【TGS2017】コーエーテクモのスマホ向け新ブランド"midas"が「PROJECT CODE:F」&「PROJECT CODE:PUCK」を発表! 既存IPは一切使用せず、新規タイトルで勝負


9月21~24日までの期間、千葉県・幕張メッセにて開催されている「東京ゲームショウ2017(以下 TGS2017)」。
 
本稿では、9月22日、コーエーテクモゲームスブースで開催された「新ブランド“midas”紹介ステージ」の模様をレポートしていく。

 

■直感的に遊べる"midas"の新タイトル2本を公開!


イベントが始まると、midasブランド長である藤田一已氏が登壇。midasは2017年4月に設立された、スマホ市場向けの新ブランドであると「midas」についての紹介を行った。midasでは、コーエーテクモゲームスが持つIPを一切使用せず新規タイトルを開発中とのこと。


▲ブランド長の藤田一已氏。藤田氏は「この半年、全く情報を出せなかったので、この東京ゲームショウ2017から気持ちを新たに始めるつもりで臨んでいます」とコメントした。


midasでは2018年3月に新タイトルをリリースするという情報は公開されているものの、その内容については一切が謎のまま。そこで、本ステージではmidasの秘密に迫るべく、各テーマごとに新タイトルや開発状況に切り込んでトークを展開した。

1.既存IPを使わない?
コーエーテクモゲームスの人気シリーズ『信長の野望』や『真・三國無双』といったタイトルは一切使用しないとのこと。同社では、これまで数々のコンシューマーゲームやスマホゲームをリリースしてきたが、この理由について藤田氏は「スマホゲームから市場に参入してきた企業はきっちりと一から制作してヒットを生み出している。これから10年、20年先に残るようなタイトルを作るために新規IPを立ち上げるつもりです」と意図を語った。
 
2.制作チームが若手が主体?
また、midasの制作チームはほぼ平成生まれの若手社員で構成されていることが藤田氏より明かされた。これは、『モンスターファーム』など数々のヒットタイトルを生み出した藤田氏ならではの感覚に、若いからこそ持てる"自由な発想"を組み合わせることで新たなものを生み出せるのではないかという狙いがあるという。

3.普通のゲームじゃない?
さらに、開発を進めるにあたって、ゲームデザインの部分で3つの悩みがあったと藤田氏は話す。ここでは、その悩みと答えについての話を展開した。

●感情的なデザインをどうするか?
→ゲームを遊んだとき、チュートリアルを見ずとも遊び方が分かるような直感的なものが良い。この部分については若手の感覚を大事にしたい。
 
●論理的なデザインをどうするか?
→街中で人がどのようにスマホを操作しているか(縦持ち、横持ちなど)、何を見ているのか、何分ほど触っているかなど徹底的に調査し、その結果を開発にも反映させる。
 
●レベルデザインをどうするか?
→スマホゲームでは、スタート時に小さな成功を収め、そこから運営を続ける中で徐々に大きな成功ができるよう育てていくことが重要。それを達成するため、ユーザーの離脱ポイントを減らすことと、サクセス要素を多めにしていくことがカギとなる。

4.有名プロデューサーが関わっている?
ここで、上記3つの悩みをクリアするため、『のぶニャがの野望』のプロデューサーを務めていた廣重演久氏の力が必要だということでmidasに廣重氏が参画していることが明かされ、壇上に呼び込まれた。


▲プロデューサーの廣重演久氏。現在はmidasの新作ゲーム開発に携わっている。
 

ここからは、さらに深くゲーム内容に突っ込んだ話を展開。ずばり新作について聞かれた廣重氏は現在、midasで2つのタイトルを開発していることを明かした。

2本の作品にはそれぞれテーマがあり、ひとつが大人向けの雰囲気に作られた"Black midas"、もうひとつがファンタジーな世界観でライトユーザー向けに作られた"White midas"だという。ここで放送を見ていた視聴者から「『影牢』と『モンスターファーム』みたいなイメージ?」とのコメントが寄せられると、藤田氏はこれに「鋭いですね。狙っている方向性やイメージはそういったところになります」と答えた。 

さらに、ここで"Black midas"、"White midas"と呼ばれるタイトルのイメージ動画を公開。ゲーム内容についても少しだけ触れられた。

「PROJECT CODE:F」と銘打たれた"Black midas"は、「神殺し」や「詠唱べ(さけべ)」といった単語がキーワードになるという。藤田氏は「詠唱がひとつのテーマになっていて、唱えることで何かが起こる。アクション性が高いゲームになるでしょう」と述べた。

●「PROJECT CODE:F」 
 
 
  
一方、「PROJECT CODE:PUCK」の名称で開発中の"White midas"は、絵本の中で小人たちが冒険する世界がテーマになっているとのこと。「可愛いイメージの作品で、親子で一緒に遊んでもらいたい」と藤田氏は話した。 

「PROJECT CODE:PUCK」
 
 

ステージの最後には廣重氏と藤田氏より「これまでのコーエーテクモゲームスでしていないようなことを積極的に行っていき、若い力と共に今まで見たことのないものを作っていきたいと思いますので、楽しみに待っていてください」(廣重氏)、「2018年3月までに配信することは公言しておりますので守ります。良い意味でコーエーテクモゲームスらしくない作品を直感的に遊んでもらえるよう作っていきますので、この東京ゲームショウ2017を皮切りに今後も少しずつ情報を出していきたいと思います」と抱負が語られた。

 
(取材・文 編集部:山岡広樹) 


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株式会社コーエーテクモゲームス
https://www.gamecity.ne.jp/

会社情報

会社名
株式会社コーエーテクモゲームス
設立
1978年7月
代表者
代表取締役会長(CEO) 襟川 陽一/代表取締役社長(COO) 鯉沼 久史
決算期
3月
直近業績
売上高681億700万円、経常利益341億6600万円、最終利益268億5200万円(2023年3月期)
上場区分
非上場
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