ドリコム、3Qは売上高77%増も営業益は33%減に IPゲームの好調や開発進捗で増収も新作リリースに伴う運用費の高止まりが利益を圧迫

ドリコム<3793>は、1月30日、2018年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、売上高100億8300万円(前年同期比77.7%増)、営業利益3億4100万円(同33.7%減)、経常利益1億9300万円(同57.1%減)、四半期純利益7500万円(同81.9%減)となった。
 

他社配信アニメ版権ゲームである『ONE PIECEトレジャークルーズ』と『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ』を中心とした既存IPゲームの好調な推移および新規IPゲーム開発の進捗に伴う売上が計上されたことから、売上高は大幅に伸長した。利益面については、広告宣伝費を中心に固定費が抑制されたものの、新規リリースIPゲームで開発と運用の並走による運用費の高止まりが利益幅を縮小させ、大幅な減益にとどまった。

セグメント別の状況は以下の通り。

①コンテンツサービス…売上高94億100万円(前年同期比93.7%増)、セグメント利益4億3700万円(同38.0%減)
他社コンテンツゲームは、既存の他社配信アニメ版権ゲームを中心に既存IPゲームが好調な推移を維持した。12月上旬に3本の新規IPゲームをリリースしたが、うち1本では通信障害や頻繁な改修が発生し、現在も早期の安定的な運用に向け取り組んでいる。監修プロセスを中心に、外部開発会社との協業による開発プロセスに改善の必要性があるとの認識の下、再発防止に向けた取り組みも進めている。オリジナルゲームは、既存ユーザーの満足度維持・向上に焦点を当てたイベント施策に注力した結果、リリースからの経年に抗う売上水準を維持した。また、複数の新規IPゲームの開発も進んでおり、開発進捗に伴う売上も計上された。

利益については、広告宣伝費を中心に固定費の抑制がみられたものの、昨夏以降にリリースしたIPゲームが運用効率化の途上にあり運用費が高止まりした。なお、昨夏以降にリリースしたIPゲーム、他社配信アニメ版権ゲームの売上高については、配信会社からの一定の比率に応じた売上分配を得るかたちとなっており、売上への影響は相対的に小さいものの、支払手数料が無いため、利益に与える影響が大きくなっている。

②広告メディアサービス…売上高6億8200万円(同20.5%減)、セグメント損益9600万円の赤字(前年同期1億8200万円の赤字)
広告メディアサービスでは、広告代理業務のほか、次世代の主力事業創出を目的とした取り組みの一環である「DRIP(Drecom Invention Project)」のもと、同社の有するインターネットサービスの知見を活かした新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねた。しかし、主要サービスの多くが事業開発段階にあり、費用が先行した。

なお、2018年3月期の連結業績予想は、売上高134億円(前年同期比59.7%増)、営業利益5億円(同46.4%減)、経常損益1億4000万円(同83.4%減)、当期純損益1億2000万円の赤字の見込みとしている。
 
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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