【決算まとめ】ゲーム関連企業32社の10-12月…ミクシィの四半期営業利益が3四半期前の3分の1まで減少 『A3!』の寄与などでアエリアは売上高60億円台に躍進 

10~12月の決算発表シーズンも終了し、主要モバイルゲーム企業の2017年10~12月期(一部8~10月期と9~11月期)決算が出そろった。そこで今回も恒例ではあるが、ゲーム関連企業32社分の決算の状況をチェックしてみたい。

今回も銘柄の増減、入れ替えはなく、前回、前々回と同じ32社分を取り上げる。また、これまでと同様に決算期の都合で、gumi<3903>とエイチーム<3662>の数字は8~10月期と2ヶ月前の数字となっているほか、gloopsなどを含むネクソン<3659>のモバイル事業の売上高も掲載し、サイバーエージェント<4751>(表中はCA)は、ゲーム事業の数字のみを取り上げている。
 

今回の決算では、32社中、増収が16社、減収が16社となり、半々の状況となった。なお、前四半期と比べると増収企業が減少する結果となっているが、クリスマスと年末の商戦期を含む四半期であることを踏まえると、この商戦期で苦戦した企業が多かったということだろうか。

また、この四半期は営業赤字を計上した企業が11社と、ここ数四半期の9社での横ばい推移から増えていることも気掛かりなところ。特に前四半期に営業赤字を計上した9社がすべてこの四半期も赤字を計上するなど慢性的な赤字体質に定着してしまっているのは業界全体の構造的な課題とも言えそうだ。

ちなみに、32社を売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる(並びはコード順)。

増収増益…コーエーテクモHD<3635>、ボルテージ<3639>、KLab<3656>、モブキャスト<3664>、enish<3667>、ドリコム<3793>、シリコンスタジオ<3907>、モバイルファクトリー<3912>、マーベラス<7844>、コナミHD<9766>
増収減益…アエリア<3758>、ガンホー<3765>、カヤック<3904>、Aiming<3911>、LINE<3938>、バンダイナムコHD<7832>
減収増益…ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、アカツキ<3932>、サイバーエージェント<4751>
減収減益…ミクシィ<2121>、アクセルマーク<3624>、グリー<3632>、エイチーム<3662>、コロプラ<3668>、オルトプラス<3672>、イグニス<3689>、ケイブ<3760>、gumi<3903>、エディア<3935>、セガサミーHD<6460>、スクエニHD<9684>、カプコン<9697>


■コロプラの売上高がピーク時のおよそ半分に アエリアが売上高60億円台に躍進


それでは、まずは四半期売上高100億円以上の企業を抽出したグラフを見てみよう。大手ゲーム企業では、バンダイナムコHDが売り上げを伸ばしたのに対し、セガサミーHDやスクエニHDが2ケタ超の減収となったこともあり、大きく水を空けた格好となっている。

また、コロプラが四半期売上高120億円台とピーク時の半分くらいの規模となっており、今後も四半期売上高100億円規模を安定的に維持していけるのかが注目されるところ。
 

続いて四半期売上高100億円未満の企業では、アエリアが大きく売り上げを伸ばし、一気に四半期売上高60億円超に乗せてきたのが目立つ。さらにenishがボルテージやカヤック、Aimingなど四半期売上高10億円台の企業と同様の水準まで躍進しているのがこの四半期の大きな特徴だろうか。
 


■ミクシィの四半期営業利益は3四半期前の3分の1に減少 営業赤字企業は11社に増加


次は、営業利益の四半期推移を見てみたい。まずは営業利益20億円以上の企業を抽出したグラフになるが、ミクシィとスクエニHDが大きく利益を落としているのは気になるところ。特にミクシィは、3四半期前との比較ではおよそ3分の1まで利益額が減少してきており、減少トレンドに歯止めがかからない状況だ。

なお、この四半期はLINEが四半期営業利益20億円を割り込みこのグラフから姿を消している。
 


営業利益20億円未満の企業を見ると、Aimingに加えてセガサミーHDも10億円以上の赤字を計上するなど、やはり市場全体のコスト上昇傾向が見える内容になっている。KLabやマーベラスなどが安定した利益を計上しているが、その一方で売上高は大きく伸ばしたアエリアが利益を大きく減らしている。主力タイトルである『A3!』の売り上げを持続するために、マーケティング費用などコストが増加しているということなのだろう。
 

なお、前述の通り赤字計上企業は11社と2ケタ超に増加した。前四半期に赤字を計上していた9社はいずれも赤字が続く格好となっており、セガサミーHDとケイブがこの四半期は赤字に転落した。
 
 

■モバイルゲーム大手の営業益減少トレンドが続く


モバイルゲーム大手の売上高推移と営業利益推移をまとめたグラフに目を移すと、売上高は横ばい推移が続いているものの、営業利益は3四半期連続の減益となるなど減少トレンドが続いている。なお、この集計データ上で、営業利益の合計額が400億円を割り込んだのは2012年7~9月期以来、21四半期ぶりのこととなる。グラフを見ると、ガンホーとミクシィの利益が両社合計で200億円を割る水準まで落ち込んでいるのがその最たる要因と言えそうだ。
 


続いて上場SAPの売上高推移と営業利益推移を見てみたい。こちらは売上高は6四半期連続の増加と右肩上がりのトレンドが続いている。1社単独でのタイトル提供だけでなく、大手のヒットタイトルの運用、開発を担うなど、様々な形で活躍する企業がますます増えてきていることがやはり大きいものと思われる。

また、利益の合算値についてもQonQでは減少しているものの、前四半期比では倍増超での推移が続いている。
 

 

■ガンホーとミクシィの減速で市場全体に停滞感


さて、ここまで市場全体の状況を見てきたが、市場全体の成長期をけん引してきたガンホーとミクシィの減速がさらに進み、市場全体に閉塞感、停滞感のようなものが漂っていることは否めないだろう。それは営業赤字企業の増加という観点からも同様だ。

ただし、そうした中でもKLabのように複数のヒットタイトルを生み出し、成長を実現している企業もある。ユーザーのニーズの多様化により、『パズドラ』や『モンスト』のような大ヒットタイトルは生まれにくくなっているが、多様なニーズは様々な商機を生み出している側面もあるのではないだろうか。

続いて、各社の個別の状況を見てみたい。なお、大手ゲーム各社については、下記の記事を参照していただきたい。

▼大手ゲーム各社まとめ(参照)
【決算まとめ】家庭用ゲーム大手、第3四半期は6社中4社が営業増益 カプコン、コーエーテクモ、スクエニが大幅増益 セガサミー減益もパッケージ好調
 

■増収増益組


・ボルテージ<3639>
第2四半期期間(10~12月)の業績を四半期推移で見ると、売上高は前四半期比0.3%増の18億7200万円と小幅ながら増収を確保し、2億5600万円の営業赤字を計上したものの、前四半期比では赤字幅縮小するなど業績好転の兆しがようやく見えてきた。会社側では第3四半期にさらに赤字幅縮小、第4四半期には黒字転換というシナリオを描いており、下期にさらなる業績回復が進んでいくのか注目されるところ。

・KLab<3656>
第4四半期期間(10~12月)は、四半期ベースで売上高と営業利益が過去最高となるなど好調な推移を見せた。特に『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』と『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』の寄与により、これまでの『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』への依存度が強い事業構造からの脱却が進んだことはポジティブに評価すべきだろう。

・モブキャスト<3664>
7四半期連続の営業赤字が続くなど、まだまだ課題は多いが、『モバサカ CHAMPIONS MANAGER』国内版の寄与などで2四半期連続の増収となり、第4四半期期間(10~12月)は前四半期比で赤字幅も縮小するなど、長いトンネルからの出口が見え始めてきたところか。2月22日配信開始の『キングダム 乱 -天下統一への道-』が次の四半期以降、どう寄与してくるのかも注目される。

・enish<3667>
昨年10月18日にリリースした『欅のキセキ』の貢献もあり、第4四半期期間(10~12月)は、前四半期比86.1%増の大幅な増収を達成した。TVCMの展開などにより広告宣伝費が増加したことで、営業赤字は13四半期連続となっているが、今後利益を伴う回復が進んでいくのかどうかが次の課題となってこよう。

・ドリコム<3793>
第3四半期期間(10~12月)は、新作タイトルの寄与もあり、四半期ベースで過去最高の売上高を達成した。ただ、新作のリリースに伴う運営費用の高止まりなどで増益となったものの利益率は低い水準にとどまっている。なお、第4四半期はリリース想定だった新作2本の内1本が来期にずれ込むことなどもあり、現時点では四半期推移で減収減益の予想となっている。

・シリコンスタジオ<3907>
2017年11月期通期では12.7%の減収、12.5億円の営業赤字を計上した同社だが、四半期業績で見ると、前四半期比16.6%の増収となり、営業赤字幅も縮小している。これはコンテンツ事業で新作タイトル『テラバトル2』がオンしてきたことと、開発推進・支援事業で非エンターテインメント業界向けが成長したことなどに起因する。ただ、本格的な収益回復が進むのかどうかはこれからが本番と言えるだろう。

・モバイルファクトリー<3912>
第4四半期期間(10~12月)は、売上高が前四半期比21.4%増、営業利益は同27.9%増と2ケタ超の大幅増収増益での着地となった。主力の位置情報連動型ゲーム『ステーションメモリーズ!』が11月に3周年の周年イベントを開催し、売り上げを大きく伸ばしたのがその要因。一方、開発をブロックチェーン関連サービスへと大きくかじを切り、新作位置情報ゲームの開発を中止したことが中期的にどう影響してくるのかは、今後の推移を見守りたい。

・マーベラス<7844>
2018年3月期通期の連結業績予想の下方修正を発表するなど順風満帆とは言えない同社だが、第3四半期期間(10~12月)のみを見ると、売上高は前四半期比3.0%増、営業利益は同13.4%増と2四半期連続の増収増益となっている。前四半期との違いは、オンライン事業が売上高で同21.5%増、営業利益で同3.6倍と3四半期ぶりに増収増益に転じたことだ。これは『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』が好調なスタートを切ったことなどが寄与しているようだ。
 

■増収減益組


・アエリア<3758>
第4四半期期間(10~12月)は、売上高は前四半期比51.9%増となったものの、営業利益は同66.6%減となった。『A3!(エースリー)』寄与に加え、M&Aによる連結子会社の増加で売上規模は急拡大している一方で、『A3!』などへの積極的な広告宣伝費の投下や、新作開発、M&Aなど先行投資による費用が先行し、利益率は低下している。なお、『A3!』は中国版のサービス開始時期を2018年夏に決定し、現地でのクローズドβテストを開始している。

・ガンホー<3765>
第4四半期期間(10~12月)は、売上高は前四半期比8.0%増と減少トレンドに歯止めがかかった格好だが、営業利益は同28.9%減と3四半期連続の減益となった。国内向けはパズドラ関連の売上高減少が続いているものの、子会社GravityのモバイルオンラインRPG『RO仙境傳說:守護永恆的愛(Ragnarok M)』が台湾・香港・マカオで配信開始となり、売り上げに貢献した。ただその一方で、売上原価の増加により利益率は低下しているようだ。

・カヤック<3904>
第4四半期期間(10~12月)は、売上高は四半期ベースの最高売上高を更新したものの、営業利益は前四半期比9.9%減の減益となった。新作ゲームの開発費が先行投資として発生していることで粗利益率が低下したことが減益の要因となっている。なお、予定していた新作のリリースは遅延しており、収益寄与は2018年12月期以降となる予定。

・Aiming<3911>
第4四半期期間(10~12月)の売上高は、11月29日に配信開始となった『CARAVAN STORIES』が約1ヶ月分寄与したこともあり、前四半期比34.6%増と大きく伸長した。ただ、その一方でその『CARAVAN STORIES』のリリースに伴う費用が先行しており、赤字幅は前四半期比で膨らんでいる。次の2018年12月期の第1四半期は『CARAVAN STORIES』のフル寄与でさらに増収が見込まれるほか、赤字幅も縮小する見通し。

・LINE<3938>
第4四半期期間(10~12月)の売上収益は前四半期比7.9%増となったものの、営業利益は同89.8%減と大きく減少した。これは、Clova Friendsの前倒し発売による費用が発生したことや、新作を含むゲームのマーケティング費用が9.8億円増加したこと、年末外形標準課税などによる影響となっている。特にマーケティング費用が前四半期の25億円から50億円に倍増していることが大きいと言えそうだ。
 

■減収増益組


・ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>
第3四半期期間(10~12月)は、売上収益が前四半期比11%減となったものの、営業利益は同73%増での着地となった。売上高については、スポーツ事業を除く売上高が同2%減となっており、主にプロ野球がシーズンオフになったことが要因と言えるだろう。一方、営業利益が大きく膨らんでいるのは、欧米子会社における為替換算差額の累計額を資本から損益に振り替えた、一過性の要因によるものとなっている。

・アカツキ<3932>
第3四半期期間(10~12月)は、売上高が前四半期比0.3%減、営業利益は同0.6%増となっており、減収増益というよりも横ばい推移というのが正確な表現と言えそうだ。『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』が大規模イベントのない中で好調を持続したほか、ブシロードとの共同タイトル『新テニスの王子様 RisingBeat』が11月28日に配信開始となり、順調なスタートを切ったことが収益に貢献しているようだ。

・サイバーエージェント<4751>
同社のゲーム事業の第1四半期(10~12月)は、売上高は前四半期比で7.2%の減収ながら、営業利益は同7.7%増と増益を確保した。期中に目立った新作タイトルのリリースもなく、売上高の積み上げがなかった半面、マーケティング費用などコストも抑制された構図と言えそうだ。なお、次の第2四半期は、『グランブルーファンタジー』と『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』の周年イベント・キャンペーンが予定されており、増収増益となる見通し。



■減収減益組


・ミクシィ<2121>
第3四半期期間(10~12月)は、売上高が前年同期比5.3%減、営業利益は同15.3%減と減収減益での着地となった。主力タイトル『モンスターストライク』関連の売り上げが減少しており、現状据え置かれている通期計画が達成できるのかどうかも懸念される。なお、新作『ファイトリーグ』は改修作業を行っているものの、現時点ではまだその成果は発揮できていないようだ。

・アクセルマーク<3624>
第1四半期(10~12月)は、売上高が前四半期比15.0%減となり、営業赤字幅が拡大した。前四半期に発生していた開発費収入等がなくなったことが減収の要因となっている。また、新作の開発費など先行費用が引き続き発生しており、4四半期連続の営業赤字計上となっている。なお、第2四半期も新作タイトルの売上は想定しておらず、減収・赤字幅拡大となる見込み。

・グリー<3632>
第2四半期期間(10~12月)の売上高は前四半期比21.5%減、営業利益は同3.5%減となった。第1四半期は『アナザーエデン』や『シノアリス』などの前年度第4四半期にリリースしたタイトルの本格寄与があったものの、この第2四半期はそのリリース直後の盛り上がりが一服した格好となったようだ。そうした中で各タイトルで新章の追加など運用の強化を進めており、その成果が第3四半期以降、どのように発揮されるのか注目される。

・エイチーム<3662>
第1四半期(8~10月)は売上高が前四半期比5.4%減、営業利益は同26.3%減での着地となった。エンタメ事業において、主力タイトルの『ヴァルキリーコネクト』が振るわなかった一方で、その『ヴァルキリーコネクト』の国内向けTVCMを10月に放映するなど広告宣伝費を厚めに投下したことで費用も増加した。なお、上期にリリース予定の新作が下期にリリースを延期しており、第2四半期もエンタメ事業は既存タイトル中心の事業展開となる予定だ。

・コロプラ<3668>
第1四半期(10~12月)の売上高は前四半期比11.9%減となったが、これは前四半期に主力タイトルの『白猫プロジェクト』が3周年イベントを実施し、売り上げを伸ばしていた反動が大きな要因となっている。また、営業利益は同28.9%減となっているが、これは減収の影響に加え、10月31日にリリースした『ディズニー ツムツムランド』が他社IPを活用していることにより、IP使用料がかかることも影響している。

・オルトプラス<3672>
第1四半期(10~12月)は、売上高が前四半期3.7%減となり、営業赤字幅が拡大した。同社の営業赤字計上は、これで15四半期連続となる。他社との協業を進めることで開発費負担の抑制を行うなどコスト削減に取り組んだものの、複数の新規タイトルの開発費など費用が先行している状況だ。『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき』の配信開始で前四半期に長いトンネルの出口が見えたかと思われたが、もう少し時間がかかりそうだ。

・イグニス<3689>
ネイティブゲーム『ぼくとドラゴン』の売上減少が響き、第1四半期(10~12月)は売上高が前四半期比87.8%増となった。また、「with」のプロモーション強化により広告宣伝費が増加したほか、最新作『メガスマッシュ』の開発に伴う研究開発費の増加により、営業赤字幅が前四半期比で2億円強増加している。その最新作『メガスマッシュ』は、2018年春の配信を予定しており、第2四半期終盤から第3四半期にかけてからの寄与が予想される。

・ケイブ<3760>
第2四半期期間(9~11月)は、売上高が前四半期比18.1%減となり、営業損益は前四半期の2700万円の黒字から8000万円の赤字に赤字転落した。『ゴシックは魔法乙女』の広告宣伝費を抑制している一方で、大型アップデートの影響で「やること」が増えたことにより、ユーザーの課金率が低下した。なお、第3四半期からは11月28日にリリースした『ロード・オブ・ダンジョン』の寄与が始まる見通し。

・gumi<3903>
第2四半期期間(8~10月)の売上高は前四半期比1.1%減とほぼ横ばいですの推移となった。一方で、『ファントム オブ キル』のTVCM放映と新作のプロモーション費用で広告宣伝費が同61.9%増となり、営業利益は同8.3%減での着地となっている。なお、会社側発表の第3四半期期間(11~1月)の業績見通しは、売上高が同4.9%減、営業利益はゼロとなっているが、『タガタメ』の海外言語版が好調な滑り出しとなっており、上ブレ余地はありそうだ。

・エディア<3935>
2018年2月期の第3四半期累計の業績は、売上高が47.7%の減収、2.7億円の営業赤字計上となった同社だが、第3四半期期間(9~11月)の業績を四半期推移で見ても売上高が前四半期比12.7%減となり、1.1億円の営業赤字を計上するなど業績面で大底を割り込む格好となっている。なお、続く第4四半期も新作『マップラス+カノジョ』『BALDR ACE』の2タイトルとも来期以降に配信が延期となったこともあり、苦戦が続くことになりそうだ。
 

■まとめ


市場をけん引してきたモバイルゲーム大手の後退が目立つことで市場全体がシュリンクしているような印象を受けるが、年始に掲載した2017年の国内アプリストア売上ランキングを分析した記事でもあらためて明らかになったように、この集計には入っていない任天堂<7974>や未上場企業のアニプレックス、Netmarble Gamesなど海外企業がパブリッシャーとして存在感を強めており、この決算まとめ記事に掲載している上場企業の市場における存在感が相対的に弱まったことも考慮しておく必要があるだろう。

ちなみに2018年1月のApp Store&Google Playの売上ランキングでは、アニプレックスがパブリッシャーの『Fate/Grand Order』が両ランキングとも首位獲得日数で過半数を超えており、こういた傾向は次の2018年1~3月期においても続く可能性が高そうだ。

【関連記事】
FGO PROJECT『Fate/Grand Order』、1月のApp Store&Google Play売上ランキングの首位獲得日数で過半に…2017年8月以来2度目

また、営業赤字企業が再び増加傾向となっていることは、懸念されるところ。これは、タイトルの開発負担、プロモーションコストがますます重くなってきていることを示しているとも言え、今後さらにリスク分散のための協業などが進んでいくことが予想される。
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
企業データを見る
株式会社アエリア
http://www.aeria.jp/

会社情報

会社名
株式会社アエリア
設立
2002年10月
代表者
代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
決算期
12月
直近業績
売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3758
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