【モバイルファクトリー決算説明会】2Qは売上高、営業益とも四半期ベースで過去最高 『駅メモ!』は「長期運営を見据えた基盤強化に取り組む」(深井COO)


モバイルファクトリー<3912>は、7月19日、東京都内で決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された2019年12月期の第2四半期累計(1~6月)の連結決算は、売上高16億6300万円(前年同期比21.5%増)、営業利益5億4300万円(同46.0%増)、経常利益5億4300万円(同46.2%増)、最終利益3億4200万円(同33.3%増)となった。

説明会では、同社の深井COO(写真)と執行役員【管理管掌】の佐藤氏が2019年12月期の第2四半期(1~6月)の決算や事業の概要についてを説明した後、質疑応答が行われた。今回はその内容なども踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■売上高、営業利益とも四半期ベースで過去最高を更新


まずは第2四半期期間(4~6月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比18.4%増の9億100万円、営業利益は同28.2%増の3億500万円、経常利益は同27.7%増の3億400万円、最終利益は同6.7%増の1億7600万円となり、売上高、営業利益、経常利益は四半期ベースで過去最高を更新した。

主力の位置情報連動型ゲーム『ステーションメモリーズ!』(以下『駅メモ!』)が6月にコロプラ版の5周年を迎え、周年記念施策を実施したことも売上高を押し上げた。なお、第2四半期期間の位置ゲームの売上高は前年同期比で23.0%増、前四半期比で25.7%増となっている。なお、前年同期比での大幅な増収については、「DAU(日時アクティブユーザー数)が伸びた分、(周年イベントの)寄与度が大きくなった」(深井COO)としていた。
 

続いて、販管費の推移を見ると、広告宣伝費は前四半期の7700万円から7900万円とほぼ横ばいの推移となった。引き続きプロモーション効果の精査による効率的なプロモーション展開が行えているもよう。プロモーションについては、「新規向け、カムバック向けなど精査して展開」(同)とするなど、きめ細やかな展開を行っているとのことだ。

一方、売上原価は、変動費のシステム利用料増額に伴い、増額する形となっている。
 

 

■『駅メモ!』は売上高、DAUともに過去最高を更新 山手線全駅への交通広告も


続いてサービスの状況を見てみると、『駅メモ!』は前述のコロプラ版の5周年(リリース5周年)を迎えたことを記念した施策の実施もあり、売上高、DAUともに過去最高を更新した。5周年施策については、ゲーム内の施策にとどまらず、記念カフェの開催や山手線全駅への交通広告掲出なども実施している。また、コラボ展開にも引き続き注力しており、足元では「温泉むすめ」や「フレームアームズ・ガール」とのコラボイベントを開催している。
 


このように同社の収益の軸となっている『駅メモ!』だが、「5年運営しているとサービスの基盤に技術的な技術的な負債も出てきている」(同)とのこと。そこで下半期は「長期運営を見据えた基盤強化に取り組む」(同)としており、下期はやや投資が増えることになりそうだ。
 

■モバイル署名管理サービス「Quragé Link」をリリース


一方、ブロックチェーン関連の取り組みは、モバイル署名管理サービス「Quragé Link」をリリースした。これは、DApps利用の課題である「専用ブラウザが必要」という問題を解決するサービスで、DAppsを一般的なブラウザでセキュアに利用することを可能としている。

また、開発者向けDApps開発キット「Uniqys Kit」は、正式版のリリースに向けて開発が進行中とのこと。こちらは引き続き2019年中のリリースを目指している。
 
 

■下期予想は「かなり保守的みている」(深井COO) 『駅メモ!』で長期運営を見据えた投資も


なお、2019年12月期の連結業績予想を新たに開示しており、売上高31億3700万円(前期比5.3%増)、営業利益9億円(同6.0%増)、経常利益8億9900万円(同6.0%増)、最終利益5億8800万円(同0.6%増)の見込み。

この数字を元に計算すると、下期の見通しは売上高14億7400万円、営業利益3億5700万円、経常利益3億5600万円、最終利益2億4600万円と、上期実績を大きく下回る前提となっている。これについては、「減収はかなり保守的みている」(同)としつつ、収益的に依存度が高い『駅メモ!』で長期的運営を見据えて投資を行うことを費用として織り込んでいるとのことだ。
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
企業データを見る