ国に向けて開始した。
 

さらに期中には『ゴシックは魔法乙女』の台湾/香港/マカオ展開に関してガンホー・ガマニア社とライセンス契約を締結した。既に決まっている韓国市場に続き、はっきりとした方向性が打ち出された格好だが、さらにその他の地域についてももライセンス提供先を現在検討中としている。
 
 

■開発中の新作は多人数参加型のMMORPG 2017年中にリリースの予定


最後に今後の取り組みの中でとりわけ注目される新作タイトルの開発状況はというと、同社は現在、漫画家の井上淳哉氏のキャラクターデザイン、芝村裕史氏のシナリオで新作スマートフォンゲームを開発中だ。本作は、日本を舞台に、それぞれの正義を持つ少年少女たちが互いに兵器を使って戦う、多人数参加型のMMORPGで、2017年中にリリースの予定となっている。
 

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(編集部:柴田正之)

 
株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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