【発表会】『Shadowverse』プロリーグのエントリーがスタート…選手説明会で参加4チームが選手獲得に向けて示したプレゼン内容をレポート


国内でも最大級のe-Sports大会イベント「RAGE」を運営するCyberZは、先日AbemaTVで放送された番組内で、『Shadowverse(シャドウバース)』のプロリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」の開設を発表。リーグは2018年5月から開幕することが決定した。

それに伴いCyberZは、3月17日に新宿アルタシアターにて、選手選考説明会を開催した。会場には、プロリーグへの参戦を希望するプレイヤーが集まり、チームの代表者たちから、選手勧誘のためのプレゼンが行われた。

本稿では、「RAGE Shadowverse Pro League(シャドウバースプロリーグ)」の概要を紹介しつつ、代表者のプレゼンの内容を簡潔にまとめていく。1次エントリーは3月26日まで受付されているので、リーグ参加を考えているプレイヤーは参考にしてほしい。

 

■プロの対戦を毎週完全放送


「RAGE シャドウバースプロリーグ」は今年5月から開幕し、毎週日曜日に試合が行われる。その対戦の様子は「AbemaTV」と「OPENREC.tv」にて完全放送されるので、プロゲーマーたちによるハイレベルな戦いを誰もが楽しめる。


▲なお、「RAGE」開催期間中はプロリーグの対戦は休止するので、これまで通り「RAGE」への参加も可能だ。

現在は、リーグ開幕に向けて、プレイヤーのエントリーが募集されている。「RAGE シャドウバースプロリーグ」公式サイトから、加入を希望するチームを選択することでエントリーでき、エントリーしてきたプレイヤーの中から、各チームがメンバーを選考してチームを形成する。


▲現在は「au デトネーション」、「名古屋OJA ベビースター」、「レバンガ☆SAPPRO」、「よしもとLibalent」の4チームの参戦が決定している。この中から所属したいチームにエントリーを送れる。

募集条件は年齢が18歳以上であるということだけ。あとは、各チームによって募集要項が違うので、その条件に合ってさえいれば、誰でもエントリー可能だ。ただし、エントリーできるのは1人1チームとなっている。
 

「RAGE Shadowverse Pro League」公式サイト

 

■インセンティブと月額収入でプロリーグの土壌作り


「RAGE シャドウバースプロリーグ」は、『シャドウバース』を盛り上げるというだけでなく、e-Sportsひいてはプロゲーマーの地位を確固たるものにする狙いもある。

選考説明会を始めるにあたって、リーグの概要解説のために壇上に上がった、CyberZ取締役の青村陽介氏は、このプロリーグのビジョンが「Life Change with one game ~ゲームで人生が変わる~」であると語った。


▲CyberZの取締役である青村氏。「RAGE シャドウバースプロリーグ」におけるコミッショナーも務める。

「RAGE シャドウバースプロリーグでは、運営事務局から参戦チームに対し、総額2000万円のインセンティブが支払われることが約束されており、選手個々人には最低月収30万円が保証される。収入が保証されることで、プロゲーマーという職業がより現実的なものとなっている。



▲もちろん、シーズン終了時には順位に応じて賞金がチームに支払われる。

各チームも、選手を受け入れるにあたって、様々なサポート体制を設けている。ここからは、各チームの特徴や理念、募集要項といった情報を、説明会当日のプレゼン内容を踏まえてまとめていく。


●au デトネーション
日本国内トップクラスのe-Sportsチーム「DetonatioN Gaming」と、そのスポンサーであるKDDIとの連名となる「au デトネーション」。日本トップレベルのe-Sportsチームとして、『シャドウバース』のナンバーワンになることを参戦理由として掲げている。


▲壇上に立ったのは梅崎伸幸氏。「DetonatioN Gaming」のCEOである彼自身も、サラリーマンからプロゲーマーへの転身を経験している。

このチームの特徴は、なんといってもすでに確立されたe-Sportsコンサルティングにある。選手やゲーマータレントの育成やマネジメントといったチーム運営だけでなく、大会やイベントといった関連業務の運営についてもノウハウを蓄えている。

現役のプロゲーマーだけでなく、マネジメント業務に携わる面々も元プロゲーマーであり、あらゆる面において選手目線からのケアができるという。現役を終えたあとのセカンドキャリアについても、スポンサー企業への斡旋や、自社内でのマネジメント業務等、e-Sportsの第一線に近い位置が期待できる。



▲これまで積み上げたノウハウが最大の武器であり、それを活かしたプロゲーマーとしての活動に適した環境作りには力が入っている。

チームミッションを「まずはプロリーグ優勝」と語る「au デトネーション」は、"勝ちに貪欲"な人材を求めている。勝利に向かってストイックになれる人であれば、より一層レベルアップできるチームになるだろう。

■au デトネーション 募集要項・選考方法
・18歳以上であること
・兼業/副業可(他タイトルとの兼業は禁止)
・試合以外の活動時間(要相談)
・福利厚生(要相談)
・「RAGE」等の既存大会への参加は原則可能
 

「DetonatioN Gaming」公式サイト



●名古屋OJA ベビースター
プロ野球チームの東北楽天ゴールデンイーグルス創立メンバーでもある片桐正大氏がゼネラルマネージャーを務める「名古屋OJA ベビースター」は、スポーツビジネスの観点からe-Sportsに取り組み、新たな産業や雇用を生みだし、日本の生産性を高める「誰かを元気にする」という目標のもと、日々活動をしている。


▲壇上に上がった片桐正大氏。選手としてではなく、ビジネスマンとしてスポーツに接してきた。海外での活動経験もあり、そこで積み上げてきたスポーツビジネスのノウハウを、e-Sports業界でも活かしている。

既に2社のオフィシャルパートナーを獲得しているものの、2016年10月発足と、まだまだ新興勢力ということもあり、報酬は最低保証額の30万円しか用意できないことを明言した。ただ、すでに新たな企業からの打診はあるらしく、まだまだスポンサーの数は増えていくと思われる。

しかし、片桐氏の言葉からはリーグに対する熱意が強く感じられ、求める人材についても熱意をアピールしてほしいと強く語っていた。さらに、その熱意は言葉だけでなく、およそ1年半という短い活動期間の中で、「日本eスポーツリーグ 2017 SUMMER」で『FIFA』部門で優勝など、結果としても現れている。




壇上には片桐氏だけなく、『シャドウバース』部門のヘッドコーチとなる黒沢優斗氏も登壇した。ゲーム好きが高じて、ゲームメディアのライターになるために公務員を退職した過去を持つ黒沢氏は、"ゲームで生計を立てる"というゲーマーの夢について語る。


▲「名古屋OJA」は、e-Sportsが性差、年齢差だけでなく、障害者も含め、あらゆる人が対等に渡り合えるスポーツであると定義している。黒澤氏も、「名古屋OJA」が思い描くe-Sportsの世界を体現するひとりであるといえる。

この「RAGE シャドウバースプロリーグ」こそが、その夢を実現する場であるということ。どうすればゲームをすることが、1つの仕事として成り立つのかを一緒に考えられる人が必要なのだと、強くアピールした。

まだまだチーム運営に伸びしろががうかがえる「名古屋OJA ベビースター」を支えるのは、ひとえに"熱意"によるものだろう。片桐氏、黒澤氏の熱意にも負けない人材が揃ったとき、「名古屋OJA」更なる急成長を見せてくれそうだ。

■名古屋OJA ベビースター 募集要項・選考方法
・名古屋OJA ベビースターの良き仲間として、理念(名古屋OJAの目指すもの)を体現してくれる方
・あなたの志と「名古屋OJAの目指すもの」との関係性について
(表現方法は自由、文字なら800字以上)※後日、Googleフォーム開設

▼以下、参考資料となる動画
スポーツマンシップの授業 広瀬一郎(ページ内に動画あり)
http://sportsmanship.jpn.com/process/personal.html

Steve Jobs Stanford Commencement Speech 2005(スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版)
https://www.youtube.com/watch?v=XQB3H6I8t_4

田坂広志が説く!リーダーが持つべき「死生観」「覚悟」とは?(G1九州2017)
https://globis.jp/article/5883 

・非喫煙者(要誓約書)
・小学校から現在までの履歴書
・面接 (東京都内 or オンライン) 
※OPENREC.tvにてオーディション配信あり
 

「名古屋OJA」公式サイト



●よしもとLibalent
芸人、タレントのマネジメントに優れた「吉本興業」と、e-Sports事業を展開する「Libalent」が手を組んだ「よしもとLibalent」は、「吉本興業」が持つマネジメントのノウハウを活かした、タレント業務にも力を入れたチーム運営が特徴的だった。


▲プレゼンを行ったのは、Libalentのe-Sports事業担当である西田遼氏。来場した人も気になっていたであろう「なぜ吉本がe-Sports?」といった点も明確に話してくれている。

「吉本興業」は長年、劇場やテレビなど、様々なプラットフォームで事業を展開してきている。プロゲーマーはゲームの腕だけでなく、配信によるPRや、イベント運営も必要になることから、「吉本興業」が培ってきたノウハウはゲーミングの世界でも活かせる。

企画から人材の派遣、実際のイベント運営まで1社でカバーしきれるというのは「吉本興業」の強みであり、それによって、ゲームが強いだけでなく、タレント性でも人を惹きつけるプレイヤーの育成、マネジメントが可能となる。



タレントとして活動範囲を広げることで、リーグのオフシーズンにもタレント活動は可能であり、現役引退後には、大会MCやストリーマーといった、タレントとしてのセカンドキャリアの可能性も充分にある。自らコンテンツを発信していきたい人にはうってつけの環境と言えるだろう。



▲芸人、タレントとの共演。ルミネtheよしもとの見放題という点もポイントだろう。「笑いは元気の源、明日への活力」とニシダ氏も語っている。

人を楽しませるということに注力しているだけに、「よしもとLibalent」が求めるのは、ゲーム以外のアピールポイントがある人物。「逆にゲームだけの人はお断りさせてもらうかもしれません」とまで言っている。エンタメとしてのe-Sportsにも興味がある人は、「よしもとLibalent」で発信者としての道を模索してみるのもいいだろう。

■よしもとLibalent 募集要項・選考方法
・18歳以上であれば制限なし
・兼業可(要相談)
・他の大会への出場可(要相談)
・居住地(関東近郊が望ましい)
 

「Libalent」公式サイト



●レバンガ☆SAPPORO
「レバンガ」は、北海道を拠点とするプロバスケットボールチームだ。スポーツを通じて人々に活力や感動を提供することを理念とし、より多くの人にスポーツに触れてもらう機会を増やすため、e-Sportsの世界に参入した。


▲壇上には、北海道バスケットボールクラブの芳賀雄介氏が立ち、スポーツエンターテインメントの観点からe-Sportsについて語った。

そもそも、バスケットボールというスポーツは、エンターテインメント性の高いアリーナスポーツだ。スポーツで魅せるという点においては、レバンガはノウハウを積んできている。映像の見せ方、音響、光による演出等、見せ方についてはe-Sportsにも流用できるとしている。

また、SNSやビジネスマナーといった、スポーツ選手向けの教育プログラムも完備し、外国人選手との契約経験もあることから、スポーツチーム運営にも長けている。すでに、200社以上のスポンサーが付いているのも魅力だと言える。



▲大元が北海道を拠点とするチームだけあって、郷土愛の強さというのも特徴のひとつ。

スポーツチームとしての側面が強く見える「レバンガ」では、スポーツ選手としてのストイックさも多少なりとも求められる。プロである以上は結果にこだわることも必要だが、それだけでなく自身の価値を高め、集客力の高い選手を目指すこと。いわば、スター選手としての自分を意識することが大事だとされる。

また、自分たちを応援してくれる人たち、いわゆるステークホルダーへの感謝と責任の理解もレバンガは求めている。サポーターへの感謝を忘れてはならないというのも、プロのスポーツ選手には欠かせない要素であるということだ。


▲話を聞けば聞くほど、プロゲーマーというよりは、プロスポーツ選手になれる人を求めているのが伝わってくる。他のチームとはまた違った視点を感じられた。

最後に「成功の反対は言い訳。チャレンジしなければ失敗も成功もない」と締めくくったハガ氏。「レバンガ」の話を通じて強く感じたのは、スポーツ選手としての高みを目指すというイメージだ。格調高いプロスポーツの世界に身を置いてみたいと考えるなら「レバンガ」がうってつけだろう。

■レバンガ☆SAPPORO 募集要項・選考方法
・勝利という結果を追い求めることができる
・自分の価値をたかめ、お客様を呼べる
・ステークホルダーへの感謝と責任を理解できる
・クラブとプロ契約時点で満20歳以上であること
・関東圏または道内在住(または転居可能な方)
・北海道にゆかりのある方歓迎
・兼業、副業に関してはリーグ戦、トレーニング、その他活動優先できること
 

「レバンガ北海道(バスケットボールチーム)」公式サイト

 

■1次エントリー期間は1週間


以上が、各チームのプレゼンをまとめた内容となる。なお、「RAGE シャドウバースプロリーグ」参加の1次エントリーは3月26日の23時59分で締め切りとなる。

その後、2次エントリーも予定はされているが、1次エントリー終了時の状況次第で追加募集をするかどうかが決められるそうなので、2次エントリーは確実にエントリーできるとは限らないので注意してほしい。
 

「RAGE Shadowverse Pro League」公式サイト

株式会社CyberZ
https://cyber-z.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社CyberZ
設立
2009年4月
代表者
代表取締役社長CEO 山内 隆裕
決算期
9月
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