​アエリア、独自のスーパーコンピューターの設計・開発を目的としてMetahash社と業務提携 イーサリアムマイニング事業参入も視野に

アエリア<3758>は、12nm半導体チップ搭載のグラフィックボードを採用したスーパーコンピューターを独自に設計・開発することを目的として、Metahash Technologies(以下、Metahash社)との業務提携を6月20日に締結した。

ディープラーニングやマシン学習、画像や動画処理など、AI(人工知能)はさまざまな産業分野への応用や新規事業の創出が期待されている。今後、ビックデータやパターン認識などの膨大なデータをいかに低コストかつ的確に高速で解析処理を行えるかが企業競争力の源泉となる。同社が今後展開を意図しているAIを基盤とする「クリエイティブAI」の開発を始めとするAIの研究開発において、自社でAIの基盤を整備することは、同社の継続的な事業成長に必要不可欠であるとの判断から今回の業務提携の締結に至ったという。

同社とMetahash社は、AI、ディープラーニングの高速処理を可能にする並列計算に特化した「HashCoreチップ」の共同開発を行う。この「HashCoreチップ」4基を1枚のボードに搭載した「Metahashボード」を、イーサリアムデータマイニングに応用し、イーサリアムマイニング事業に参入する。

「Mtahashボード」は、市販のGPUボード1枚(Nvidia 1080 Ti:32Mh/sと仮定)に対して、「Metahashボード」1チップあたりの予測最低理論値では8倍以上のハッシュを生成する。4つのコアを持たせた「Metahashボード」1ボードあたりでは32倍以上のハッシュとなり、予想ハッシュは最低1024Mh/sを生成する。この「Metahashボード」を既に開発が完了し、稼働しているMetahash社の液浸冷却槽へ48枚搭載すると、1槽あたり最低予測値として49,152Mh/sを発生し、イーサリアムデータマイニングマシンとしてはトップクラスの単体性能となる。

この技術を活用することで、アルトコインと言われるビットコイン以外の仮想通貨のマイニングへの活用が可能となり、ビットコインのみに偏る現状のマイニング市場に新たな革新をもたらすことができる。さらに、最大の特徴として、マイニング制御には独自のAIを使い、ディフィカルティ(採掘難易度)を判断してリアルタイムにマイニング対象の仮想通貨を変更することで、自動でマイニング効率の最大化を図ることができる機能も実装予定だ。

今後は、これらの技術を元に、数ペタクラスのスパコンの開発が実現できるため、イーサリアムマイニング事業だけでなく、データセンターを設置して、マシンリソースを第三者に提供するクラウドマイニング事業や開発したスパコンを法人向けに導入支援を行うスパコンシステムインテグレーション事業などの周辺事業も積極的に展開していく予定だという。

なお、今後は本年9月を目途にスパコンの開発完了および、スパコンの予約・販売の開始ができる体制を目指して開発を進める予定だが、開発の進捗状況によりスケジュールは前後する可能性があるという。そのため、同社の今期業績への影響は現時点では軽微だが、今後開示すべき影響などが判明した場合は速やかに開示するとしている。
株式会社アエリア
http://www.aeria.jp/

会社情報

会社名
株式会社アエリア
設立
2002年10月
代表者
代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
決算期
12月
直近業績
売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3758
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