サイバーエージェント、人工知能を活用したチャットプラットフォーム「AI Messenger」のFAQ応答ロジックを刷新…試験導入では精度が約10%向上

サイバーエージェント<4751>のアドテクノロジー分野におけるサービスの開発を行うアドテクスタジオは、人工知能を活用したチャットプラットフォーム「AI Messenger」(提供:AIメッセンジャー)において、FAQ応答ロジックを刷新した。

FAQ応答はチャットボットがユーザーからの質問を認識し、あらかじめ用意されたQ&Aの中から適切な回答をユーザーへ返す仕組み。ここで問題になるのが、ユーザーからの質問は意味が同じであっても異なる語彙や表現で行われる点だ。適切な回答を返すためには、これらの違いを吸収し、人工知能が同一の意味であることを認識できる必要がある。この認識能力を強化するために、今回、ロジックの刷新を行った。

今回のFAQ応答ロジックの刷新は、機械学習の専門家である東京大学 佐藤一誠氏との協働により実現した。具体的には、2つの文から意味的な近さや、表層的な見た目の近さなどを様々な尺度で数値化し、それら数十種類の数値を元に最終的に2つの文がどのくらい似ているかを推測するモデルを構築している。これまでも2つの文の意味的な近さを数値化して用いていましたが、今回の刷新では、それをさらに強化し、質問文の中で、より重要な語に注目することが可能になった。

これにより、クライアント企業のドメイン内において、人工知能が質問の意味を認識する上で「重要な語」と「重要でない語」を判別し、より重要と判別される語に注目した回答ができるようになる。例として、金融商品を扱う企業において、ユーザーから「ウェブで過去の口座残高を見るにはどうしたらいいか」と質問された際、「口座残高」は金融商品を扱う企業において一般的な単語であり、人工知能は「ウェブ」や「過去」という語をより質問の意図を認識する上で重要と判断する。これらの語に注目することで、複数ある口座残高を確認する方法の中から、「ウェブ」で「過去」の口座残高を確認する方法を優先して回答することが可能となる。

今回のFAQ応答ロジックの刷新後、試験導入では従来よりも約10%精度が向上するという結果が得られたとしている。また、当手法は2017年5月に開催された人工知能学会全国大会でも発表している。

AIメッセンジャーは今後も人工知能研究を行い、さらなるサービス開発・拡充に努めると同時に、積極的な事業拡大を図っていく方針だ。
株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
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