【アクセルマーク決算説明会②】「幽☆遊☆白書」のIPを使用したKLabとの共同タイトル「GT」の開発が進行 『ワクサガ』は6月にリアルイベントも開催へ


アクセルマーク<3624>は、5月1日、東京都内で2017年9月期の第2四半期(10~3月)の決算説明会を開催した。説明会に先立ち、同日発表された第2四半期の連結決算は、売上高19億5700万円(前年同期比55.7%増)、営業損益2000万円の赤字(前年同期8100万円の赤字)、経常損益2300万円の赤字(同8400万円の赤字)、四半期純損益3100万円の赤字(同8500万円の赤字)と赤字計上に終わった。

説明会では、同社の尾下順治社長が第2四半期の業績概要と各事業の状況、そして第3四半期の業績予想の説明を行った。今回はその内容をまとめてみた。
 

■『ワクサガ』のゲーム内バランスの悪化でモバイルゲーム事業が落ち込む


まずは業績を四半期推移で見てみよう。第2四半期期間の売上高は前四半期比10.6%減の9億2300万円、営業損益は6200万円の赤字、経常損益は6700万円の赤字、四半期純損益は7200万円の赤字となった。広告事業は四半期ベースで過去最高の売上高を更新しており、モバイルゲーム事業の落ち込み分が減収の要因となっている。なお、モバイルゲーム事業の方が利益率が高いため、各利益項目への影響が大きく出る結果となった。
 

続いて損益計算書の四半期推移を見てみると、この四半期は広告宣伝費が前四半期の8200万円から3600万円に大きく減少している。
 

次は各事業ごとの状況を見てみたい。まずはモバイルゲーム事業は、第2四半期末で4タイトルの運用を行っている。「他社からの受託タイトルの運用が終了し、1タイトルが減少した」(尾下社長)形だ。

この4タイトルの売り上げをグロスで見たものが下のグラフになる。この四半期は同社の主力タイトルである『ワールドクロスサーガ -時と少女と鏡の扉-』(以下『ワクサガ』)がゲーム内バランスの悪化により、アクティブユーザー数が減少し、売り上げも落ち込んだことで大幅な減収となっている。

なお、このゲーム内バランス悪化の改善を進める取り組みと合わせ、プロモーションを抑制したことが前述の広告宣伝費の大幅な減少につながっている。
 


一方、広告事業は前述のとおり、四半期ベースで過去最高の売上高を更新するなど順調な成長が続いている。特に「ADroute」は、サービスの拡充を進めたことで、今までとは異なる取引先の開拓も進んでいるようだ。
 


■継続率を重視した立て直し・再成長に向けた施策を推進


モバイルゲーム事業の新作開発状況は、前四半期と変わらず3タイトルが正式なプロジェクトとして開発中となっている。ただし、先日「幽☆遊☆白書」のIPを使用したゲームであることが明らかにされた、KLab<3656>との共同プロジェクト「GT」は前四半期のアルファの段階から要素を作り込む「ベータの段階に開発が移行した」(同)とのこと。なお、この「GT」は、KLabがパブリッシングを行い、同社が運用するという割り振りの共同プロジェクトとなる。
 


『ワクサガ』の立て直し・再成長に向けた施策としては、継続率をKPI(重要経営指標)としてゲーム内バランスの見直しや、新規ユーザーが楽しみやすくなるような導線の改善などを進めている。

また、「生放送やリアルイベントなどユーザーとのエンゲージメントを深める施策に今後も注力する」(同)とし、3月末に実験的に実施したユーザー参加型の『ワクサガ』のWeb生放送を4月から正式な放送として実施しているほか、「6月上旬にはオフラインイベントも実施する予定」(同)だ。
 


また、新規事業として進めているゲームキャラクターの衣装を製作・販売する「コスプレ事業」は、企業ユーザーからのニーズも大きいようだ。そのため、「BtoBの営業をかけて伸ばしていきたい」(同)としていた。
 
 

■3Qはプロモ再開、新作先行投資などで費用が含む見通し


なお、第3四半期期間(4~6月)の業績予想は売上高7億6200万円(前四半期比17.4%)、営業損益1億1900万円の赤字、経常損益1億2200万円の赤字、四半期純損益1億2200万円の赤字と減収・赤字幅拡大となる見込み。

引き続き『ワクサガ』の立て直し・再成長に向けた施策に取り組む期間で売り上げの落ち込みが続く見通しであるほか、抑制していたプロモーションを再開していること、新作の開発段階が進み先行投資が増えることなどが影響するという。

 

 
(編集部:柴田正之)


 
アクセルマーク株式会社
http://www.axelmark.co.jp/

会社情報

会社名
アクセルマーク株式会社
設立
1994年3月
代表者
代表取締役社長 松川 裕史
決算期
9月
直近業績
売上高21億4400万円、営業損益9800万円の赤字、経常損益1億円の赤字、最終損益1億200万円の赤字(2023年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3624
企業データを見る