【コロプラ決算説明会】QonQでは増収増益に…3周年イベントで『白猫PJ』が躍進 「FY18はFY19以降に向けた仕込みの年に」(馬場社長)


コロプラ<3668>は、11月8日、2017年9月期の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した決算は、売上高522億円(前の期比38.3%減)、営業利益129億円(同59.4%減)、経常利益129億円(同58.7%減)、最終利益86億円(同58.0%減)と大幅な減収減益での着地となった。

決算説明会では、同社の馬場社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、業績数字の内容を中心に会見の様子をまとめてみた。


■QonQでは増収増益、3周年イベントで『白猫PJ』が躍進


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高140億円(前四半期比28.5%増)、営業利益30億円(同24.6%増)、経常利益28億円(同22.7%増)、最終利益22億円(同43.4%増)と前四半期比では増収増益を達成した。これは、3周年イベントを実施した『白猫プロジェクト』(以下『白猫PJ』)が大きく躍進したためだという。それにより、売上高は第1四半期までの水準とほぼ同水準まで回復した。
 

ただ、その一方で、販管費が前四半期比で42.2%の増加となっている。これは前述した3周年イベントのプロモーションを実施したことが大きな要因で、広告宣伝費は前四半期比7億8000万円増の15億5000万円に膨らんでいる。

ちなみに広告宣伝比率は11.1%と、同社が基本線としている10%を上回る状態となっており、かなり厚めにプロモーションを展開したことが見て取れる。また、費用の中でその他の項目が増加しているが、これは『バトルガール ハイスクール』のアニメ化関連費用が増加している分となっている。
 

グループの従業員数は、この第4四半期末は前四半期末で微減となっており、大きな変動はない格好だ。ただし、グループ内の組織変更がほぼ完了し、新作開発体制も整ったことで、今期(2018年9月期)は、「人への投資、採用を強化する」(馬場社長)としていた。
 
 

■4Qは『プロ野球バーサス』が四半期フル寄与、『パニパニ』も収益貢献


アプリのリリース年度別の売上推移は、3周年イベントにより『白猫PJ』主体のFY14ものが大きく伸長した。また、『プロ野球バーサス』の四半期フル寄与や新作『PaniPani-パラレルニクスパンドラナイト-』の配信開始により、FY17ものがQoQで増収となった。
 
 

■今期は来期以降に向けた仕込みの年に


なお、2018年9月期通期の連結業績予想は、売上高500億円(前期比4.3%減)、営業利益80億円(同38.1%減)、経常利益74億円(同42.6%減)、最終利益51億円(同41.3%減)と大幅な減益となる見通し。減益となる主な要因は「ロイヤリティの増加」と「人件費の増加」で、人件費の増加については、新規スマホアプリ開発の活性化によるもので、「FY18はFY19以降に向けた仕込みの年になる」(同)としていた。
 
 

■まとめ


社内の組織体制を事業部制から変更して、人材の有効活用が可能な体制に変更する改革が一巡し、次は新作の開発強化に進んでいくタイミングとなるが、これらの成果が実るのは今期(2018年9月期)よりも来期(2019年9月期)と思われる。

著名クリエイターを起用した新作『アリス・ギア・アイギス』や、同社初の女性向けゲーム『DREAM!ing』など発表済みの新作もどのくらいの時期にリリースとなるのかまだ分からないが、リリース済みの『ディズニー ツムツムランド』ともども新作がどのくらい業績を押し上げることができるのかが、保守的な同社の今期業績予想の変動要因となりそうだ。
 
 
(編集部:柴田正之)


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株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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