「サムザップテックナイト vol.3」公式レポート…スクエニ×サムザップ「"勝ち続ける"スマホゲームの運用ノウハウ~長寿タイトルが明かすデータ活用術」



サムザップは、4月20日に行われたスマートフォンゲームクリエイター向け勉強会「サムザップテックナイトvol.3」のレポートを公開した。エンジニア、ディレクター、プランナーなど 100 名以上が参加したそうだ。

3回目となる今回は「"勝ち続ける"スマホゲームの運用ノウハウ~長寿タイトルが明かすデータ活用術」をテーマに、サムザップで新規タイトル開発を行う飯田隼一氏をモデレーター、同社「戦国炎舞 -KIZNA-」のデータアナリスト山下敬介氏、スクウェア・エニックス「乖離性ミリオンアーサー」のプロデューサー鈴木大地氏を登壇者として、パネルディスカッションを行った。
 


 
■ヒットの理由

各タイトルのヒットの理由として、「乖離性ミリオンアーサー」では、クリエイター・キャストの選定、プレイヤー同士が協力して敵に挑むマルチバトルをメインコンテンツにすること、ユーザーのプレイスタイルによってやりこめる要素があること、イベントやグッズなどゲーム外のプロモーションが挙げられました。
 


「戦国炎舞 -KIZNA-」では、GvG をコアにしたことで人と人の繋がりができ、勝っても負けても楽しい状況を作りだしたことや、そのためのデッキ構築の奥深さが挙げられました。両ゲームに共通して、ゲームを通じてプレイヤー同士の関係性が構築されていくことが、継続率を上げヒットにつながる要因とされました。
 


 
■運用するためのノウハウ

各ゲームを運用するためのノウハウとして、「乖離性ミリオンアーサー」では、ユーザーの行動や気持ちをトレースした仮設を立てて立証すること、その結果を素早く、柔軟性をもってゲームに反映していくサイクルが紹介されました。「何となく知りたい情報」を調べがちである点が指摘され、目的を明確した分析の重要性が語られました。また、ユーザーの気持ちを知るために、自社だけでなく、他社コンテンツのコアユーザーになることで、客観的な目線を得るようにしているとのことでした。
 


「戦国炎舞 -KIZNA-」では、統計モデルを活用する際に、まずはそのゲーム自体をやりこんで良い点・悪い点を知ること、専門用語を乱用せず誰にでも理解できるアウトプットを作成することの重要性が挙げられ、制作サイドに寄り添った姿勢について語られました。


 
■分析結果を活かすための準備

「戦国炎舞 -KIZNA-」の分析結果を活かすための準備として、2つの事例が紹介されました。
①カードに対するユーザーの需要を PPM(Product Portfolio Management)を使用して可視化することで、流通量が少なく、かつユーザーが魅力に感じている「花形商品」を割り出し、新カード制作やイベント等の参考にする。
②イベントやお問合せ対応、システム安定性などに関する顧客満足度を NPS(Net Promoter Score)として可視化することで、特に優先して改善すべき項目を洗い出しが可能。
 


 
■反省談と解決策

長期運営の中で陥りやすい問題として、コンテンツの複雑化や、プレイヤー間での知識や認識の格差が開いてしまうことにより、初心者が参加するハードルが上がってしまうことが挙げられました。

「乖離性ミリオンアーサー」の事例として、コアユーザーにも満足してもらいつつ、初心者のケアを行うためのバトル中の攻略ヒント表示や、初心者が参加したバトルでの参加者全員へのボーナス付与について紹介されました。その他、様々な施策例の紹介や、スマートフォンゲーム業界屈指の長寿タイトルのここでしか聞けないエピソードも飛び出し、うなずきの多い内容が展開されました。
 


後半は軽食とともに各々交流をされていました。登壇者と直接話せる機会ということもあり、多くの方に最後までご参加いただきました。
 


 
株式会社サムザップ
https://www.sumzap.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サムザップ
設立
2009年5月
代表者
代表取締役 日高 裕介
決算期
9月
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