【決算分析】ボルテージの決算説明資料より…3Q後半より新シリーズと実験作の取り組みが大きく進む コア層向け『アニドルカラーズ』のプロモも積極展開

5月9日に発表されたボルテージ<3639>の2017年6月期の第3四半期累計(7~3月)の連結決算は、売上高68億5700万円(前年同期比20.0%減)、営業利益6600万円(同85.0%減)、経常利益7400万円(同82.7%減)、四半期純損益1300万円の赤字(前年同期2億1800万円の黒字)と最終赤字に転落した。

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今回はボルテージが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
 

■新シリーズと実験作の取り組みが徐々に進展


まずは業績全体と事業区分別の四半期推移を見てみると、基幹シリーズの売り上げの漸減が続くとともに、「シークシリーズ」などの新シリーズ、「パズルアクションゲームシリーズ」などの実験作も前四半期比で落ち込んでいる。会社側が当初想定していた基幹シリーズの落ち込み分を新シリーズと実験作でカバーするというシナリオは現時点でかなり厳しい状況となっている。
 


ただし、この第3四半期はこれまで遅れていた新シリーズと実験作の取り組みが大きく進んでいる。新シリーズ・シークドラマの『フェイク』のAndroid版が3月15日にリリースとなったほか、実験作の『ワタシドラマ』のAndroid版も3月30日に配信開始となった。また、女性コア層向け新ブランド「ボルテージドリーム」の第1弾タイトルとなる『アニドルカラーズ』もこの第3四半期に発表となった。
 

こうした取り組みは第4四半期に入っても継続しており、『フェイク』と『ワタシドラマ』のiOS版のサービスが4月より開始となったほか、5月1日より『アニドルカラーズ』の事前登録も開始されている。
 

この『アニドルカラーズ』については、ローンチ前プロモーションも積極展開しており、足元は「カラオケの鉄人」とのコラボを5月1日~31日までの期間限定で実施。事前登録者数は開始1週間で2万人に迫るペースになっているという。
 

また、3月2日に全世界に向けて配信開始した英語版の実験作『Lovestruck』はSFスタジオ発のタイトルを集約した読み物アプリとなるが、こちらも足元4月中旬より売上が好調に推移しているもよう。
 
 

■4Qは3月リリースタイトルの育成が当面の課題に


なお、新作アプリのパイプラインは以下の通り、現時点で第4四半期はやや少な目となっているが、第3四半期の終盤となる3月にリリースされたタイトルも多く、これらのタイトルをいかに育てていくことができるのかが第4四半期の大きな課題となってこよう。
 
 
(編集部:柴田正之)


 
株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高42億5700万円、営業損益8400万円の赤字、経常損益6300万円の赤字、最終損益3900万円の赤字(2023年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
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