【モバイルファクトリー決算説明会】『駅メモ!』の課金不振でYonYでもQonQでも減収減益に ブロックチェーン関連では「仮想通貨の発行も」(宮嶌氏)


モバイルファクトリー <3912> は、4月25日、東京都内で第1四半期の決算説明会を開催した。同日発表した2018年12月期の第1四半期決算は、売上高5億7600万円(前年同期比1.8%減)、営業利益1億3500万円(同40.3%減)、経常利益1億3500万円(同40.4%減)、四半期純利益9300万円(同40.7%減)と減収減益に終わった。

説明会では、同社の宮嶌CEOがブロックチェーン関連の取り組みについて説明し、深井取締役が今回発表された第1四半期決算の説明を行った後、質疑応答が行われた。その質疑応答の内容なども踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■『駅メモ!』はDAUが過去最高も課金につながらず


第1四半期の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比16.5%減、営業利益は同29.3%減、経常利益は同28.9%減、四半期純利益は同35.4%減といずれも2ケタ超の大幅な減収減益となった。主力の位置ゲーム『ステーションメモリーズ!』(以下『駅メモ!』)がDAU(日次アクティブユーザー数)で過去最高を更新したものの、課金が伸びず前四半期比で減収となったことが収益を押し下げた。

『駅メモ!』は、前年度の第4四半期期間である11月に3周年の周年イベントを開催しており、その反動が出ていることに加え、前四半期に実施した「課金周りの施策がマイナスに働いた」(深井氏)とのこと。
 


続いて費用面を見てみたい。売上原価は前四半期比では大幅に減少しているが、これは前四半期に2018年12月期にリリースに向けて開発していた新作位置情報ゲームの開発中止を決定し、その他原価が前四半期比6700万円増加した反動によるもの。そうした一過性の要因を除くと、その他原価はブロックチェーン関連サービスの研究開発により、やや増加した状況となっている。

広告宣伝費も前四半期比ではやや減少しているものの、基本的な方針に変化はなく、横ばいに近い推移という認識が適切なようだ。
 

 

■『駅メモ!』は課金施策の課題で落ち込む


主力の『駅メモ!』など位置ゲームについて、さらに詳細に見ると、売上高は前年同期比では3.8%増ながら、前四半期比では22.7%減となった。『駅メモ!』は、「1Qに売れるべきものが(前年の)4Qに売れてしまった」(同)とするなど、課金施策、主にセールについて課題があったというのが会社側の認識のようだ。これについては、3月から重点的に改善に取り組んでおり、足元は売上も改善傾向にあるという。
 

一方でアクティブ率向上への施策として、期中は円谷プロダクションの「怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~」とのコラボを実施した。こうした施策については今後も積極的に取り組んでいく方針だという。
 
 

■ブロックチェーン関連では仮想通貨の発行も予定


前回、2017年12月期決算発表時に明らかになったブロックチェーン関連の取り組みについては、宮嶌CEOが説明を行い、モバイル対応のブラウザ兼仮想通貨ウォレットを展開するフェーズ1、アプリケーションプラットフォームを展開するフェーズ2、そしてそのプラットフォーム上でゲームを提供するフェーズ3というステップでの事業展開を構想していることが表明された。

なお、「プラットフォームのリリース前に仮想通貨を発行する予定」(宮嶌氏)であることも説明会の席上で明らかにした。
 
 

■2Qは『駅メモ!』の立て直しが焦点に


なお、2018年12月期の連結業績予想については、スマートフォンアプリ市場の事業変化が激しく、ブロックチェーンを活用した新規サービスの状況についても不確実性が高いことから適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、非開示としている。

新たな展開となるブロックチェーン関連の取り組みは、フェーズ1のモバイル対応のブラウザ兼仮想通貨ウォレットが2018年夏ごろのリリースという展望になっており、続く第2四半期の業績については、既存の位置ゲーム『駅メモ!』の立て直しがどのくらい進むかが主題ということになるだろう。
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
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