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CEDEC運営委員会、「CESAゲーム開発技術ロードマップ 2017年度版」を公開

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CEDEC運営委員会は、2月1日、「CESA ゲーム開発技術ロードマップ 2017 年度版」を公開した。これはゲーム開発にかかわる様々な技術における最新動向と、近い将来に活用される可能性のある技術等を編さんしたもので、2009年から毎年公開している。

今回公開した2017年度版は、CEDECでのセッションの傾向などから、近年のゲーム開発において重要と思われる技術テーマを選び出し、簡潔かつ判りやすく表現することで、概要をいち早く理解し、調査、研究、議論に活用できる内容となっているという。


 
■エンジニアリング分野

一般
<最新>
- 汎用ゲームエンジンを使用した開発環境の一般化
- 大規模タイトルにおいては技術的差別化を図るため、独自ゲームエンジン化が進む
- スケーラビリティのあるクロス・プラットフォーム設計技術の進展
- ブロックチェーン技術がエンターテインメントコンテンツでも応用される
<数年後>
- WebAssembly の導入
- WebGL 等を用いたリッチ 3D ウェブコンテンツの出現
- ゲームロジックのオンラインを通じた分散化


コンピュータグラフィックス
<最新>
- VR/AR/MR の実用化と、インターフェース技術の進展
- 3D スキャナ、3D プリンタなど、Physical 3D 技術の応用、機械によるデータの量産
- より複雑な反射を扱えるリアルタイムグローバルイルミネーションシステムの導入
- 物理ベースレンダリング(PBR)の知識のより一般化、「シェーダだけ PBR」からの脱却
- グローバルイルミネーションと PBR を前提としたアーティストワークフローツールが整備される
- HDR, 4K, VR などの登場により、より柔軟なレンダラが求められる
- レイマーチング技術の拡張(プロシージャル雲、スクリーンスペースシャドウ)
- フォトリアルに囚われない、様々なアートスタイルが発展
- ヘアラインやフレーク等を表現可能な、非均一 NDF マテリアルの採用
<数年後>
- シェーダによるモデルのトポロジー操作の実現
- 機械学習の応用
- 広色域ワークフローへの移行


AI
<最新>
- エージェントアーキテクチャの一般化と高度化
- ゲームバランス調整へのニューラルネット、GA などのオフライン機械学習技術の導入
- 環境認識処理のリッチ化(TacticalPointSystem、領域ベースの視覚システムなど)
- プランニング技術による意思決定
- 流体手法に基づいた膨大な群衆シミュレーション
- 感情エンジンや自然言語処理に関する実験
- 環境制作を支援する AI(町、川、人口、など)
- QA やデバッグを効率化してくれる AI(自動プレィテスト、データ解析)
- ゲームデザイン又はプロデュースを支援する AI
<数年後>
- ユーザレスポンスから学習するランタイム型の機械学習エンジンの一般化
- 自然言語処理のブレークスルーにより会話型インターフェースがゲーム UI の要素技術として確立


アニメーション
<最新>
- フルボディ IK の実用化、プロシージャルなアニメーション技術の普及
- キネマティクス処理とモーション AI の双方向通信による高度な連携
- Parameter Blending, Motion Matching などのデータベース型手法の実タイトルへの導入
- ディープラーニングのモーション AI への応用
<数年後>
- 筋骨格モデルをベースとした人体物理アニメーション


シミュレーション
<最新>
- エフェクトレベルでの流体シミュレーションの実用化
- セットアップに頼らない破断、壊れ、変形などのリアルタイム処理
- GPU によるシェーダと一体化した物理シミュレーションの実行
- クラウドコンピューティングによる大規模シミュレーション
<数年後>
- 布、剛体、流体などの異なるシミュレーション対象を統一的に処理できるソルバの登場
- VR 環境に向けて、接地感のある手のシミュレーション
- ShapeMatching や粘性変形の一般化


ネットワーク
<最新>
- サービスで扱うデータ量が大きくなり携帯網の制約が無視できなくなったため、データ量を削減する技術が重要になってきた
- HTTP/2 を意識したサービス設計が重要になってきた
- クラウドサービスが多様化、微細化し、それぞれの組み合わせと少ない実装でゲームもサービスできるようになる
- 端末間での直接通信を行う技術(NAT 越えなど)をコンテンツ開発者が開発せずに、プラットフォームやミドルウェアに備わった機能で実現できるようになった
- 携帯網でネイティブ IPv6 が提供されるようになった
<数年後>
- 携帯網でパケット通信制限の緩和やキャリア固有サービスの拡充が進む
- 東京オリンピックに向けて公共 Wi-Fi サービスが拡充されるなど、各方面でネットワークが増強される
- Web への標準アクセスプロトコルが HTTPS となる
- リアルタイム通信対戦に HTTP over QUIC が利用されるようになる


新ハードウェアへの対応
<最新>
- HDR, 4K, VR への対応(最適化、アンチエイリアシング)
- 様々な IoT デバイスが登場し、生活で使用する様々なモノがオンラインとなり、ゲーミフィケーション、エンターテインメントが介在できる機会が増加
- 顔の表情認識
<数年後>
- 大規模な屋外 AR による共有型のコンテンツの実現
- 様々なものがネットワークに繋がるようになり、それらのリアルなデータを活用した遊びやサービスが考え出される
- IoT のプラットフォームを形成し、データやインフラを社会全体で分野横断的に有効活用する
- IoT デバイスのセキュリティ問題、オープンデータによる著作権やプライバシーに関する問題が発生する


 
■プロダクション分野

一般
<最新> - プロセス管理や自動ビルドなどのプロダクションを支える技術のクラウド化
- 大規模開発やマルチプラットフォーム展開に対応可能な開発環境
<数年後> - リソースの増大に伴い、大容量ファイルサイズを扱うクラウドホスティングサービスの使用例が増え始め、オンプレミスとのハイブリッドな利用が定着する
- VR/AR/MR コンテンツ制作のためのオーサリング環境が発展する


プロセスマネジメント
<最新>
- 大規模開発においてゲームエンジンや開発環境にあったより体系化されたアセットワークフローが適用される
- モバイルアプリケーション開発の大規模化・複雑化に従って、従来の職能横断型チームだけでは組織全体での開発コストが増大する。組織横断的な専門家チームの導入などプロジェクト単体での考え方から組織全体での最適化へ進む
<数年後> 
- プロジェクトマネジメントにおいて組織横断な管理を導入する企業が増える。それによってより組織的なプロセス最適化が進み、個人のオーバーワークが激減する


プラクティス
<最新> - デバッグに機械学習の利用が進む
- ゲームエンジンのプラグインによる先進技術の即時実現
- 大量のログの可視化による作業効率の改善例が増える
<数年後> 
- アセット管理、タスク・バグ管理、CI、ChatOps などが 1つのソリューションに統合され強固に連携されたものが現れる
- コンシューマーとモバイルで共通化した技術が多くなり、各社の強みを生かした自社製エンジンの事例が増え始める
- 素材作成ツールへのディープラーニングの導入


ナレッジマネジメント
<最新> 
- 自社の技術ブログや勉強会、カンファレンスなど公の場を巻き込んだナレッジマネジメント
- 現場でのインプットが最小化されアウトプットがより重視される。組織外でインプット活動を積極的に行う開発者が増える
<数年後> 
- チーム力が問われる大規模なプロジェクトにおいて、個人に対して評価する従来の評価制度がミスマッチとなり、違った評価システムを導入する企業が増える


 
■ビジュアル・アーツ分野

グラフィックスデザイントレンド、課題
<最新>
- スマートフォンサイズ~大型ディスプレイまでさまざまな画面サイズ、タッチデバイス上でのデザイン表現の課題
- デザインアセットの CI
- 3D プリンタを活用したコンテンツ製作
- HDR ディスプレイに最適なリソース作成、表現
<数年後>
- VR/AR/MR 向けに、人間の目をシミュレーションしたレンダリング
- 人間工学を活用したユーザーインターフェイス、入力デバイス
- あらゆるデータのプロシージャル化、非ビットマップ材質表現
- 低解像度ディテールからの高解像度化


グラフィックス、アニメーション
<最新>
- プロシージャルアニメーションのテクスチャ化
- モデルデータ、テクスチャ、広大なフィールドモデルのプロシージャル作成
- レイトレース法、高度な物理、流体シミュレーション、サブディビジョンサーフェースなど既存ソフトウェアレンダラ技術のリアルタイム実装
- リアルタイム・リターゲット、ダイナミクスを考慮したポーズ変形
- PBR をベースとしたスタイライズドレンダリング
<数年後>
- 大量のキーポーズを統計モデルでリアルタイム自動補間するアニメーション技術の実装
- AI による、作家性を模倣したシェーダ
- 筋肉、骨格、皮膚の滑り等を考慮したリアルタイムアニメーション
- キャプチャー3D データから筋肉、骨格等内部構造の自動再構成


パイプライン、ワークフロー
<最新>
- マルチプラットフォームを考慮したアセットパイプライン
- 大規模アウトソーシングの為のワークフロー、パイプラインの最適化とアセット作成業務の標準化
- クラウドを活用した環境や場所を超えたアセットパイプライン
<数年後>
- 映像のスタイライズ(手書き調、NPR など)の多様化とワークフローの開発
- AI を活用したデータ作成・管理ワークフロー


オーサリング
<最新>
- ミドルウェア、ゲームエンジン間の高度なインテグレーション
- ゲームエンジンを用いたリアルタイムキャプチャー映像コンテンツ制作
- モデル、アニメーションアセット、レイアウトの相互リアルタイムオーサリング実用化
- 映像制作とゲーム制作間での共通オーサリングシステム
<数年後>
- あらゆる物理現象をリアルタイムにキャプチャーしデータ化
- PBR や NPR にも通用する動画補間技術による中間動作の自動化
- 2D アニメーションからの 3D アセット自動生成


 
■サウンド分野

音響効果(音楽・効果音・音声・ミキシング等の技術・知識を用いた演出表現)
<最新> 
- アニメーションに連動した自動化による効率的な発音制御
- ゲーム進行に合わせた動的なミキシング(スナップショット型のインタラクティブ/ダイナミック
ミキシング、HDR Audio)
- インタラクティブミュージックの定着と手法の細分化(複雑なイベント分岐、MIDI 併用、ゲーム仕様との連動)
<数年後> 
- AI エンジンの発音制御への応用
- 周波数ドメイン制御が考慮されたリアルタイムミキシングの活用
- ゲームと連動したジェネレーティブな楽曲演出


信号処理技術(音響表現の向上と開発効率化を両立させるための DSP/シンセサイズ・波形生成・合成・解析など)
<最新> 
- プロシージャルオーディオの部分的な実装(グラニューラ、モーフィングによる音声生成、音声解析による再合成など)
- ノードベースでのリアルタイム信号処理
- 音声合成エンジンによる発声利用や、サーバーサイド音声解析による自然言語入力の実用化段階
- 音階抽出・テンポ同期・ラウドネスなどオーディオ解析情報のゲーム利用および制作ワーク


フローの短縮化
<数年後> 
- 機械学習を応用した波形解析や自動生成や再合成など
- 音声認識時の感情や表現の検出、音声演技の幅を持つ表現技術の導入開発ツール・オーサリング環境


空間音響処理技術(音の伝搬、3D オーディオなど)
<最新> 
- 空間音響を活用した音の伝搬表現(音の回折を考慮した仮想音源の配置、レイトレーシングによる残響表現など)
- 3D オーディオ技術の活用(HRTF、Ambisonics を活用したヘッドフォンおよび天井スピーカでの空間音響表現。VR 実装技術の充実化。ミドルウェアへの標準搭載)
<数年後> 
- 音響工学や建築音響などをベースとした、空間音響シミュレーションのリアルタイム化(音源のリアルタイム再配置、遮蔽・残響情報のリアルタイム反映など)
- ユーザーの環境、嗜好への対応(HRTF のカスタマイズ・パーソナライズ、より高次のAmbisonics の活用、動的トランスオーラルなど)


開発ツール・オーサリング環境
<最新> 
- オーサリングツールと DAW 連携強化によりサウンドデータ制作のプロセスが効率化
<数年後> 
- ゲームエンジンとの連携強化により音源配置や残響設定の効率化・自動化が進む
- 音情報の統計・ビジュアライズ化・学習などにより実装・デバッグがより効率化される


 
■ゲームデザイン分野

ゲームシステム
アイデアの出し方、元になる要素、操作しやすいインターフェースの活かし方
<最新>
- VR インターフェースの多様化
- eスポーツでの展開を前提とした企画
- AI が出したアイデアを元に企画を自動構築するシステム
<数年後>
- クロスモーダルを前提としたゲームデザイン
- IoT を利用した生活に密着したゲームデザイン
- AI による自動継続的なレベルデザイン


生産性と品質の向上
アイデアを活かすために生産性をあげる技術
<最新>
- ゲームデザインやクオリティーチェックへの AI の導入
- ゲームエンジンの拡張性と複数のツールとの連動
<数年後>
- VR 機器の軽量化と小型化
- 次世代移動通信の技術とそれを活かしたハードウェアの発展
- 現実との違和感を感じさせない AR 技術


気にしなければいけない周辺技術
<最新>
- 個人識別情報の多様化
- ドローンなどの自律移動型ロボットの進化と安全対策
- 世界的なガチャ規制に向けた流れと新しいビジネスモデル
<数年後>
- 足など他の人体機能を活かした補助腕の技術
- 脳活動測定を利用したレベルデザインへのフィードバック
- 超高精細ディスプレイの進化と普及
- 触覚ディスプレイや味覚ディスプレイなど出力機器の多様化
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