【WFS特集 Vol.2】『ダンメモ』開発者インタビュー …ダンメモ誕生秘話と数々の失敗を経てたどり着いた成功、その先に描く未来とは


「Wright Flyer Studios」は、2014年にグリー<3632>が設立したスマートフォン向けアプリ開発スタジオ。

第1弾としてリリースされた『消滅都市』は現在、全世界累計850万ダウンロードを記録。2017年には、アニメ制作スタジオA-1 Picturesとタッグを組んで制作する『ららマジ』、同スタジオ初の本格3DアクションRPG『武器よさらば』、やりこみ要素満載のシングルプレイ専用RPG『アナザーエデン 時空を超える猫』、さらに『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』をはじめとする大型IPタイトルをリリースするなど、ハイクオリティな作品を次々と提供している。

そこで本稿では、Wright Flyer Studiosの魅力を探るべく、全6回に渡って同スタジオのキーパーソンをゲストに迎えた連載企画を実施。第1回から第4回は、『消滅都市』シリーズディレクターである下田翔大氏にインタビュアーを務めていただく。第2回となる今回は、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』でプロデューサーを務める野澤武人氏を招き、今のポジションにたどり着くまでに歩んだキャリアや、スタジオ内に通ずるゲーム制作に対する姿勢についての話を伺ってきた。
 
【話し手紹介】
Wright Flyer Studios事業本部
第1 スタジオ部 部長
野澤武人

 
2012年入社。プロデューサーとして複数のゲーム開発を経て現在は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』のプロデューサーを担当している。また、10月より新設された第1スタジオの部長を務める。
 
Wright Flyer Studios事業本部
第3スタジオ部 部長
下田翔大氏【聞き手】
 
2012年入社。『消滅都市』の生みの親。シナリオや世界観の設定を始め、シリーズディレクターとしてIP展開やプロダクトのまとめ役を担っている。10月に新設された第3スタジオの部長を務める。
 
 

■二人の邂逅は大学時代!? タイプは違えど進む道は一緒

 
下田翔大氏(以下、下田):まず我々の出会いから話を始めていくわけですが、今日の対談はすごくエモい内容になると思います(笑)。でも相手が野澤さんだから仕方がないかな、と。なぜなら僕らの最初の出会いは――。
 
野澤武人氏(以下、野澤):まだ10代の頃でしたね。出会いは大学時代にまで遡ります。下田さんは当時から物語を書くことが好きで、当時、流行していた携帯小説のようなものをどこに公開するわけでもなくメールで僕に送りつけてくるんですよ。その後、1日も経たないうちに「読んだ?どうだった?」と感想を求められて、これは危ない人だなと思っていました(笑)。
 
下田:最初はそんな出会いでしたね。野澤さんとは偶然にもスクウェア・エニックスで再会することになるのですが、プロジェクトマネージャーとして立ち回る野澤さんの、ものを作る前に「人の前に立つ力」や「人に信頼される力」というのは、当時からすごいなと感じていました。
 
野澤:僕もものづくりに憧れて大学では文芸コースを専攻したり、ゲーム業界に入ったり、下田さんと同じ道は歩んでいるのですが、下田さんのような方に近づくには特別な才能が必要だと感じているところもあり、一線を引いている部分がありました。
 
下田:すごく仲は良かったけど働き方のタイプが違うので、これから進む道も異なるのかなと思っていました。そんな中、グリーに入社することになるわけです。お互いに転職についての話は全くしていなかったのですが、いざ入ってみたら、また野澤さんがいて(笑)。
 
野澤:大元にある価値観が近いので、やはりフィーリング的には同じところを選んでしまうのでしょうね。やっぱりエモいですね、このインタビュー(笑)。
 
 
 

■グリーで味わった苦節の日々

 
下田:では、そこからグリーで今に至るまでに経験した話を聞かせてください。
 
野澤:実は、グリーではWright Flyer Studios設立前の2012年ごろからネイティブゲームを開発していて、自分もそこに配属されました。しかし、配属後すぐに、多くのゲームをクローズするという判断がくだされ、規模を縮小していくことになりました。ゲームに限らず、運営の採算が合わなければサービスを続けることは困難になりますよね。そのクローズ業務を、僕が一手に引き受けることになったんです。その時、お客さまや関係各社様にかけたご迷惑は今でも忘れられません。
 
下田:タイトルをクローズしながら、組織に所属していた人の次の配属先を決める人事的な課題にも取り組んでいましたよね。そんな会社の混乱期、片隅で小説を書いていた自分に、新しい開発チームでディレクターをやりましょう!と引っ張り上げてくれたのが野澤さんでした。このラインが今の『消滅都市』になるのですが、野澤さんの言葉がなければ『消滅都市』は生まれていなかったんですよね。
 
野澤:互いの歴史がクロスしているところがありますよね(笑)。
 
下田:一方で、クローズ業務を終えた野澤さんは、プロデューサーとしてタイトルを立ち上げることになるわけですが――。
 
野澤:元々ラインが走っていたタイトルについては自社パブリッシングという方針が決まっていたので、僕が担当することになった新タイトルは少しアプローチを変えようと動いていました。そんな中、他社様との協業で、グリーのトップクリエイターの力を生かして、ゲームを作ることになったんです。ゲームのコア部分だけをまずはカジュアルゲームとして完成させ、お客さまの好評を確認したあとにフルサイズのゲームとして作り込んでいきました。その過程で集客のためにユーザー基盤を持つ他社様と協業したという経緯です。

下田:外から見ていても、非常に合理的な判断で生まれたタイトルだと思っていました。そのあたり、当時、野澤さんとしてはどのように考えていたのですか?
 
野澤:下田さんが仰る通り、それぞれの判断に対しての合理性はあったと思います。ただ、今考えればお客さま目線で成功を確信できることをやりきれていたか、というとそうでなかったかもしれません。結果として、サービスを終了することになってしまいました。
 
改めて振り返ってみると、当時は僕がトップクリエイターをどのように活かすかに苦心していたことが良くなかったと思います。ゲームをお客さまにどう届けるか、市場でどのように見られるかより、クリエイターがやりたいことを実現する、ということに向きすぎていた。他社様との協業も、ビジネスロジックとしては正しくても、様々な衝突や不整合を生む判断だったのかな、と思います。
 
下田:合理的には正しいしロジックがあるけれど、上手くいく確信にまでは至ってなかった、と。
 
 
野澤:これについては、グリー社長の田中さんとの象徴的なエピソードがあります。田中さんが直接そのプロダクトを見る機会があったのですが、田中さんにゲームのビルドを渡した瞬間、物凄い勢いでプレイをし始めて「これは誰もやらない、やりたいと思う意味が分からない。何故、これがプレイされると思うの?」と聞いてきたのです。この時点で僕は頭が真っ白になってしまいました。なぜなら、田中さんが聞いてきたことが本質を突いていたからです。今まで僕らが合理性やロジックで塗り固めてきた仮面を一瞬で打ち破られたかのような衝撃が走ったのを覚えています。
 
下田:これはグリーの特徴的な部分でもあると思うのですが、プロジェクトに関しては本当に長い期間をかけて現場の人間に任せてくれますよね。で、ある日ふらっと田中さんがやってきて金言を残していく。
 
野澤:任されるからこそ余計にその一言が心に重く響きます。合理的な判断を繰り返して作ったゲームでしたが、このときの合理性というのは僕の内側から出てきたものではなかった。周囲の人が納得できる、という外から見た合理性を積み重ねたため、本質に近づけなくなってしまった。結果としてタイトルはクローズし、お客さまをはじめ、多くの人に迷惑をかけてしまいました。クローズ業務の時と同じことを繰り返してしまった――。でも、ここで諦めては自分が許せない。次こそは、もっとワガママになろう、ワガママにならなきゃダメだと強く思ったんです。
 
下田:確信を持てるまでワガママになろうという想いを持って立ち上げたのが、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』(以下、『ダンメモ』)になるわけですね。
 
 

■長いトンネルを抜け「絶対にいける!」という確信へたどり着く

 
下田:では、続いて『ダンメモ』立ち上げの話を聞かせてください。
 
野澤:実は『ダンメモ』を立ち上げるまでにも複数のプロジェクトを企画して、提案を行っていました。そのようなことを1年ほど続けて、最後にたどり着いたのが『ダンメモ』なんです。
 
そもそも「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」をIPに選んだのは、原作のライトノベルを読んだときに物語がとても面白く、何より熱量が物凄く高い作品だと感じたからです。
 
下田:我々は元文学部ですし(笑)。作品の中に込められた熱というのは読んでいて分かりますよね。
 
野澤:そのうえで作品の内容がすごくゲームにしやすいものでした。ファンタジー世界を舞台に剣と魔法が飛び交い、そこに生きるキャラクターたちが活き活きと描かれている。主人公とヒロインだけでなく、周囲のキャラたちも非常に個性が強く「これをゲームにしたら面白いだろうな」と思いました。
 
下田”自分が面白い”と思えたわけですね。
 

野澤:はい、この作品をゲームにすれば面白くなるだろうし、何より間違いなくファンの方たちが喜んでくれるという確信を持てました。しかし、ここで考えたのは僕ひとりでやるにはまだまだ力不足だということ。そこで、自分と同じ境遇を持つ長野さんというクリエイターを相棒として引き込むわけです。
 
彼もディレクターとして自分で新しいゲームを立ち上げたいという気持ちが強く、入社してから5年間、何度も企画を提案してはうまくいかず、ということを繰り返していました。そんな中、何よりすごかったのは彼が”絶対に挫けない強靭な精神の持ち主”ということです。普通、一度アクセルを全開に踏んで衝突してしまうと、自分自身が傷ついて次にチャンスをもらっても、中々強くアクセルを踏むことができません。
 
下田:踏めば良いと分かっているような状況でも自然と身体が怖がってしまうものですよね。でもなぜか彼は――。
 
野澤:はい、常にアクセル全開でぶつかっていくんです。
 
そのときの僕は、提案が失敗しても、何度でも諦めず挑戦するつもりだったので、相棒にも一度や二度の失敗では凹まず何度でもぶつかれる仲間が必要だと考えていました。そういった理由で、彼なら何度でも一緒にアクセルを踏めるし一緒にやりたいと思えました。今にして思えば彼と組めたことが勝負の決め手になった気がします。そこからは長野さんと二人三脚で企画を進め、『ダンメモ』で「これは良い」「これはやるべきだ」と意見が合致したことで提案することになりました。
 
下田:相棒に長野さんを選んだ理由も面白いですね。過去の実績でもなく、デザイナーとしての能力ではなく、何度でもアクセルを踏めるという自身の気持ちで選んでいる。
 
野澤:そうですね。この人を相棒にしたいと思ったのは自分の内から出たもので確信もありました。
 
下田:こうして何度でも諦めずに挑戦するコンビが生まれたというわけですね。
 
野澤:ここからWright Flyer Studios責任者の荒木さんへ企画を提案することになるのですが、これがまた苦難でした。未だに「開発より荒木さんへの提案が一番大変だった」と二人でよく話しています。タイトルを成功させるため、ファンに喜んでもらうために、必要な企画や仕様を徹底的に考え尽くせているのか、TVアニメ放映に間に合わせるという観点で理想と現実のバランスをちゃんと取れているのか。荒木さんはそんなことを、私たちに問い続けたのをよく覚えています。
 
 
下田:かなり長い間、議論を繰り返していましたよね。荒木さんも多忙な中、かなりの時間を割いていたように見えました。
 
野澤:かなり厳しい議論と、辛辣なダメ出しの繰り返しでした。僕たちはファンが望む面白いゲームを絶対に作りたかったので、WFSのチームや資産を活かして作るにはどうしたらいいか、それが何億円という投資に足るものだ、と説明することに、とにかく全力を尽くしました。
 
ふたりで考え抜いた結果、「絶対にイケる!」と確信できる企画が完成し、それを荒木さんに提案した日のことは、本当によく覚えています。僕らが作った仕様への反論に対して、必ず二人のうちどちらかが即答していく。この質問には僕が、僕が答えられない質問には長野さんが答えるという形でラリーが応酬され、まるでテニスの試合をしているような感覚でした。
 
下田:1年前は田中さんの言葉に、返す言葉もなく頭が真っ白になっていたのに、そのときは0.1秒で打ち返せる確信を持てるまでに至っていたと。
 
野澤:そうして全ての反論を打ち返しきったとき、荒木さんから「分かりました。進めて良いです。」と言っていただけました。「ありがとうございます!」とお礼を述べて会議室を出て、エレベーターに乗って扉が閉まった瞬間、周囲の目も憚らず長野さんが「ヨッシャーーー!!」と叫んだときのことは忘れられません。
 
苦しんだ時期も長かったですが、あの瞬間、自分たちの力だけで企画を通せたことで「これは絶対にイケる!」という確信を持てました
 
下田:そんな風に始まったプロジェクトだったのですね。アニメに合わせて配信を行うということでかなり開発期間が厳しいプロジェクトでしたが、それも荒木さんとのラリーを乗り越えられたからこそ成し遂げられたと。
 
野澤:そうですね。出発地点の熱量が全然違いますから。
 
 

■1年の時を経て明らかになった社長のメッセージとは

 
野澤:その後、会社として承認を得るためにグリーの社長である田中さんのもとへ報告に行くことになります。ちょうどその時、「役員かばん持ち」という社内制度の応募時期で、そちらに応募しました。役員に付き添って1日過ごすというグリーの社内制度で、田中さんに少しでも近づきたいと思ったんです。

その時の田中さんとの会話で、思い切って1年前に頭が真っ白になったことや開発末期に全否定されて憤ったこと、その後の経験を経て今は田中さんが伝えたかったことを少し理解できるようになった気がすること。全ての想いを話してみました。当然、田中さんは1年前の数時間のことなど覚えているわけがないと思っていたのですが――。

下田:覚えていたわけですね。

野澤:そうなんです。

田中さんから「覚えているよ。あのとき、野澤さんは自分の付加価値を自分で否定してしまっていた。君はディレクターの力を活かすように作ったと言ったけど、ディレクターはゲームの本質を磨き上げることに注力するものであり、それはゲーム全体像からすると本当に小さなものに過ぎない。プロデューサーである君は、ゲームの本質の部分を如何にお客さまに伝えるか、分かりやすく演出するかに注力するべきで、その中にはディレクターを否定しなければいけないこともある。それがプロデューサーである君の仕事だったのに、放棄してディレクターを活かしてしまうのであれば、君がいる必要がない。君自身で自分の付加価値を否定してしまっていたんだよ。」と言われました。
 
 
下田:本質を突いてますね。
 
野澤:1年前のたった1回のミーティングを覚えていただけでなく、既にあの場でそこまで見抜かれていたということに、田中さんが見ている世界をまざまざと知らしめられました。
 
下田:タイムスパンが違いますよね。多分、田中さんは、目の前のプロダクトだけでなく、長く会社が成長していくために、ひとりひとりに言葉を投げかけているんですよね。
 
野澤:本当にそうですね。僕は自分のことしか考えられていない中、社長は星の数ほどの事業と人を見てきた。にも関わらず、1年前のたった1時間の出来事に対してメッセージを返してくれることがすごい体験だと思いました。そういう意味でも、僕がやるべきこと、目指すべきものはまだまだたくさんあるなと感じました。田中さんの言葉から、改めて次のプロジェクトに向かうために色々なものをもらったという気がします。
 
 

■チーム全体に浸透した”折れない心”

 
下田:『ダンメモ』は、リリースからまだ3ヶ月しか経ってないのに主題歌も変えてVer2.0.0への大型アップデートを行いましたよね(関連記事)。これは、合理的に考えるともう少し後でも良いという考えもあったと思うのですが、それでもこのタイミングで実施したのにはどういった想いがあったのですか?
 
野澤:周りの人にも「生き急いでない?」と言われますね(笑)。でも、そんなことは全然なくて、いかにファンの方々に楽しんでもらえるか、驚いてもらえるかと考えたとき、たった3ヶ月で主題歌やキービジュアルを変えることは予想できないでしょうし、これによって「このゲームはもっと面白いことをしてくれるんじゃないか」という期待値が上がると思いました。そして何より、自分自身がその展開にワクワクできると思ったんです。お客さまがゲームを続けてくださる限り、面白いものを提供し続けるし、新しい展開があるということを前のめりに伝えていきたい。そういう想いがありますね。
 
その想いは、今や僕や長野さんだけのものではなく、チーム全体として持っているものです。チーム全員が「ダンまち」というIPを面白いと感じ、ゲーム化したら面白くなるに違いないという確信を持っていたからこそ、普通の開発では考えられないような厳しいスケジュールも乗り越えられたと思います。
 
 
野澤:実は、一度僕から納期を伸ばすことを提案したことがあるんです。アニメの最終回ギリギリのタイミングでリリースできれば良いのではないか、と。すると、チームメンバーたちに、自分たち自身が「ダンまち」ファンとして、アニメが盛り上がっている時期にプレイできたら最高であることがわかっているのに、そのタイミングにリリースできないなんて、ゲームクリエイターとして許せない、と言われてしまいました。さらに言うと、誰に言われたわけでもなく、その場でリリース日は5月末なんて中途半端なスケジュールじゃなく、もう5月24日で決めてしまおうとなりました。このタイミングで出したいからそこに向けて作る、というコミュニケーションが自然にできたんです。
 
下田:気持ちを全面に出してゲームを開発できるチームを作っているのがすごいですよね。
 
野澤:これは作ろうと思って意識したわけではなく、実績はないけど僕や長野さんの熱量に呼応し、価値観を共有できるメンバーが集まってくれたおかげです。皆さん社内で一度や二度は大きな失敗を経験したことがあるメンバーなので、僕らが熱くなっている理由や、貪欲に成功を目指している気持ちを理解してもらえたという点も大きいですね。「いっぱい失敗してきたけれど、次は絶対に成功させてやる!」という想いを持った人たちが集まったチームなので、自然とそういう流れが出来上がりました。
 
下田:何より野澤さん自身が諦めずに挑戦し続けたことが結果に繋がりましたよね。また、改めてWright Flyer Studiosは何度も挑戦させてくれる環境だと思いました。作品に魂を込める、成功するという確信を持てる瞬間を待ち続けてくれる場所だと思います。
 
野澤:何回打席に立ったか分からないですし、時には才能が無いと思えるようなみっともない空振り三振をしてきたにも関わらず、また次の打席に立たせてもらえるというのは本当にありがたいです。
 
グリーでは、誰かに何かを指示されたり命令されることが驚くほど少ない。人によっては、指示がないので何をすればいいか分からないという人もいるかもしれません。ですが、自分にやりたいことがあれば、本気でやらせてくれる場所であることに間違いはないです。そのためには、周りを説得する力が必要で、継続する粘り強さも必要になりますが、認めてもらえれば実績や年齢に関係なく挑戦させてもらえるというのは素敵な価値の一つですよね。その分、本当にやる気があるか、貫きたい何かを持っているかという部分はしっかり見られている気がします。
 
 

■ファンから愛されるスタジオになるために

 
下田:そうした過程が認められて、10月より第1スタジオ部 部長としても働かれているわけですが、このタイミングでまた野澤さんと共にWright Flyer Studiosを引っ張っていけるということが、正直本当に嬉しいです。
 
野澤:そうですね。これからが楽しみです。
 
 
下田:今後の展望についても是非、聞かせてください。
 
野澤:第1スタジオは『アナザーエデン』と『ダンメモ』を担当する部署です。両タイトルに共通して言えるのは、ありがたいことにファンの方たちの愛を強く感じるということです。この愛が、今後Wright Flyer Studiosとして配信されるコンテンツに続いていくと、新作に対する期待が生まれ、展開を待ち望んでもらえるような存在になるのではないかと考えています。これを成し遂げるには、今まさに進めている運営や新たなコンテンツでしっかりとお客さま方に驚きや感動、喜びを提供し続けられるか、生み出し続けられるかにかかっていると思います。
 
『ダンメモ』では、原作やアニメで味わうことができない世界を毎日ゲームで体験できることをファンの方々に喜んでいただけています。そのうえで、毎週さまざまなことが起こるので世界が無限に広がっているかのようなコンテンツを提供できていると思います。
 
また、『ダンメモ』はIPをお預かりして展開している事業になりますが、世の中にはまだゲーム化してないIPがたくさんあります。「好きなアニメやラノベをWright Flyer Studiosがゲーム化してくれたら最高だ」と言っていただけるような存在になれると嬉しいと思います。そこまでいけば、僕たちがエンターテイメントを提供する立場として本当にファンの人たちに認めてもらえている存在ということになりますし、しっかりとファンの愛に応えられている証拠だと思います。僕が直近で目指すのはファンの方たちにそういう風に言っていただける存在になることです。
 
下田:こうやって多くの人が強い想いを真っ直ぐに魂込めて綴っていけば、いずれは行き着ける場所だと思いますし、自分はオリジナルIPを生み出し、育てることで、同じ夢を見たいなと思います。Wright Flyer Studiosのロゴを見るだけでワクワクするような見え方をされるまで頑張っていきたいですね。
 
野澤:目標を高くするとまた挫折も経験すると思いますが、それをいかに乗り越えていくかという意味では今から楽しみです。まだスタート地点に立っただけでやれることはいっぱいあると思っておりますので、是非、今後もよろしくお願いします。
 
下田:本日はありがとうございました。これからも、新しい驚きを世界中の人に届けるために、一緒に戦い抜いていきましょう。
 


また、Wright Flyer Studiosでは、11月13日にセミナーの実施を予定している。今回のセミナーでは、ブッコロのヨコオタロウ氏を招き、「ゲームの世界観」について、加藤正人氏を含む『アナザーエデン 時空を超える猫』開発メンバーと、『SINoALICE』開発メンバーによる座談会が行われるとのこと。
 
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(取材・文:編集部 山岡広樹)
  (撮影:TAESOO KANG)
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株式会社WFS
https://www.wfs.games/

会社情報

会社名
株式会社WFS
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 柳原 陽太
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