カドカワ、17年3月期は営業益7.7%減の84億円…niconicoリニューアル費や超会議の制作費で 映像ゲームは「君の名は。」寄与もソーシャルゲーム不振

カドカワ<9468>の2017年3月期の連結業績は、売上高2057億円(前の期比2.4%増)、営業利益84億円(同7.7%減)、経常利益74億円(同27.3%減)、最終利益57億円(同15.8%減)だった。

 


電子書籍の好調だった出版事業が営業利益を32%伸ばして83億円としたものの、「niconico」を中心とするWebサービスが減収減益となったことが響いた。Webサービスでは、有料の「プレミアム会員」が期末時点で243万人と前の期を下回ったことや、「ニコニコ超会議2016」のコンテンツ制作費が前回を上回ったことや、niconicoリニューアルのためのインフラ再構築、高画質化、HTML5対応の費用がかさんだ。

映像・ゲーム事業も売上高は444億円(同0.3%増)、営業利益33億円(同8.4%減)と減益となった。ゲームについては、メディアミックス作品となる「Re:ゼロから始める異世界生活-DEATH OR KISS-」や、「ダンガンロンパ」、「ウィッチャー」等のシリーズタイトルの販売、「DARK SOULSⅢ」のダウンロードコンテンツ販売、ロイヤリティ収入が好調だった一方、ソーシャルゲームタイトルが不振だった。

また、映画の配給収入では「君の名は。」に加え、「貞子 vs 伽耶子」、「沈黙 サイレンス」、「聖の青春」が健闘したという。「ARIA The ORIGINATION」、「ジョーカー・ゲーム」、「ストライクウィッチーズ」などパッケージソフトの国内販売が堅調に推移し、「文豪ストレイドッグス」、「ハンドシェイカー」、「NEW GAME!」、「幼女戦記」など海外へのライセンス販売ビジネスが伸長した。

2018年3月期は、売上高2120億円(前期比3.1%増)、営業利益58億円(同31.1%減)、経常利益62億円(同16.3%減)、最終利益35億円(同39.3%減)を見込む。