【モブキャスト決算説明会】『モバプロ2』はKPI好調 「3Qは全国規模でCM」(藪社長) 新作『キングダム乱』記者会見は小島瑠璃子さんがゲスト


モブキャスト<3664>は、8月10日、第2四半期(1~6月)の連結決算を発表、都内で決算説明会を開催した。売上高13億6000万円(前年同期比17.0%減)、営業損益4億7500万円の赤字(前年同期5100万円の赤字)、経常損益4億9900万円の赤字(同8600万円の赤字)、最終損益4億7800万円の赤字(同1億9900万円の赤字)となり、減収・赤字幅拡大となった。決算説明会では、同社の藪考樹社長(写真)が決算概要と第3四半期以降の取り組みを説明した。本稿ではそんな決算説明会のレポートを行う。


 
■第2四半期はネイティブゲームの売上増、ブラウザゲームが苦戦

まず、業績を四半期推移で見ると、第2四半期期間(4~6月)の売上高は、6億8400万円(前四半期比QonQ1.1%増)、営業損益は2億2500万円(同2億4900万円の赤字)、経常損益は2億4100万円(同の2億5800万の赤字)、最終損益2億4100万円(同2億3700万円の赤字)と減収・営業赤字幅縮小となった(前四半期は単体のため、比較は参考値)。売上高と営業損益を中心にQonQでの変化を見ていこう。
 


まず、繰り返しになるが、売上高はQonQで1.1%増の6億8400万円だった。『モバプロ2 レジェンド』や中国版の『モバサカChampion Manager』が好調でネイティブゲームの売上が伸びたという。しかし、マイネットに移管しているブラウザゲームの売上が減少したため、全体としては微増にとどまった。ブラウザゲームの売上減の要因は『モバプロ』の苦戦だ。同タイトルで3月から4月かけて行う日本プロ野球機構との年度更新(カードの入れ替え)で不具合があった影響があったとのことだった。
 
 
営業損益は2億2500万円の赤字となった。前四半期の2億4900万円の赤字から縮小したものの、営業赤字は継続となった。ネイティブアプリの売上比率や、プロスポーツを題材にした作品が増えていることに伴い、減価償却費やロイヤリティの支払い、外注費などが傾向的に増えているとのこと。また、新作『モバプロ2 レジェンド』の配信開始に伴い、広告宣伝費も増加した。ちなみに、同社では、アプリの開発費については資産計上しているとのこと。開発中は、ソフトウェア仮勘定に計上し、リリース後、ソフトウェアとして減価償却を行っているという。
 
▲傾向的に売上原価が増えていることが確認できる。ネイティブアプリの比率上昇に伴い、外注費や回収代行手数料などが傾向的に増えているという。またプロスポーツ作品の増加によるロイヤリティの増加も一因だ。その結果、今期に入って売上総利益が前期の半分以下に低下している。次の四半期以降、全体の売上をどう伸ばせるかが注目ポイントになるだろう。


 
■『モバプロ2 レジェンド』のKPIは好調…売上見込むタイトルにリソースを優先

続いてトピックをみていこう。まずは『18』については、7月7日よりテレビアニメを放送開始した。その効果に関しては、藪社長は「まだ放送中だが」と前置きした上で、「一定の集客効果はあったものの、モブキャストとして大きな投資もしていなかったので、想定していたほどではなかった」と明かした。アニメ化にあたって様々な話が来ているが、IPとして資産化させていくかは、まずはアニメの状況で様子を見ていくという。
 


下半期の取り組みについての説明では、『モバプロ2 レジェンド』の継続率や課金率などのKPIが全て計画を上回っていることから、全国規模でのテレビCMの放映を行う考え。このため、第3四半期は、第2四半期よりも広告宣伝費が大きくなるという。また同タイトルへの期待からリソースを優先するとのコメントもあった。
 
 
また第3四半期リリース予定の『キングダム乱』で事前登録者の数をに大きく増やしたそうだが、そのための取り組みとして、2017年7月19日発売の『キングダム』コミック47巻の帯でタイアップを挙げた。コミックの最新刊の販売に伴ったの施策はかなりの影響があったようだ。さらにリリース直前の記者会見にはタレントの小島瑠璃子さんを招くという。小島さんの起用は大人気TV番組のキングダムを扱った際において、ファンの認知度が高いことから起用になったという。
 
 


今後のリリース計画に関しては、国内では第3四半期に日本版『モバサカ Champion Manager』、『キングダム 乱 -天下統一への道-』、第4四半期に『Project「LIP」』を提供する予定。ここまでは変わらないが、第4四半期にリリースする予定だった『Project「SMP」』は2018年以降に延期することを明らかにした。これはKPIが好調の『モバプロ2 レジェンド』と『モバサカ日本版』という売上が多く見込めるタイトルにリソースを優先するため、としている。
 


 
株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
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