17年10-12月決算、ドリコムに関するスマホアプリ&ソーシャルゲーム決算記事

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【インタビュー】ドリコム内藤社長が振り返る第3四半期決算 反省点が多かった外部会社との開発 enzaの業績への影響は「まだ見えない」

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ドリコム<3793>の内藤裕紀社長(写真)に第3四半期決算と、先日メディア向けの体験会を開催したBXDの新プラットフォーム「enza(以下、エンザ)」についてインタビューを行った。2回に分けてインタビュー記事を掲載していくが、今回は主に決算について話を聞いた。

同社が1月30日に発表した第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高100億8300万円(前年同期比77.7%増)、営業利益3億4100万円(同33.7%減)、経常利益1億9300万円(同57.1%減)、四半期純利益7500万円(同81.9%減)となった。

他社配信アニメ版権ゲームを中心とした既存IPゲームの好調な推移と、新規IPゲーム開発の進捗に伴う売上が計上されたことから、売上高は大幅に伸長した。しかし利益面については、広告宣伝費を中心に固定費が抑制されたものの、新規リリースIPゲームで開発と運用の並走による運用費の高止まりが利益幅を縮小させ大幅な減益となった。
 


内藤社長は、第3四半期は新作『きららファンタジア』のリリース後の不具合によりサービスを停止してしまうなど、反省すべき点が多かったとしつつ、その他のタイトルにおいてユーザー満足度を重視した運営を行ったことが大きな成果をあげたと振り返った。また、BXDの展開する「エンザ」については業績への影響は、新規サービスのため、現時点では見通しが立ちにくく、また、サービスの立ち上がりについても、新規のプラットフォームの提供というサービスの性質上、ゲームアプリの立ち上がりに比べ 時間を要するとの見方を示した。


――:よろしくおねがいします。第3四半期ですが、全体として総括するといかがでしょうか。

反省点のほうが大きかった四半期だったと思います。当社の戦略上、版元様から大事なIPをお預かりしてゲームを提供しているわけですから、5本出して2本当たれば良いという話では許されません。1本も外すことはできませんし、ましてやサービスが出てすぐに遊べないこともありえません。

レピュテーション上のダメージもあります。IPタイトルに関しては、当社の戦略上、センシティブなところなんです。「あそこに預ければ大丈夫」と思っていただける信頼は実績の積み重ねが全てです。キチンと作って成功させていくことで少しずつ信頼が作られていきます。信頼が1失われると、100頑張って取り戻さなくてはならなくなります。



――:新作『きららファンタジア』ではリリース後にメンテナンスに入る事態になりましたが、どういった問題があったのでしょうか。

はい。この四半期は、タイトル3本をリリースしたところがポイントでしたが、安定して運用できない部分が出てしまいました。これまでは当社はアプリ開発を内製でやってきましたが、IPタイトルにシフトする中、リソース不足に対応するため、外部のパートナーとの取り組みも増やしてきました。今回の問題は、外部の開発パートナーと組むうえでのノウハウ不足が原因と考えています。

『きららファンタジア』については、リリース直後に比べ、運用は安定してきていますが、 今後に向けては、外部のパートナーとやるときにどういった体制でやるべきか、当社としてサポートを含めてどう連携していったらいいのかなど、反省すべき点が多くありましたので貴重な「学び」として運用の改善に繋げられれば、と考えています 。

 


――:本体でも従業員の人数を増やしておられましたよね。人数を増やすと、スキルのダイリューション(希釈化)といいますか、全体のスキルレベルやマネージャーの不足で現場にも影響が出るといいます。そういうことはなかったのですか?

そういう点があったのは否定できません。仮に開発したプロジェクトが半分だったら一本一本に対してリード職など実力のあるスタッフを充てることができました。ご指摘の希釈化についてはリリース計画の段階で想定はしていましたし、採用基準も強化するなどの対応を行ってきましたが、それでもやはり十分ではありませんでした。


――:これまでの決算説明会でも全体のレベルを上げるといったことをよく話をされていましたが…。

おっしゃるとおりこれまでも継続的に全体のレベルの引き上げには取り組んできていますが、もう一段引き上げる必要があると思っています。そうしなくてはいけませんし、IPタイトルは当社だけの事情では動けません。IPゲームの場合、映画やアニメ、漫画などの他のメディアとも連動することになります。その結果、リリースもこの時期にどうしても出さなくてはならない、時期を動かせない、ということが多々あります。あと1カ月あればよかったのに…ということが起こりやすいのです。

したがってしっかりと作って出すためには、特にキーマンのレベルを引き上げる必要があると感じています。とはいえ、キーマンの人数が急激に増やせるわけではありませんので、2018年、2019年は、これまでのようなリリースラッシュではなく、新規タイトルは抑えていく考えです。幸運にもいろいろな会社様にお話をいただくのですが、自分たちでできる本数に限りがありますので、どうしても絞らざるを得ないのが現状です。

また、多くのIPでは初出は一巡しており、続編や第2弾など、いわば「2周目」に入っている状況で以前より、有力なIPタイトルについては16~18年にかけてほぼ出尽くし、それ以降は2周目に入ると想定していましたが、まさに想定通りそのフェーズに入ったかなと考えています。



――:IPものは総じて2本目が1本目を超えることは難しいですよね。

そうなんです。逆に言うと、1本目として出してコアなファンについていただければ、仮に2本目が出たとしても影響は少なく済みます。当社以外のタイトルの事例を見ていても、2本目が出ても1本目に与えるマイナスの影響はそれほど大きくないように見えます。逆にいえば、2本目の難易度がそれだけ高いということです。


――:なるほど。ではポジティブな面ももちろんあったかと思いますが、そちらについてはいかがでしょうか。

リリースから3年以上経過したタイトルがあるのですが、そこで新規開発に匹敵する規模の大型アップデートを10月に行いました。その結果、ユーザーさん の反響も非常によく、過去2年と比較してもかなり高い水準になりました。当たり前なのですが、ユーザーさんに満足していただける運営をすれば、結果として、いろいろな数字がついてくる、ということです。

他の時間が経過したタイトルについても同様の取り組みをやりたいと考えています。運用フェーズに入って一定時間が経過すると、どうしても過去に実施して結果の出た施策を繰り返すことになりがちです。慣れてしまうと、どうしてもチャレンジすることを忘れてしまうのです。

これまでも、ユーザーさんに常に新しい体験を提供し、満足していただくことが、結果として当社にプラスになるという仮説を持っていましたが、実際にやってみてユーザーさんの反応やKPIが良好でした。年数の経過したタイトルで結果が出たことで、ユーザーさんの満足度を重視する運営指針を明確に組み込む方向に踏み切れました。これがポジティブだったことです。

 


――:わかりました。リリースラッシュだった直近ですが、今後は新作を抑えて運用を強化していくと。

はい。IPタイトル重視の戦略に踏み切って、安定して10タイトル目指すなかで、8タイトルのIPタイトルの運用を行いましたが、リリース直後は費用が先行して時間が経過すると利益が出てくる状況になります。過去のタイトルは利益が出ていますが、費用が先行していたタイトルが今後、きちんと利益が出せるのか、見極める必要があります。

仮にうまくいっていないタイトルがあったとしても、当社は、版元様から大切なIP をお預かりしていている立場です。したがって、ちょっと数字が出なかったからと言ってすぐに投げ出すことはしません。一つ一つのタイトルをいかに立て直して収益が出るようにするか、時間をかけても取り組みたいと考えています。

その中で、すでに運用しているタイトルは8本あって、さらに2本リリースに向けてやっていますが、今後は本数を減らして、これまで以上に1本1本しっかりと作っていきます。IPをお預かりしているのですから、不具合は当然なくすとともに、運用もしっかりやらなくてはなりません。運用が止まることはあってはなりません。

 


――:そういえば、以前の説明会で新作リリース後はしばらく費用が二重にかかるとおっしゃっていましたが、その点をもう一度お聞きしたいのですが。

はい。リリース時点では、当初想定した機能をすべて実装したうえでリリースできているわけではありません。リリース後も多くのアップデートをかけていく前提でいますので、リリースからしばらくの間は、運用するチームと新規開発を行うチームが併存する状態が続きます。

つまり、新規タイトルが運用をはじめてから安定期に移行するまで2倍の人件費がかかるわけです。安定運用期だと30人で済むチームが、リリース初期は60人くらい必要になります。あわせて、広告宣伝費も必要になりますので、二重の意味で費用が先行しやすい状況になります。



――:運用を開始してから本格的に利益貢献するまで一定の期間が必要ということですね。費用に関しては来期に入ると少し落ち着くような感じなんでしょうか。

そこが難しい部分です。既存ゲームの部分については、ご理解の通りですが、来期はBXDのブラウザプラットフォームが立ち上がりますので、ここの部分が正直いって見えていません。BXDについては当社が49%を持っており、いわゆる持分法適用会社となります。したがって、BXDの業績に関しては営業利益ではなく、経常利益から反映されます。正直申しまして、来期の第1四半期の業績はサービスを開始しないとわからないのです。

事前登録に関しては、ネイティブであろうが、ブラウザであろうが、やることに変わりはないので、非常に好調なのですが、実際にゲームで遊ぶ段階になると変わります。チュートリアルを終えて継続的に遊んでいただくには、ユーザーさんに会員登録を行っていただく必要があります。さらに課金をする場合には決済情報も必要になります。ネイティブに慣れ親しんでいる方には全く違ったものになります。

BXDに関しては、ネイティブアプリの立ち上げというよりは、新しいインターネットサービスの立ち上げに近い感覚を持っています。ECサイト立ち上げなどと同じような感じです。ネイティブアプリで初月に100万DLとかありますが、そういうことはそれ以前のインターネットサービスではあり得なかったことです。どのくらいのペースで立ち上がるのか、われわれも未知数なんです。

 


――:特に市場関係者の反応が非常にポジティブで少し過剰ではないかと感じる部分もありましたが…。

実は、その可能性は懸念しています。今回の発表会の後で、市場関係者の方や業界関係者の方からはポジティブに反応いただいたのは大変嬉しいのですが、少々強すぎるのではないかという印象を持っています。ネイティブアプリのマーケットではなく、初月に100万DL、200万DLいくようなモデルでは考えていません。時間をかけて伸ばしていくイメージです。

一般的にインターネットサービスで「垂直立ち上げ」というと、だいたい半年かけてようやく実現するものですが、今回の「エンザ」の垂直立ち上げについても、ネイティブアプリのそれではありません。もちろん、ネイティブアプリのような立ち上がりができればいいですが、サービスの違いを考えると現実的ではありません。

「エンザ」では、AppleさんやGoogleさんが担ってくれた決済はもちろん、チャットなどのコミュニケーションプラットフォームに関しても新しく用意しなくてはなりません。ローンチ当初は負荷の問題があり、3つの要素を同時ではなく、順次立ち上げることになるでしょうから、感覚としてはやはり半年くらいかけて立ち上げを目指していくことになるでしょう。



――:アプリを出すのとは全く違いますよね。プラットフォームも自前で作るわけですから。

ええ。すでにあるプラットフォームの上にゲームを出すのと、プラットフォームを作るところから始めるのでは全く違います。この点が少し勘違いされている部分もあるかなと懸念しています。


――:あと、失礼な言い方になるかもしれませんが、ドリコムさんの規模であれだけのタイトルがリリースできたのはなぜでしょうか。資金的にもそうですし、人を集めるのも大変ですよね。

あの当時の当社の財務状況を考えたら、単独であんなにたくさん作れませんでした。オリジナルタイトルがうまくいかずにIP戦略に振り切った当時は会社のBS(貸借対照表)で現預金を見た時に10億円程度しかなくて、開発費全額を自分たちだけで出していたらせいぜい2本作れたかどうかだったと思います。

製作委員会のようなものを組成し、版元様 を含めていろいろな会社にご参加いただくことで多くのタイトルが作れるようになりました。端的に言えば、レバレッジをかけたわけです。

幸い一定の成果が出せてBSも大きくなり、財務内容も改善しておりますので、100%自社だけでやることはないものの、今後は出資比率を上げるなど、もう少しリスクを取ることができるようになるのではないかと考えています。

 


――:ありがとうございました。
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企業情報(株式会社ドリコム)

会社名 株式会社ドリコム
URL http://www.drecom.co.jp/
設立 2001年11月
代表者 内藤裕紀
決算期 3月
直近業績 売上高65億3400万円、営業損益2億0600万円の赤字、経常損益2億1700万円の赤字、最終損益5億3700万円の赤字(2016年3月期)
上場区分 東証マザーズ
証券コード 3793

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