【発表会】『ドラゴンクエストウォーク』プロデューサーの柴貴正氏が3つの特徴を紹介 堀井雄二氏からは「スマホを持って街を冒険して欲しい」との言葉も


スクウェア・エニックスは、6月3日、都内・スターライズタワーにて、スマートフォン向け『ドラゴンクエスト』新作発表会を開催。コロプラ<3668>との共同開発で、2019年に位置情報RPG『ドラゴンクエストウォーク』をリリースすることを発表した。

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本作は、シリーズ累計の出荷・ダウンロード販売本数7800万本を突破した『ドラゴンクエスト』シリーズの新作スマートフォン向けタイトルとなる。本稿では、発表会の模様をレポートしていく。


▲本発表会の総合司会を務めた徳光和夫さん(写真左)と、アシススタントMCの平井理央さん(写真右)。

発表会が始まると、まずはスクウェア・エニックス『ドラゴンクエスト』シリーズのエグゼクティブプロデューサーである三宅有氏が登壇。三宅氏は『ドラゴンクエスト』が5月27日で33周年を迎えたことに感謝を述べつつ、この1年の『ドラゴンクエスト』シリーズの展開を振り返った。『ドラゴンクエスト』シリーズでは、昨年12月にプレイステーション4、およびNintendo Switchで『ドラゴンクエストビルダーズ2』を発売。スマートフォンで展開している『星のドラゴンクエスト』は配信開始から3年が経過し、2019年元日より、新しい地図の香取慎吾さん、草彅剛さん、稲垣吾郎さんの3人をプロデューサーとして迎え入れ、5月26日にはApp Storeにおけるセールスランキングでトップを飾った(関連記事)。そのほか、スマホ向けタイトルでは『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』『ドラゴンクエスト どこでもモンスターパレード』『ドラゴンクエストライバルズ』も堅調に推移しているとのこと。

そして今後の展開として、2019年8月には『ドラゴンクエスト』初のフル3DCGアニメ映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」の公開を控えている。同年秋頃にはNintendo Switch向けに『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』の発売や、『ドラゴンクエストX』の追加パッケージとなる『ドラゴンクエストX いばらの巫女と滅びの神 オンライン』が2019年に発売を予定していることなどが語られた。

さらに三宅氏は、ファンが気になる『ドラゴンクエストXII』に繋がるシリーズ展開については、現在、『ドラゴンクエスト』の生みの親である堀井雄二氏と共に準備を進めている段階で、まだ先にはなるが何かしらの形でまとめて発表をしたいという考えであることが明かされた。


▲スクウェア・エニックス『ドラゴンクエスト』シリーズのエグゼクティブプロデューサーの三宅有氏。今回のタイトルは、『ドラゴンクエスト』として全く新しいチャレンジになることから三宅氏は「自分自身、お客様にどのように遊んでいただけのるか今から本当にワクワクしております」とコメントした。

続いて、『ドラゴンクエスト』シリーズ ゲームデザイナーの堀井雄二氏が登壇。「今日、発表するタイトルは僕自身凄く楽しみにしていて、やっと発表できることをとても嬉しく思っております」と挨拶を行った。また、新作が発表される際の心境については「発表した後の反響が心配だったり、期待したりします」と答えた。


▲『ドラゴンクエスト』の生みの親で、ゲームデザイナーである堀井雄二氏。

そして、会場では本タイトルのプロモーション映像が公開され、タイトルが『ドラゴンクエストウォーク』であることが発表された。下記のプロモーション映像からは、渋谷109の上に君臨するキングスライムや、電車に乗り込む大量のがいこつ、街中を歩き回るゴーレムなど、シリーズお馴染みのモンスターたちが現実世界に現れている姿が確認できる。なお、『ドラゴンクエストウォーク』はiOSおよびAndroid向けに2019年に配信予定。


▲動画内では「さあ、スマホをもってぼうけんにでかけよう。」「キミが歩けば世界が変わる。」「日本中が、ドラクエになる。」という『ドラゴンクエスト』らしいキャッチコピーも見受けられる。どのようなゲームになるのか、今から想像を膨らませて楽しみに待ちたい。

『ドラゴンクエストウォーク』を発表した堀井氏は「『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の時に、「すれちがい通信」をするために皆さんゲーム機を持って外に出掛けていたと思うのですが、それと同じように、スマホを持って冒険して欲しいというのが今回のゲームです」とコメントした。
 
次に、スクウェア・エニックス『ドラゴンクエストウォーク』プロデューサーの柴貴正氏が登壇し、本企画発足の経緯や内容の紹介が行われた。
 

▲スクウェア・エニックス『ドラゴンクエストウォーク』プロデューサーの柴貴正氏。代表作としては『ドラッグ オン ドラグーン』や『LORD of VERMILION』が挙げられるほか、『ドラゴンクエストシリーズ』では、これまでに『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』や『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』のプロデュースを務めている。

柴氏によると、『ドラゴンクエストウォーク』の企画を最初に話したのは約3年前になるとのこと。当時、世間では位置情報を使ったゲームが大流行し、スマホならではの新しい遊びが誕生していた。そこに柴氏が「もし、『ドラクエ』の世界観がハマるならどういうことが起きますかね?」と堀井氏に相談しに行ったのが本企画発足のきっかけになったとのことだ。


▲「『ポケモンGO』が流行ってましたからね(笑)」とはにかむ堀井氏。柴氏は、企画が発足してからの3年で『ドラゴンクエスト』ならではの遊びを入れ続けてきたと自信を覗かせた。

もうすぐ完成のところまで来ているという本作だが、ここで会場では1枚の画面写真が公開された。バスなど乗り物で移動する際には制限はかかるものの、ある程度は遊べるようになっているという。日本全国を回ると、その土地によって何か楽しいことが起きることもあるようだ。


▲開発時のエピソードとして柴氏より、堀井氏が「地図の面白さ」にこだわっていたことも明かされた。自分の住んでいる街の中を歩いて、モンスターと戦って、プレイヤーのレベルを上げることができるのだという。

 
▲さらに、本作のマスコットキャラとして登場する「スラミチ」が公開された。プレイヤーの冒険を導く役割のため、コンパスを背負った可愛らしいデザインとなっている。

また、コロプラとの共同開発になった経緯について柴氏は「スマホ向け位置情報ゲーム、およびRPGの制作経験があることからコロプラさんにお願いして、ここまでやってこれました」とコメント。同社の特徴として、若い世代が多く、馬力が凄いとコメント。開発内部にはこれまでプレイヤーとして『ドラゴンクエスト』シリーズを楽しんできた方も多く、位置情報ゲームならではノウハウも持っていることから様々な良い提案もしてもらえているとのことだ。

続いて、『ドラゴンクエスト』の大ファンであるという、お笑い芸人 スピードワゴンの小沢一敬さんが登場し、平井さんと共に屋外に出て『ドラゴンクエストウォーク』の実機プレイを披露した。


▲お笑い芸人で大の『ドラゴンクエスト』ファンでもあるというスピードワゴンの小沢一敬さん。過去に堀井氏と対談をしたこともあるという小沢さんは、芸人仲間で開かれた『ドラゴンクエスト モンスターズ』の大会に堀井氏が駆けつけてくれた際のエピソードも披露してくれた。
 
今回の実機プレイでは会場近辺の東京タワー周辺を探索していく。ゲーム画面を見た小沢さんは「本当にゲームのフィールドに立っているようです」とコメント。


▲「マップ」ボタンは現実世界の地図とリンクしており、実際の建物や通りの名前が表示される。


▲こちらがゲーム画面。モンスターをタップすると戦闘に突入する。マップ上にモンスターが出現した際には振動で知らせてくれるようだ。また、マップ上にはHPやMPが回復ができるうえ、やくそうなどのアイテムが手に入る「ツボ」なども出現する。


▲バトルはシリーズお馴染みのコマンドバトルが展開。「こうげき」「スキル」「どうぐ」「ぼうぎょ」の中から好きなものを選択して順に行動をしていく。モンスターを倒すことができれば経験値やゴールドが手に入り、プレイヤーのレベルも上がっていく。


▲さらに、モンスターを倒すと「ずかん登録」が行われて様々な報酬がもらえる。


▲早くも『ドラゴンクエストウォーク』に興味津々の小沢さん。モンスター図鑑には、「はじめて倒した場所」や「見かけやすさ」も記されているほか、そのモンスターを倒した数による報酬もあるようだ。
 
ここで、柴氏より本作ならではの機能として「クエスト」が実装されていることが明かされた。目的に沿った行動を達成することで次々とストーリーが展開していくようだ。



▲今回は「コンパスが指し示した方向へ向かおう」という指示が表示されていた。目的地は表示された候補の中から自分で選択可能で、遠くにするほど多くの報酬がもらえるという。

目的地に到着するとストーリーが進行。「はじまりの森」のバトルではゴーストと戦闘する様子を披露してくれた。
 


▲スキル「かえん斬り」がミスしてヒヤッとする場面も。道中で手に入れた「やくそう」を使用することで難を逃れた。

無事にゴーストを倒したところで今回の実機プレイを終了。小沢さんの勇者ぶりを見届けた堀井氏は「楽しく遊んでもらえて嬉しかったですね」とコメント。普段はあまりゲームをプレイしないという徳光さんも「1/4分かるだけでも相当、興味深く画面に釘付けになった」と話した。

一通りゲームの流れが分かったところで、ここからは柴氏より詳細なゲーム内容が語られた。 今回は『ドラゴンクエストウォーク』に実装されている3つの特徴を映像と合わせて紹介した。

①目的地システム
最初に紹介されたのは「目的地システム」。先ほどの実機プレイでもあった通り、目的地は自分で選べるようになっている。地図上で目的地候補から1つを選択すると目的地ができあがる。ルート上にはモンスターが出現し、バトルが楽しめる。目的地では様々なイベントが発生するほか、今回は詳細が明かされなかったダンジョンも実装されており、奥には強力なボスも待ち構えているのだとか。この「目的地システム」により、日常の風景がドラゴンクエストの世界になっていく。
 


▲新しく、面白い体験に仕上がっているため止め時がなく、開発内でも気付くとつい夜まで遊んでしまうというようなこともあったようだ。

②ランドマーク
『ドラゴンクエストウォーク』では、全国すべての都道府県にランドマークが設定されている。この日、見られた東京タワー以外にも、京都の金閣寺や、仙台の伊達政宗騎馬像、沖縄の守礼門、名古屋城など実在の建物がゲーム内に登場する。また、その土地でしか楽しめないランドマーク限定クエストも予定しているという。また、​柴氏によると都会だから有利という内容にはならないようだ。
 


▲柴氏は、サービスが開始された際には実際にゲームをプレイして様々なランドマークを見つけてもらえると楽しいのではないかと話した。

③自宅機能
自分の自宅を建てたい場所を地図で設定できる。これは実際の自宅でも構わないし、そうではない場所にも作ることができるようになっている。家の中は様々な家具でカスタム可能となっており、他人の家のコーディネートを見に行くこともできる。また、他人の家にはアイテムが落ちていることもあるとのこと。そのほか、帰宅した際には、その日の歩数や巡ったスポットによって「おでかけボーナス」をもらうことができ、ランクアップすることによって家のランクが上がっていく。バトルをせず、歩いて帰ってくるだけでもハウジングが楽しめるようになっているとのことだ。




ここで実機プレイから戻った小沢さん、平井さんが再び登壇。実際に『ドラゴンクエストウォーク』を遊んでみた感想を問われた小沢さんは「僕が子供の頃にはゲームをやっていると体に悪いなんて親に言われましたが、今の時代のゲームは健康にもなるので凄く良いと思います」とコメントを述べた。
 


発表会の終盤には、6月11日より、『ドラゴンクエストウォーク』のβ版体験会が実施されることも発表された。iOS/Androidにて各1万名(計2万名)で下記の公式サイトにて応募を受け付けている。なお、こちらは関東地方(東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木)の地域限定で、18歳以上の方が対象となる。

<β版体験会プレイヤー募集ページはこちら>
https://www.dragonquest.jp/walk/beta/



最後に、発表会を終えた小沢さん、柴氏、堀井氏からファンへのメッセージをお届けしていく。

小沢さん「『ドラゴンクエスト』は最初から全シリーズ遊んできて、大人になってもずっと続けています。大人になって色々な仕事をしていると忘れちゃうんだけど、『ドラゴンクエスト』をやるたびに「あ、子供の頃は俺、勇者やってたな」ということをいつも思い出します。『ドラゴンクエストウォーク』では、自分が行った場所でモンスターと出会って、まさに勇者として動いて「あ、これだよな」と思えたので『ドラゴンクエストウォーク』を通じてみんなで勇者になればこの日本が平和な国になると思います」
 
柴氏「ようやく『ドラゴンクエストウォーク』を発表をすることができました。私はここに立っていますが、現場には開発をしてくれている色々な人たちがいたり、今日も宣伝・取材に来てくださっている方々があってどんどんみんなで広めてくれて、最終的に面白いゲームが完成すると思っています。まずは今日の発表を皮切りに、実際に来週テストをしていただいて色々な情報を集めつつ。非常に新しい体験になるゲームなので色々あると思いますが、そこを乗り越えて面白いゲームにしていきたいと思いますのでもう少々お待ちくださいませ。本日はありがとうございました」

堀井氏「やっとこのゲームを発表することができて凄く嬉しいです。早く皆さんに遊んでもらって感想を色々聞きたいと思います。今度はスマホを持って実際の街を冒険するという新しいタイプのゲームなので、散歩をすることが楽しくなると思います。止め時が分からなくなった時は自宅に戻って成績とか見て区切りを付けてください。今回はβ版体験会ですが、そう遠くない未来に皆さんに遊んでもらえると思います。是非、その日をお待ちください。今日は本当にありがとうございました」


 
(取材・文 編集部:山岡広樹)


 
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会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
企業データを見る
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
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