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【GMOアプリクラウドセミナー①】スクウェア・エニックスのキーマンが語るデジタルゲームにおけるAIの進化と活用事例

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GMOアプリクラウドは、11月21日と22日に、GMOインターネットグループが運営するコミュニケーションスペースGMO Yoursにて、『ゲームの未来を考える!<AI、VR、AR、e-Sports>~先駆者たちが最先端技術と最新トレンドを語る~』と題するセミナーを開催した。本稿では11月21日の第一夜AI部門から、株式会社スクウェア・エニックスのテクノロジー推進部リードAIリサーチャーの三宅陽一郎氏とAIエンジニアの眞鍋和子氏が登壇した「デジタルゲームの中のAI、外のAI」をレポートする。


▲株式会社スクウェア・エニックス リードAIリサーチャーの三宅陽一郎氏

最初に三宅氏が登壇し、ゲームの中のAIとして、メタAI、キャラクターAI、ナビゲーションAIについて『FINAL FANTASY XV』を事例に説明を行った。

現在のゲームは「知能化の時代」を迎えているという。以前のゲームは人工知能がゲームシステムの中に含まれていたが、2000年頃からメタAI、キャラクターAI、ナビゲーションAIと徐々にゲームシステムから分化して独立し、協調するようになった。ゲームが人工知能を求め、人工知能がゲームを温床として進化することで、ゲームと人工知能が共進化したと語った。


 
⦁ メタAI
『FFXV』では、キャラクターAIが自律的に戦闘・協調、ナビゲーションAIが戦術的ポイントを教え、メタAIは全体の戦闘の流れを作るという。例えば、主人公がピンチになった場合、仲間にピンチを知らせて助けるように命令を行うが、メタAIがない場合は仲間全員が主人公の回復を行ってしまうが、メタAIがあると特定の仲間が回復を行い、適したセリフも言うなど仲間を協調して動作する。


 
⦁ キャラクターAI
キャラクターAIは、キャラクターが身体、感覚(センサー)を持ち、自ら判断して行動することが基本となる。ゲームの意思決定には主に7つの簡易モデルがあり、セミナーではビヘイビアベースAIが紹介された。『FFXV』の意思決定においては、適応的な行動を生成するビヘイビアツリーと堅実な制御ができる階層型ステートマシンを使用しており、両方の長所を活かせるようにハイブリッド型の意思決定システムとなる「AI Graph Editor」を開発し利用していると語った。


 
⦁ ナビゲーションAI
ナビゲーションAIには、大局的な経路を検索するナビゲーション・メッシュや局所的な経路を設定するスマートウェイポイント、戦術的な位置をリアルタイムで発見するPQS(Point Query )の技術が導入されている。『FFXV』では、ナビゲーション・メッシュは、
巨大モンスター用メッシュや差分イメージなど様々なモードで可視化され、バグを簡単に確認することができるという。



これらのAIを利用することで、自分で認識し、自分で決定し、自分で目的地を決めて、自分で移動し、自分で行動する自立型エージェントは完成している。ゲームの中で目的を与えればキャラクターの人工知能が自分自身で判断して行動するのが最近のゲームのシステムだという。最後に、まとめとして『FF XV』における導入技術一覧や応用技術として群衆(アンビエント)AIなども紹介された。



続いて眞鍋氏が登壇し、ゲームの外のAIとして『グリムノーツ』を例にゲームのバランス調整について発表した。


▲株式会社スクウェア・エニックス AIエンジニアの眞鍋和子氏

最初にゲームの外のAIについて、プレイヤーと同じ立ち位置からのみデータを取得できる、行動するものと定義した。これはゲームに特化しないため汎用的なAIとなることが大きなメリットだという。セミナーは、『グリムノーツ』のプレイヤーエージェントが指定されたバトルに対し、最適な組み合わせを探すことをゴールに設定し、事例を紹介しながら説明を行った。



『グリムノーツ』はひとりの主人公に対して二人のヒーローを設定でき、ヒーローはアタッカー、ディフェンダー、ヒーラー、シューターの311の職種、各ヒーローは561種の武器、さらにアクセサリーのスロット、スキルコア(武器の強化)があり、その組み合わせは膨大な数になるという(2017年7月26日現在)。そのため、新しいものを追加するたびに事前確認が大きなコストとなり課題となるが、これはプレイヤーエージェントによって解決できるという。


 
最適な組み合わせを探すために、具体的にはゲームの中でバトルを行い、AIがバトルを評価しパーティ編成を改善するという方法で行われた。
 
⦁ バトル
バトルは、ダメージ計算式は実ゲームと同じ、いくつかの数値を省力したモデル化されたバトルを使用し、実際のゲームでは1ゲーム数分かかるが1バトル約1秒(シングルスレッド)と短時間で実行可能としたという。
 
⦁ 評価
評価は、バトルの内容がどれだけ良かったかを示す指標で、勝利時にはバトル時間の長さ、敗北時には与えたダメージの多さを設定した。この勝利時と敗北時の評価値を指定した範囲にマッピングすることで、相対的な値の比較や様々なバトルにおける異なるスケールの画一化を行った。
 
⦁ パーティ改善
パーティ改善は、パーティの要素を遺伝子として、良い個体同士の遺伝子を掛け合わせて新しい個体を生み出す手法である遺伝的アルゴリズムを使って組み換えを行ったという。ゲームの詳細知識は不要となるため、プレイヤーのAIの修正なしで新しい属性やスキルの追加、大幅な装備パラメータの変更などに対応可能となる。
 
補足として、AIとゲーム間の繋ぎはAPIを設置し、バトル結果を数値で受け取っている。プレイヤーエージェントの成長結果例に目を向けると、世代を重ねるごとの勝利数が増加しその後バトル時間が短くなる傾向や突然変異による局所解脱出が見られた。例えばある突然変異の箇所ではヒーローの一人が防御職から攻撃職に変わることでバトル時間の短縮が起こっていた。また使用頻度が多く価値の高い主人公やヒーロー、装備の組み合わせと入手難易度などコストを比較することで、ゲームバランスが壊れていないかを調べることができると語った。
興味深いプレイヤーエージェントの行動として、簡単なバトルに対してアタッカーを多く配置し、特に2人目にアタッカーを設置することのできるヒーローにおいては1人目に打たれ弱いヒーローを設置することで素早く戦闘不能となり2人目の攻撃職に切り替える事例が見られたという。これはゲームの詳細知識を入れていないことによるメリットとしての良い事例と語った。



最後にまとめとして、ゲームの外のAIについて、メリットとして開発チームから独立した作業やタイトルに特化しない技術の蓄積、社外との知見の共有ができる、またデメリットとしてタイトルごとの細かいチューニングには経験や工夫が必要となるが、メリットのほうが大きいと考えていると語り講演を終えた。


本セミナーの模様は、GMOアプリクラウドより動画にても配信されている。会場の様子や講演内容が気になる人は下記URLより申し込むことで視聴可能だ。
 

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