【イベント】KLab, 学生向けデザイナーズコンテスト「KLab Creative Fes’19」の開催レポート…ハイレベルな作品から最優秀グランプリが決定!


KLab<3656>は、8月4日に、学生向けデザイナーズコンテスト「KLab Creative Fes’19」の本選を秋葉原UDXシアターにて開催した。

このコンテストは、 2015年より開始した日本一の学生3DCG(コンピューターグラフィックス)デザイナーを決するコンテストイベントとなる。対象は動画部門、 静止画部門と分かれており、各入賞者には賞金や副賞などが提供される。

本選の審査員は、 世界で活躍するプロのアーティストが担当し、本選当日はコンテストだけでなく、審査員によるトークセッションやライブスカルプティングも実施された。本稿ではその模様をレポートする。
 
 
▲本イベントのMCは、バーチャルライバー童田明治さんが務めた。 
 
 

■今後求められるCGデザイナーとは…豪華審査員によるトークセッション

 
 
 
本イベントの冒頭では、審査員の北田栄二氏、鈴木卓矢氏、田島光二氏、早野海兵氏によるトークセッションがおこなわれた。
 
 
トークセッションでは、業界で働くことや、学生の時にやるべきことなど本イベントに参加している学生が気になっていることを中心に語られた。
 
 
 
まず影響を受けた作品では、それぞれこの業界に入るきっかけとなった作品を挙げていた。北田氏は『ファイナルファンタジー7』、早野氏はガンダム、宇宙戦艦ヤマトを挙げた。それぞれ、特にCGに限らず、エンタメのモノづくりに関わりたいという思いから業界に飛び込んだと振り返る。
 
田島氏はポケモンやデジモンなどのモンスター系や仮面ライダーの敵キャラが影響にあったと話し、鈴木氏はスウェーデンのアーティストであるシモン・ストーレンハーグ氏の影響が大きいと語った。
 
 

二つ目のテーマはワクワクした仕事について。共通して語っていたのは、タイトルやプロジェクトにワクワクするのではなく、誰と一緒にどう働けるかにワクワクすることが増えてきたという。
 
仕事以外の話題になると、弟子や教え子と接していくことにワクワクすると話す。教えていく中で、表現の可能性が広がっていくことがワクワクすると語った。
 
 
 
今後求められる人材というテーマでは、早野氏が働き方の変化という観点から考えを話した。今は働き方が変わっており、そこには長所と短所があると話す。長所としてはもちろん働きやすくなったという点だが、学ぶ機会や教えてもらえる機会が減ったとも語る。その分、時間の使い方を考えながら、自分から学んだり教えを乞う機会を増やさないといけないと話した。
 
鈴木氏はアーティストの能力ではなく、今後はエンターテイナーとしての能力が試されると話す。リアルタイムレンダリングの時代が進むと、どのように演出するかやプラスアルファを考える必要が出てくると話した。
 
総括としては、常に勉強研鑽することが大事と話し、その過程では辛い部分もあるが、楽しんで取り組めるのがこの業界だと語られた。最後の質疑応答では、CG制作の取り組み方やキャリアの考えに関する質問が多く挙げられていた。
 
 
続いて、田島光二氏によるライブスカルプティング講義が行われた。ここでのスカルプティングとは、「ZBrush」を用いた3Dオブジェクトのモデリングとなる。田島氏はライブで制作しつつ、参加した方々の質疑応答に答える形で講義を進めていった。また、途中にはイベントMCのバーチャルライバー童田明治さんとの掛け合いもあり、その様は会場でも笑いが起きていた。
 
 
▲制作途中、童田さんからの急なリクエストにも難なく応じる田島氏。
 
▲わずかな時間でハイクオリティな獣人CGが完成した。
 


■学生の域を超えたハイレベルな発表に…KCF’19グランプリ決定!

 
後半からは、本戦に残った出場者による最終プレゼンテーションが行わられた。
プレゼンテーションでは、予選からさらにブラッシュアップされた作品の公開と制作における解説が発表された。発表作品は以下の通り(発表順)。
 
●静止画部門
 
デジタルハリウッド大学
近藤涼さん
作品名:Goblin
 

 
▲ゲームでは雑魚キャラで挙げられるゴブリンを、老練で力強い印象で表現した作品。質感の表現が評価されていた。
 
 
デジタルハリウッド大学
中川祐さん
作品名:中華料理屋
 
 
 
▲昔ながらの情緒のある料理店を表現した作品。細かい部分への作り込みには審査員も驚いていた。
 
デジタルハリウッド大学
伊藤賢吾さん
作品名:Virtual Beauty
 
 
 
▲”Vtuberのようなバーチャルの存在がメイクアップをしている”という独特な着眼点が面白いと審査員からも評価が挙がった。
 
 
九州デザイナー学院
國分あかりさん
作品:追懐
 
 
 
▲古き良き日本の夏を懐かしむ作品。細かい部分から情景が描かれており、プレゼンテーションの内容も評価されていた。
 
 
東京大学
劉宛亭さん
作品名:鎏·山水
 
 
 
▲古典的な水墨画などのアプローチから表現されたCG作品。クオリティの高さが光っていた。
 
 
●動画部門
 
日本工学院八王子専門学校
スタジオ玉井
作品名:臥煙
 
 
 
▲「中年オヤジ」と「特撮ヒーロー」の組み合わせで、変身するまでの格好良さを突き詰めた作品となっていた。
 
HAL大阪
WASABIMELON
作品名:ONCE AGAIN
 
 
 
 
▲”目の前の大切なものを思い出す映像”というコンセプトにて、ロボットの切ない物語を表現。
 
HAL名古屋
FINALIST
作品名:FINALIST
 
  
 
▲現実空間とバーチャル空間との異なるテイストを表現した作品。42名による多人数での制作作品となる。
 
 
全てのプレゼンテーションが行われた後に、結果発表が行われ、静止画部門の優勝は中川祐さんの「中華料理屋」、準優勝は國分あかりさんの「追懐」が選定された。動画部門では、スタジオ玉井の「臥煙」が優勝作品となり、WASABIMELONの「ONCE AGAIN」が準優勝となった。また、特別賞には静止画部門受賞の両名が選定された。
 
 
 
  
▲受賞者には賞金の他に、メディアでの露出も行われる。また、特別賞ではKLab社への内定も獲得できる。
 
審査員からは、最後まで意見が分かれたくらいレベルが高く、もはや学生の域を超えていたとコメント。今後も引き続きCG制作に努めてもらいたいとエールを送り、イベントは締めくくられた。
 


 

KLab Creative Fes’19

KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
企業データを見る