【Yahoo!ゲーム ゲームプラス発表会①】「ゲームプラス」はゲームの歴史における「新大陸の発見」ともいえる存在 スクエニやコーエーテクモなど52社が参画


 
 
ヤフー<4689>は、7月18日に東京都内で、次世代型ブラウザゲームプラットフォーム「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」に関するメディア向けの発表会を開催した。「ゲームプラス」は発表会直後の7月18日18時にサービスを開始した。本記事では発表会レポートの第一弾として、ヤフーによる「ゲームプラス」の事業発表に加えてPFに参加する大手ゲーム会社の代表者も登壇したステージをレポートする。
 

 

「ゲームプラス」はHTML5ゲームとクラウドゲームによって既存のブラウザゲームの常識を超える

 
最初にヤフー株式会社 副社長執行役員 最高執行責任者(COO)の川邊健太郎氏が登壇した。発表会に至るまで「ゲームプラス」は3年の歳月がかかった。現在ゲームを取り巻く環境は日々大きく変化し、またゲームを遊ぶユーザもゲームの楽しみ方やあり方も変化している。この環境の変化がゲームプラスを生み出す要因になった。今までハードに縛られていたゲームがいつでもどこでも自由にウェブで遊べるようになることは、まるで長いゲームの歴史における「新大陸の発見」とも言える。ゲームプラスを通じて、ゲーム業界全体の未来に貢献したいと挨拶を行った。
 
続いてパーソナルサービスカンパニー 事業戦略本部ゲームプラス事業部部長の須藤岳氏が登壇し、ゲームプラスについて説明を行った。「ゲームプラス」はブラウザのサービスであり、あらゆるゲームをPC、スマホ、タブレットでダウンロードなしで遊ぶことができる。例えばLINEやFacebookなどのSNSを通じて届いたURLをクリックすればユーザはすぐにゲームを遊ぶことができる。
 
またゲームプラスが今までのブラウザゲームの常識を超える理由はゲームの種類にあるという。ゲームプラスには大きく分けてHTML5ゲームとクラウドゲームの2種類が登場する。HTML5ゲームは、ネイティブアプリで配信されているゲームの触り心地をブラウザで実現する。これによりスマホへのインストールや端末の容量不足を気にする必要もなくなる。クラウドゲームは、家庭用ゲーム機のタイトルをブラウザで利用できるようになる。つまりゲーム機本体が不要になり、スペックの高くないPCやスマホなどのマルチデバイスを使って遊ぶことができるという。
 
次にパーソナルサービスカンパニー 事業戦略本部 ゲームプラス事業部 ビジネスプロデューサーの脇康平氏が登壇し、「すべてのゲームはWebでやれ!」というコンセプトとともに、発表会当日の7月18日現在でも全52社のゲームメーカーの参画が決まっていることを発表した。
 
 
 
 

ゲームプラス参加ゲームメーカーから大手ゲーム会社の代表者もステージに登場 期待の参画タイトルの発表も

 

① 株式会社スクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋祐氏

現在でもブラウザゲームに積極的に取り組んでいる、スクウェア・エニックスは、クラウドゲームとして「ファイナルファンタジーⅩ HD リマスター」、「いけにえと雪のセツナ」、HTML5ゲームとして発表会当日にリリースする完全新作オリジナルゲーム「アンティーク カルネヴァーレ」に加えて、ファイナルファンタジーのブラウザゲームの新作も現在開発中とのことだ。
 
現在はネイティブアプリ全盛の時代だが、2020年に向けて5Gも導入されるなど通信環境が大きく変化することで、再度ブラウザゲームが注目を集めることは想像に難しくない。そのような状況もあり、ゲームプラスやブラウザの進化に期待しているという。
 
 

② 株式会社タイトー 代表取締役社長 山田哲氏

「アーケード業界の雄」として紹介されたタイトーは、配信第一弾タイトルとして女性ユーザの多いゲームである「パズルボブル」を発表した。アーケードゲームについて言えばモバイルゲームに押されて状況は厳しいと言われているが、デバイスごとにプレイスタイルに制限があり、競合する面もあるがお互いに補完できる面も十分にある。

例えば、スペースインベーダーの時代には若い男性が中心だったが、プラットフォームの進化によってゲーム人口が増え、結果としてアーケードにユーザが戻ってきて、さらにカップルや若い女性も増えた。ゲームプラスがいつでもどこでも遊べるとアーケードがまた厳しくなるのではないかと思われるかもしれないが、ゲームのマーケット自体が拡がるという点でチャンスと捉えていろいろと仕掛けていきたいと語った。
 


③ 株式会社サイバード 代表取締役社長 内海州史氏

女性向けゲームタイトルのトップ企業と紹介されたサイバードもゲームプラスに参画する。

ゲームアプリ市場を見ると踊り場にきていて、ゲームプラスの参入によってマーケットがさらに伸びていくことにコンテンツプロバイダとして期待している。また女性向けゲームの売上高の成長は続いている。女性を大きく取り込むことでマーケットは大きく伸びていくので、ゲームプラスの協力によってさらなるマーケットの拡大を期待しているという。
 
サイバードからは、5周年を迎えるイケメンシリーズの中で最も高い人気を誇る「イケメン戦国◆時をかける恋」がゲームプラスに登場する。7月18日から事前登録を開始し、8月14日にサービス開始を予定している。
 


 
④ 株式会社角川ゲームス 代表取締役社長 安田善巳氏
 
角川ゲームスは、ゲームプラスはシームレスな環境でゲームが遊べるという点もとても魅力的だが、ヤフーが手掛けることでこれまでのゲームの年齢層よりも幅広く、男性だけではなく女性のゲームを遊んだことのない新しいユーザも生まれるプラットフォームではないかと期待していると語った。

参画タイトルの第一弾として、島根県を舞台としたミステリーアドベンチャーゲーム「ルートレター」を発表した。ミステリー小説やライトノベル、コミックは好きだが、まだゲームを遊んだことのないユーザに遊んでほしいという。クラウドゲームとなりサービス開始は8月下旬を予定している。

また第二弾として、完全新作タイトルとなる「魔女とネコ」も発表した。ジャンルなどの詳細については現時点ではまだお伝えできないが、アニメ×世界文学のHTML5ゲームとなり、「ルートレター」と同様にゲームを遊んだことがない人も遊んでいただけるゲームを目指しているとのことだ。
 
 

 
⑤ 株式会社コーエーテクモゲームス ゼネラルプロデューサー シブサワ・コウ氏
 
コーエーテクモゲームスからは、歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」の生みの親であり、ゲームクリエイターとして今年で35年目となるシブサワ・コウ氏が登壇した。

ゲームプラスの優位性はウェブの使いやすさ、いつでもどこでも楽しめること、HTML5ベースでありながらブラウザでもネイティブアプリ並みの快適さを実現している。またウェブでありながらレスポンスの良さを生かして様々な演出が考えられることにクリエイターとしてわくわくしていると語った。
 
コーエーテクモゲームスにとって、ゲームプラスへの参画は新たなチャレンジとなり、完全新作となるコードネーム「Turn」を発表した。「Turn」はコーエーテクモやシブサワ氏が得意とする歴史ジャンルの作品ではなく、ファンタジーの世界観にチャレンジする。
 
 
 

サービスローンチ時に遊べるタイトルはHTML5ゲーム12本、クラウドゲーム27本の計39タイトル 

 
最後に脇氏が再度登壇して、7月18日18時のゲームプラスのローンチ時に遊べるタイトル数について、HTML5ゲーム12本、クラウドゲーム27本の計39タイトルという発表をおこなった。
 
 
(撮影・取材:森山晃義)
ヤフー株式会社
http://docs.yahoo.co.jp/

会社情報

会社名
ヤフー株式会社
設立
2019年10月
代表者
代表取締役社長 小澤 隆生
決算期
3月
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