【レビュー】CBT版『グランブルーファンタジー ヴァーサス(GBVS)』に登場する5キャラを使い比べてみた…格ゲー初心者でも駆け引きが楽しめる本作の魅力とは

 
Cygamesは、5月31日~6月2日の期間、PS4向け対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジー ヴァーサス(以下、GBVS)』のクローズドβテストを開催した。
 
●『グランブルーファンタジー ヴァーサス』とは
スマートフォン向け王道ファンタジーRPG『グランブルーファンタジー』(以下、『グラブル』)初の対戦格闘ゲーム。主人公の「グラン」をはじめ、「カタリナ」、「ランスロット」など『グラブル』の人気キャラクターが集結し、原作でもお馴染みの「アビリティ」や「奥義」を駆使してシンプルで奥深いバトルを楽しめる。2018年12月に開催された「グラブルフェス2018」にて情報が初解禁された。2019年の発売を予定しており、企画・制作をCygames、 開発はアークシステムワークスが担当している。


今回、クローズドβテストに参加する機会をいただけたので、格闘ゲーム初心者の筆者目線で実機プレイから判明した要素やキャラの詳細レビューをお届けしていく。本作で初めて格闘ゲームにチャレンジするという方はもちろん、原作の『グラブル』をプレイしていて、『GBVS』の購入を迷っているという方は是非、参考にしていただきたい。
 

■初心者~熟練者まで広くの層が対戦の駆け引きを楽しめる本格派格闘ゲームに


まずは対戦までの流れをご紹介。オンラインロビーに入場し、アバターセレクトやキャラクターセレクトを完了する。今回、選ぶことができたキャラクターは「グラン」「カタリナ」「シャルロッテ」「ランスロット」「フェリ」の5人で、各キャラ2種のカラーリングが用意されていた。なお、オンラインモードで対戦を楽しむためにはPlayStation Plusへの加入が必要となるようだ。


▲2人が対戦台に座って準備完了すればバトルがスタート。座る位置によって1P側と2P側に分かれており、まるでオンライン上にあるゲームセンターのようなシステムになっている。舞台が騎空艇というのもまた『グラブル』らしいところだ。


▲ロビーではチャットやスタンプで交流が可能となっているほか、コミュニケーションノートで他のプレイヤーとやり取りをすることもできるようになっている。

続いては基本ルールと操作方法について。ルールは制限時間の99秒以内に相手の体力を削り切ると1ラウンド取得となり、2ラウンド先取した方が試合の勝者となる。タイムオーバーをした際には、その時点でよりHP残量が多いプレイヤーが1ラウンドを取得できる。


▲対戦前には美麗なアニメーションも。対戦カード毎に台詞も変化するのでファン必見だ。


▲キャラが被った際には、自動でカラーリングが分けられる。なお、ステージは「ポート・ブリーズ群島 アンガド高原」と「城砦都市アルビオン コロシアム」の2種が用意されていた。

操作方法も基本はシンプルで、弱・中・強攻撃や特殊技、投げ(ガード不能)、中段攻撃のオーバーヘッドアタック(しゃがみガード不能)、ガードはR2の1ボタンで繰り出すことが可能。R2ボタンと方向キーの組み合わせで回避や回り込みもできるようになっている。

また、キャラクター毎の固有アクションとなる「アビリティ(必殺技)」もR1ボタン+方向キーの組み合わせで複数のものを使い分けることができる。このアビリティに関する仕様が対戦格闘ゲームとして本作最大の特徴で、1度使用すると再使用までにクールタイムが発生するようになっている。コンボで一気に畳みかける際のフィニッシュで確実に当てられる状況を作り出すなど、アビリティの使いどころが勝負を分けることになりそうだ。


▲上記の赤枠部分がアビリティのアイコンとなっており、ここが光っているものは発動することができる。アイコンが黒くなっているアビリティは、クールタイムが完了するまで再使用することができない。

そのほか、体力ゲージ下に表示されている奥義ゲージが100%まで溜まると「奥義」や「解放奥義」が使用可能となる。こちらもR1ボタンと方向キーの組み合わせで発動できる。「奥義」や「解放奥義」を使用した後はアビリティにクールタイムが発生するため相手の反撃を受けないための注意が必要となる。


▲豪華な演出の「解放奥義」は、ゲージのほかにHPが30パーセント以下という条件を満たすことで使用できる。

さらに、「アビリティ」「奥義」「解放奥義」はR1ボタンを使うものとは別に、方向キーと各種ボタンの組み合わせで使用できる「テクニカル入力」にも対応しており、こちらで発動した方がアビリティ再使用までのクールタイムが短くなるというメリットがある。対戦格闘ゲームに慣れている方は、テクニカル入力で技を発動する方が有利に試合を運べそうだ。


▲対戦終了後は、ラウンドごとの最大ダメージやガード確率、カウンターヒットの数など、細かな成績を確認することができる。
 

■五人五色の使用感を実現 好みの戦術に合ったキャラをチョイス


ここからは、各キャラクターの使用感や技の詳細を解説していく。

●グラン(CV:小野友樹さん)
『グラブル』の主人公でもあるグランは、近距離攻撃をベースに、最もスタンダードな戦い方で格闘ゲーム初心者にも扱いやすいキャラとなっている。通常攻撃から、「ライジングソード」や「ドライブバースト」といったアビリティにコンボを繋げていくことで大きなダメージを与えることができる。また、「レギンレイヴ」など飛び道具もあるので遠くの相手を牽制することはできるが、遠距離攻撃が豊富ではないためこれを主体に立ち回ることは難しそうな印象。如何に相手との間合いを詰め続けながら戦うかが肝になりそうだ。


▲「ライジングソード」は空中ガード不能技となっているので、相手の飛び込みを待って迎撃するのもオススメだ。


▲奥義の「テンペストブレード」は突進技。クセがなく攻めの際にも守りの際にも使えるため非常に扱いやすい。


▲一方、解放奥義の「カタストロフィ」は飛び道具だが、近距離でヒットさせるとプロトバハムートの追撃が入るため近距離戦闘型のグランと相性の良い技となっている。

●カタリナ(CV:沢城みゆきさん)
元エルステ帝国の騎士であるカタリナは、長剣のリーチを活かした戦い方を得意とする。グランと並んで非常に扱いやすいキャラで、飛び道具の「マイティライド」や突進技の「エンチャントランズ」といったアビリティを所持しているため、相手との間合い調整を図りやすい。また、特殊技の「ライトウォール」でダメージを軽減しながら相手との距離を調節できる点も特徴的だ。そのため、近距離を得意とする相手には近付きすぎないよう、こちらの攻撃が届く範囲を維持しながら戦うことや、遠距離を得意とする相手には一気に詰め寄って畳みかける展開が可能となっている。


▲「マイティライド」は弱・中・強で弾の速度を変えられる。相手に近付かれないよう牽制しつつ、リーチの長い攻撃を活かして試合を有利に運びたい。


▲奥義の「アイシクルネイル」は3段斬りのコンビネーション。ガードされても最後まで発動するが、後の隙が大きいのでコンボのフィニッシュなどに組み合わせて確実にヒットさせていきたい。


▲解放奥義の「ヴィジョン・ディヴァイン」は上昇しながらの斬撃を繰り出す。近距離でヒットさせることで星晶獣アレスが登場し連携攻撃を繰り出す。カタリナの大技は近距離で使えるものが主体となる。

●シャルロッテ(CV:名塚佳織さん)
攻撃の軌道こそ前述の2キャラ同様に素直なものが多く使いやすいが、アビリティのテクニカル入力はタメで発動するものが多く、グランやカタリナとは異なる操作感が楽しめる。また、キャラの等身が低いため一部の技がヒットしにくくなっていたり(※ただし、王冠部分にも当たり判定はある模様)、リーチが短いため超近距離での戦いを得意とするという特徴がある。特殊技の「ケーニヒシルト」はダメージ軽減技で、近距離ならさらに反撃を加えることができる。アビリティは前方に大きく詰め寄る移動技「ノーブル・ストラテジー」からの派生が特徴的で、下段攻撃・中段攻撃・投げなど相手に対応の選択を強いることができる。


▲突進技の奥義「ブリリアントムーン」などの組み合わせにより、常に相手に張り付いて戦うような戦法を意識したい。


▲そのほか、対空技の「ホーリーラダー」や、解放奥義の「ノーブル・エクスキューション」は剣による振り上げがヒットすると強化されて威力がアップするため、待ちによる戦法も可能となっている。

●ランスロット(CV:小野友樹さん)
双剣の使い手であるランスロットは、素早い攻撃から繰り出す手数の多さが魅力となっている。リーチは短く近距離戦を得意としているが、豊富な移動技を組み合わせたヒット&アウェイで相手の体力を削る戦法が可能となるため、シャルロッテとは異なる戦い方ができる。ステージ端に追い詰められても特殊技の「三角跳び」で容易に脱出できたり、移動技「ヴィルベルヴィント」は「急停止」、「回り込み」、「フェイント」、「ジャンプ」に派生するため、遠距離からでも相手をかく乱しつつ急襲することができる。アビリティの「ブレードインパルス」や「サザンクロス」は、硬直時間が短くガードをされても反撃を受けにくいというのも特徴だ。他のキャラに比べてアクションの種類も多いため、基本的な操作に慣れてから使用したい。


▲上空へワープできる「トゥルブレンツ」というアビリティも所持しているので、縦横無尽に駆け回ってステージを広く使いながら戦いたい。また、「トゥルブレンツ」はタメてから発動することでしゃがみガード不能の真下への斬撃を繰り出せる。


▲突進技の「ヴァイス・フリューゲル」は移動距離が長いため、遠距離技へのカウンターにも使える。


▲一方、解放奥義の「シェーナー・ヴィンターヒューゲル」も同じく突進技となっている。地上版は相手の位置をサーチするが、発動時に□、△、○ボタンで突進する角度を任意に変更することもできる。

●フェリ(CV:米澤円さん)
幽霊であるフェリは、幽霊のペットたちを呼び出して戦うことができる。鞭を利用したリーチの長い攻撃を組み合わせて、遠距離から相手を近付かせず戦うのが基本的な先方となる。その分、ひとつひとつの動きは他のキャラに比べてゆったりめとなっているので、攻め急がず確実に相手の体力を削っていきたい。武器が鞭やペットであることから、攻撃も直線的ではなく今回のCBTに実装されているキャラの中では最もテクニカルに感じた。


▲アビリティでは、相手の飛び道具を貫通する「ゲシュペンスト」は、その場で追加攻撃をする「お仕置きだ」か、相手を引き寄せる「こっちに来い」に派生させることができる。


▲奥義を2種類持っているのもフェリの特徴のひとつ。地面をバウンドしながら進む飛び道具「フェアギフテン」は、即効性こそないが、上手く通常攻撃と組み合わせることで相手を追い詰めることが可能だ。また、「ヒン・リヒテン」は一定時間、通常技、特殊技から別の通常技、特殊技に2回まで派生できる強化状態になる。上記は「ヒン・リヒテン」を使用したシーン。


▲解放奥義の「エーテライト・レクイエスカ」は、前方へリーチの長い鞭を放つ。相手が飛び道具で牽制してきた際のカウンターなどに狙うことで当てられる。

今回、『グランブルーファンタジー ヴァーサス』をプレイしてみて、キャラごとのコンセプトや特徴がかなり明確に練られており、それがしっかりと格闘ゲームとしての使用感に落とし込まれている印象を受けた。正直、筆者の格闘ゲーマーとしての腕が未熟なため、プレイ前はテクニカルなアクションを要求されたらどうしようという心配もあったが、余裕がないときはR1との組み合わせで簡単にアビリティや奥義が発動できるため、キャラに合わせた戦法にもすんなりと馴染んで楽しむことができた。とはいえ、より上級者との対戦になるほどテクニカル入力の優位性が際立つため、熟練の格闘ゲーマーの方々もしっかりと楽しめる内容になっているのではないだろうか。

また現在、公式サイトでは「ローアイン(CV:白石稔さん)」や「ファスティバ(CV:稲田徹さん)」の参戦も発表されているため、他のキャラがどのような使用感になるかについても今から楽しみに待ちたい。

 
(文 編集部:山岡広樹)



■『グランブルーファンタジー ヴァーサス(GBVS)』
 

公式サイト


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会社情報

会社名
アークシステムワークス株式会社
設立
1988年5月
代表者
代表取締役 木戸岡 稔
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