【レビュー】10年の時を経て再臨する後継作『アークザラッドR』…シリーズを踏襲した演出にはファンも納得すること間違いなし

 
1996年にプレイステーションで発売されてから、20年以上が経つ『アークザラッド Ⅱ』の続編として注目を集めている、『アークザラッドR』。制作スタッフにも、『アークザラッド Ⅱ』を担当していた面々が集まっており、ファンとしてはいやでも期待してしまうタイトルだろう。今回は、リリースに先駆けて、開発中のビルドでテストプレイをさせてもらえたので、その内容をレビューしていく。
 
■『アークザラッドR』とは?
そもそも『アークザラッド』シリーズは、1995年にソニー・コンピュータエンタテインメントがプレイステーションで1作目を発売したシミュレーションRPGだ。壮大なストーリーや、シミュレーション形式の戦闘、やりこみ要素の多さで人気を博し、ナンバリングで3作、シリーズ全体で7作が発売された人気シリーズとなっている。
 
今回発表された『アークザラッドR』は、『アークザラッド Ⅱ』までの制作に関わったスタッフが揃い、改めて『アークザラッド Ⅱ』以降の世界を描いた内容になっている。戦闘システムは、シリーズを踏襲しつつ、新たな要素も加えられている。
 
 
 
『アークザラッドR』ストーリー
 勇者アークと聖女ククルの犠牲により、魔王を封印することに成功するが、"大崩壊"と呼ばれる自然災害が発生し、世界の大半が海に沈んでしまうという『アークザラッド Ⅱ』のエンディングから10年後。生き延びた人々は手を取り合い、驚くべき速度で復興を進めていった。
 
 
▲『アークザラッドR』の出発地点となるミルマーナも、大陸部分が海に沈んでしまっている。
 
小さな島々で構成させる国、ミルマーナの自警団に所属するハルトは、村を襲撃してきた飛行軍艦に乗り込み、謎の少女ミズハを救出する。復興した国のひとつであるアルディアが、戦争を起こそうとしていることを示唆するミズハとともに、ハルトはアルディアの暗躍を阻止するため、ミルマーナ特使として世界を巡る旅に出る。

ゲームをスタートすると、主人公のハルトが、自国領内の集落が襲撃を受けているという報告を受け、現場に急行する場面からスタートする。
 

▲初回ダウンロード時には、過去作品のストーリーの振り返りがある、シリーズファンはじっくりと眺めて、思い出に浸ってほしい。
 
 
▲冒頭から見慣れない乗り物で主人公が登場。10年の間に世界でも技術の変化があったようだ。
 
燃料切れで不時着したハルトは、徒歩で現場に向かうことになるが、ここで早々にモンスターと遭遇。そのまま戦闘に突入する。戦闘は、お馴染みのシミュレーション形式になっており、敵をジャンプで飛び越したり、側面や背面から攻撃するとダメージが上昇するといったシステムも引き継がれている。
 
 
▲歩いて回り込む必要がないので、背後を取りやすい。もちろん、敵も条件は同じなので、行動終了時のキャラクター向きには注意が必要になる。
 
ただし、スキルに関連するシステムは前作から大きく変わっている。まず、スキル使用に必要なMPは、戦闘中の行動によって溜まっていく。MPが増える条件は、キャラクターの役割を示す"ロール"によって違っている。
 
 
▲ヘルプにも書かれている通り、ハルトはアタッカーなので、敵にダメージを与えることでMPが増加する。
 
サクサクと敵を倒しながらストーリーを進めていくと、単身で敵の軍艦に乗り込むことに。所属不明の傭兵に囚われるところだったミズハと出会い、戦闘メンバーにミズハが加入する。ここからは、心強い仲間を得られる。
 
 
▲『アーク』の世界で軍艦と言ったら、大抵この飛行軍艦を指す。デザインは昔のものに近く、ファンにとっては馴染み深いビジュアルだ。
 
 
▲ストーリー進行中のムービーは、キャラがよく動くので画面が賑やか。特に、ヒロインのミズハは表情も豊かで見ているだけで面白い。
 
ロールがヒーラーのミズハは、味方のHPを回復する"オートスキル"を持っている。移動させた際に、緑色のラインが表示され、自分が行動を終了するときに、その範囲内にいる味方全員のHPを回復する。
 
 
▲攻撃手段が、遠距離の魔法攻撃となっており、隣接するマスへの攻撃ができなくなっている。
 
ここからは一撃では倒せない敵も出現するため、"反撃"にも注意が必要だ。敵に通常攻撃を仕掛けた際に、敵が生存していれば反撃が発生することがある。側面や背面から攻撃をすれば、反撃の発生率が下がるので、強敵との戦いでは背後を取ることがより重要になる。
 

 
傭兵を撃破し、ミズハと一緒に飛行軍艦を脱出したあとは、ミルマーナ代表のサニアのもとへと向かう。元王女だったサニアが、『アークザラッドR』ではミルマーナの代表を務めているというのは、実に感慨深い演出だ。
 

▲会話イベントの際の、やたら奥行き感のある部屋や、味方キャラは必ず下から出てくるという構図も、シリーズではお馴染み。
 

▲空港の連絡橋の場面に至っては、何度見てきたことか。ささいな部分ではあるが、こういったところでも『アーク』っぽさを感じられるのは嬉しい。
 
これ以降は、ワールドマップからクエストを選択できるようになる。ここでクエストに出る前にまずはガチャを引かせてもらう。今回、ガチャを引いたところ、キャラには複数のレアリティがあることが判明した。
 
レアリティが高いと単純にステータスも高く、既に所持しているキャラの高レアリティ版を引いた場合は、高レアリティ版に上書きされるという仕様になっている。そして、同キャラが排出されたときには、そのキャラの"魂"が手に入り、能力開放で使えるようになっているようだ。
 

▲例えば、加入したばかりのミズハは☆3だったが、このガチャで☆4が手に入ったので、☆4ミズハに上書きされる。そして、元々持っていた☆3と、排出された☆3の分を足して、☆3ミズハ2体分のミズハの魂が手に入った。
 
キャラクターの強化要素を確認してみると、素材を消費してレベルを上げる以外に、レアリティを上げる"進化"というものがあった。素材は曜日ダンジョンで手に入るようなので、低レアリティでもキャラクターさえ手に入れてしまえば、最大レアリティまで育成可能ということになる。また、キャラクターによっては最大レアリティが☆5の場合も。
 
キャラクターの"魂"は、"能力解放"で使用する。能力解放では、"覚醒石"を使ってステータスの向上や、スキルの性能アップができる。この覚醒石の代わりに、キャラクターの魂を使用できる。
 
 
▲☆5のキャラクターで全てのマスを解放すると、キャラクターが更なる"覚醒"をするようだが、今回の体験プレイはそこまではたどり着けなかった。ビジュアルにも変化があるようなので、正式リリースまでの楽しみとして取っておいてほしい。
 
キャラクターは、自身を強化するだけでなく、"装備"による強化も欠かせない。装備品には、「剣士が装備すると攻撃力が5%上昇」といった、特殊な条件もあるので、相性の良いものを装備させていこう。
 
 
▲最初は装着可能な装備スロットがひとつしかないが、能力解放を進めていくことで装備スロットも増えていく。
 
キャラクターの強化については、全て確認できたので、いよいよクエストを進めていくわけだが、ここでついに"ハンターズギルド"が登場する。ミズハの実力を試すために、ギルドの依頼をこなしてみようということなのだが、このクエストの内容が、少々コミカルなオチになっている。詳しい内容は是非とも自分の目で確かめてほしい。
 
 
▲『アークザラッド Ⅱ』でもシリアスなメインストーリーとは違い、ギルドの依頼では、少々コミカルな内容が多かった。
 
ここからは、メインストーリーを進めるクエストとは別に、ハンターズギルドで依頼を受けることもできるようになる。メインストーリーとは絡まない、完全に独立したストーリーが用意されている。報酬として武器製作に必要な"製作書"などが手に入るので、クリアできそうな依頼はどんどんクリアしていった方がよさそうだ。
 
 
 
さらにストーリーを進めると、特使に任命されたハルトとミズハは、スメリアに向かうためにミルマーナを後にすることに。スメリアにもハンターズギルドがあるので覗いてみると、依頼の内容がミルマーナとは違っていた。新たな国に行けるようになった際には必ずハンターズギルドに顔を出しておいた方が良さそうだ。
 
 
▲受注する前に推奨レベルなどの内容をしっかりと確認しておこう。
 
スメリアでストーリーを進めていくと、"ショーグン"と呼ばれる人物を探すため坑道内部の探索をすることになるが、坑道の奥では大型のボスが出現した。
 
縦3マス、横3マスと、かなりサイズが大きく、他の敵よりもかなり強めに設定されている。通常攻撃は1体にしかしてこないが、範囲攻撃なスキルを使用されると厳しい相手なので、攻撃を集中させて素早く倒したい。
 

 
ここから、シリーズきっての人気キャラクターのトッシュや、イーガ、リーザといった歴代のキャラクターが続々と登場し、ストーリーも謎の傭兵の正体や、アルディア暗躍の真相に迫っていく内容に発展していくことになるが、ここからの詳細は是非とも自分の目で確かめてほしい。
 

 
ストーリーの序盤までをプレイしてみたが、何よりも『アーク』をプレイしているという感覚になれたという点が大きい。システムやビジュアルだけでなく、過去作のものをアレンジしたBGMもその感慨深さを演出するのに一役買っている。新曲かと思いきや、その中には耳に聞き覚えのあるフレーズが混じっていたりするのだ。
 
また、ハンターズギルドのクエスト以外にも、50フロアからなる遺跡の最奥を目指す"古代王の地下遺跡"や、他プレイヤーとの対戦を楽しめる"闘技場"といった、シリーズお馴染みのやり込み要素も搭載されている。どんどんストーリーを進めて、これらのコンテンツの解放を目指そう。
 
『アークザラッド』シリーズファンはもちろん、これまでシリーズを触ったことがないという若い世代の方々にも、本作で「これが『アークザラッド』というゲームなのか!」という感覚を是非とも感じてほしい。
 
 
(ライター:宮居春馬)
 

 
■​『アークザラッド R』
 

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会社情報

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設立
2010年5月
代表者
代表取締役CEO 石井 武
決算期
9月
直近業績
売上高43億8700万円、営業損益5億5600万円の赤字、経常損益5億2200万円の赤字、最終損益4億2000万円の赤字(2023年9月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
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株式会社フォワードワークス
設立
2016年4月
代表者
代表取締役社長 植田 浩
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