カドカワ、第2四半期は営業益35%減 有料会員の減少やniconico改修費用響く 「君の名は。」効果も剥落 アニメ中心に映像・ゲーム事業は好調

カドカワ<9468>は、11月9日、第2四半期累計(4~9月)の連結を発表し、売上高1014億円(前年同期比1.7%増)、営業利益28億円(同35.3%減)、経常利益30億円(同24.2%減)、最終利益17億円(同42.1%減)だった。映像・ゲーム事業が好調だったものの、「niconico」を中心とするWebサービスと出版が減益となったことが減益要因となった。

 


セグメント別の状況は以下のとおり。

■Webサービス事業
売上高154億円(同4.2%減)、セグメント利益3億円(同77.4%減)だった。ポータル、モバイルの有料会員数減少による減収に加えて、niconicoリニューアルや新バージョンniconico(く)への投資費用が増加したことによる。


■出版事業
売上高543億円(同1.2%増)、セグメント利益24億円(同38.2%減)だった。「君の名は。」関連の他にもメディアミックス作品が特に好調だった前期比で大型ヒットが減少したことや、出版分野での新規事業の投資費用、所沢の製造・物流拠点の印刷機(テスト生産中)の償却費が発生した。電子書籍が好調を維持したことから増収となった。


■映像・ゲーム事業
売上高230億円(同7.0%増)、セグメント利益18億円(同44.1%増)だった。「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」や「劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」など版権アニメの配給収入や、「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」「メイドインアビス」の海外版権販売などが伸びたことに加え、映像スタジオ事業の利益が改善した。「この素晴らしい世界に祝福を!」「劇場版 艦これ」「幼女戦記」のパッケージも貢献した。アプリ「天華百剣 -斬-」や「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」も貢献したとのこと。


■その他事業
売上高101億円(同2.2%増)、セグメント損益2億円の赤字(前年同期は5億円の赤字)だった。キャラクター商品やアイドルCDのeコマース、アニメやniconicoから生まれたコンテンツの販売や著作権利用料収入、クリエイティブ分野で活躍する人材を国内外で育成するスクール運営収入等が含まれる。今後の成長の柱として期待されるインバウンド関連の事業開発費用や調査費用も計上した。


2018年3月通期は、売上高2120億円(前期比3.1%増)、営業利益58億円(同31.1%減)、経常利益62億円(同16.3%減)、最終利益35億円(同39.3%減)を見込む。