【DeNA決算説明会】第3四半期は『逆転オセロニア』の年末の伸び悩みで計画未達 『マリオカートツアー』は「free to start」タイトルに



ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、2月8日、第3四半期累計(17年4-12月)の連結決算(IFRS)を発表するとともに、東京都内で機関投資家・証券アナリスト向けの決算説明会を開催した。この日発表した累計の数字は、売上収益1061億円(前年同期比2.4%減)、営業利益262億円(同40.6%増)、最終利益227億円(同20.9%減)だった。

昨年12月27日に業績予想の修正を行い、売上収益1074億円、営業利益275億円、最終利益235億円としたが、この数字には届かず、ネガティブな印象を残した。守安功社長(写真)は「『逆転オセロニア』の収益が年末商戦で期待したほど伸びなかった」とその原因を語った。
 


 

年末に向けてマーケティング費用や運営体制を強化し、ユーザー数の一定の伸びがあったものの、年末のイベントの売上が思うように伸びなかったという。これまで「マーケティングコストを増やして新規ユーザーを獲得して売上を伸ばす」という良い循環だったが、DAU(日次アクティブユーザー数)の上積みできないなか、年末に突入したという。ただ、年始以降は復調しており、第4四半期では収益貢献が見込まれるとした。高採算のブラウザゲームの落ち込みも響いた。
 


なお、第3四半期(10-12月)の業績を見ると、売上収益328億円(前四半期比[QonQ]11%減)、IFRS営業利益126億円(同73%増)、Non-GAAP営業利益23億円(同69%減)、最終利益124億円(同147%増)となった。
 


売上収益とNon-GAAP営業利益の減少は、前出のようにゲーム事業の売上・利益の伸び悩みに加え、主にプロ野球がシーズンオフになったことに伴い、横浜DeNAベイスターズの売上収益の大幅な減少となったことによる。ただ、日本シリーズ進出とその後の間接的な効果で、スポーツ事業の赤字幅は改善したとのこと。
 


こうしたなか、IFRS営業利益が大きく伸びているが、これは欧米子会社における為替換算差額の累計額を資本から損益に振り替えたことで、その他収益107億円を計上したためだ。いわば一時的な要因によるものである。


 

■第4四半期の見通し


続く第4四半期(18年1-3月)は、売上収益325億円(前四半期比0.9%減)、IFRS営業利益7億円(同94.4%減)、Non-GAAP営業利益12億円(同47%減)と減収・減益を見込む。
 


営業利益は減益を見込んでいるが、広告宣伝費と業務委託費が高水準に推移していることや、新規事業・その他で約15億円の赤字が見込まれることなどが主な要因となる。また、その他の費用で10億円の資産除却・減損処理を見込んでいるとのこと。

新規事業での赤字計上とは、オートモーティブ事業への投資となる。昨年9月から実証実験を行ったタクシー配車アプリ「タクベル」に関して「想定どおりの利用があった」という。「神奈川県のタクシー会社の導入を決めてくれた。うまくいきはじめていると判断した」とし投資を強化する考え。今年の春にローンチする予定だ。

ちなみに、スポーツ事業の赤字幅は、第4四半期は17億円と前四半期の20億円から減少する見通し。前年度好成績だったことによる年俸引き上げなどの影響があるものの、東京ヤクルトスワローズとの開幕戦を横浜スタジアムで迎えることになるため収益の改善が期待されるとした。


 

■トピックス


トピックスとしては『マリオカート ツアー』が任天堂との協業タイトルであることを明かした。いわゆる売り切り型ではなく、基本プレイ無料のいわゆる「free to start」となる。
 


このほか、新作として12月にリリースした『メギド72』をピックアップした。こちらはオリジナルタイトルのためユーザー数はまだ少ないとのことだが、ユニークなバトルシステムへの評価が高く、『逆転オセロニア』と同様、時間をかけて育てていくようだ。
 
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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