【インタビュー】”ヒーローとしてのカッコよさを追求したい”…カカリアスタジオの新たな挑戦、新作『HELIOS Rising Heroes』で描くものとは

©2019 Happy Elements K.K

Happy Elementsのカカリアスタジオは、7月22日、ヒーロー育成コマンドバトル RPG『HELIOS Rising Heroes』(読み:エリオスライジングヒーローズ)を発表した。

本作は、『あんさんぶるスターズ!』を手掛けるカカリアスタジオの新作女性向けゲームとなる。大都市ニューミリオンを舞台に、ヒーローたちが切磋琢磨しながら成長していくという作品だ。ヒーローたちはルーキーとメンターでチームを組み、チームワークをテーマにストーリーが展開する。

本稿ではHappy Elements新井氏に加え、今作のキーマンであるプロジェクトリーダーのM氏とクリエイティブディレクターのK氏にインタビューを実施。本作の制作背景や魅力について話を聞いた。
 

■誰が見ても”カッコいい”と思えるキャラクターを描く作品を


――『HELIOS Rising Heroes』は7月22日に発表されて話題にもなりました。こちらはどういった経緯で立ち上がったタイトルなのでしょうか。

新井氏:『あんさんぶるスターズ!』(以下、『あんスタ!』)はアイドル育成プロデュースゲームで、すでに発表した通り今後新章展開や、ハイクオリティな3Dリズムゲームのリリースを予定しています。

そういった『あんスタ!』とは違うタイプの女性向けゲームに新たに取り組もうということで、本作の制作がスタートしました。

M氏:『あんスタ!』はゲームが苦手な女性でも遊べ、誰でも幅広く楽しんでもらいたいという考えで制作されました。今回のタイトルでは、もう少しゲームを遊びたいという女性のニーズに答えられるような作品を目指しています。

K氏:女性向けの本格的なRPGを開発したいと考えています。ただ難しくするというわけでなく、誰でも楽しめるゲームを目指しています。作品のイメージとして、アイドルたちの輝きを魅せている『あんスタ!』とは違う角度の魅力を提供できればと考えています。


――ありがとうございます。本作の特徴、コンセプトはどういうものでしょうか。

K氏:今回、ヒーローがモチーフとなっていますが、ヒーローの中でもチームワークにスポットを当てた内容となります。主人公であるプレイヤーが司令としてヒーローたちのチームワークを育て、街の平和を守っていくゲームです。
 

M氏:『あんスタ!』はどちらかというとかわいらしいキャラクターですが、カッコいいキャラクターでまた違った層のユーザーさんに楽しんでいただけるタイトルを作りたいと考えています。

新井氏:本作は、イラストやシナリオを内製で制作しています。コンテンツや世界観、イラストがHappy Elementsカカリアスタジオの強みと考えていますので、本作もその強みを最大限生かしたものを目指しています。


――ゲームとしては、どういった内容のゲームになっていくのでしょうか。

M氏:育成コマンド型RPGで、ゲームが好きな女性でもしっかり遊べるようなものに作り込んでいきたいと考えています。最近は女性でもコマンド型RPGのゲームに親しまれている印象なので、楽しんでもらえると思います。

――世界観については、ちょっと未来的な都市の印象ですね。
 
K氏:未来的な都市で、ヒーローを中心とした明るい世界観になるようにこだわっています。海外が舞台になるのですが、明るい世界観をビジュアルやシナリオから感じ取れるように作っています。ヒーローが活躍するシーンなどもしっかり見せていけたらと思っています。
 

――ストーリーはどういった内容なのでしょうか。

K氏:ヒーローとして指導する立場であるメンターと、指導される立場のルーキーが、チームワークを学ぶためにチームを組むところから物語が始まります。その中でヒーローたちはそれぞれ自分の強さであったり、個性や、人との関わりについて悩みながら成長していくという内容です。

あと、ヒーローものには悪と戦うといったイメージがありますが、本作におけるヒーローは街を守り、市民に愛される存在として描かれています。


――そのヒーローたちは、どういった形でストーリー内で活躍するのでしょうか。

K氏:メインキャラクターは15人いるのですが、その15人それぞれが主人公という扱いになります。メインストーリーは4つのセクターごとに進行していきます。1章があのセクター、2章はこのセクターといった感じで、それぞれ異なる主役にスポットが当たる形です。

また、他のセクターのキャラクターとも関わることで、ヒーローとしての成長を見せていきたいと考えています。セクターの枠を外すと、ルーキー同士であったり、昔の先輩後輩関係や同期など、色々な関係性が見えてきます。

 

――独特な世界観という印象がありますが、どういったところから構想が浮かんだのでしょうか。

K氏:「ヒーローものを作る」ということだけは最初に決めていました。ただヒーローものを作るとなると独自性が重要になり、ヒーローをカッコよく見せるにはどうすれば良いかという点を考える必要がありました。

取捨選択をしながら世界観を詰めていったのですが、初めはもう少しシリアスな話でした。世界を守るみたいな話だったのですが、それよりもヒーローとして市民に愛されるような明るい話にしようと思い、社内で意見をもらいながら詰めていきました。


――キャラクターのデザインに関しては、どういったところを意識していますか。

K氏:『あんスタ!』ではかわいくて、万人に愛されるキャラクターを目指すという方向性でした。本作では、そういった万人に愛されるような良い部分を残しつつ、誰が見ても”カッコいい”と思えるようなビジュアルを意識しています。

ヒーローがいるという世界観は特殊ですし、キャラクターのビジュアルはなるべく分かりやすく魅力が伝わるようにしています。


――なるほど。本当に”カッコいい”ところを魅せることにこだわっているのですね。

K氏:そうですね。頭身もこれまでの作品とは違いますし、年齢にも幅があるので、いろんな年代のキャラクターをカッコよく表現しようと試みています。

――今作では”カッコよく”が軸としてあるということですが、ゲーム内ではどういった形で表現されていくのでしょうか。

M氏:弊社の強みに2Dの表現があります。なので、カードイラストはもちろん気合を入れて作っていますが、他にも「キャラクターの魅力を最大限に引き出すような仕組み」を加えられるよう考えています。

K氏:シナリオ中でヒーローたちが活躍するところも、カッコよさを感じていただけると思います。ストーリーパートでも、バトルパートでも、ヒーローとしてのカッコよさを存分に表現しています。

 

■カカリアスタジオが取り組む新しい挑戦


――2020年リリース予定ということですが、リリース前においても露出は考えていらっしゃるのでしょうか。

K氏:そうですね。先日もコミックマーケットでブースを出展させていただいたように、今後も様々な形で情報を発信していきたいと思っていますのでご期待ください。

M氏:まずは世界観やゲーム自体をしっかり作り込み、ユーザーさんの反響も見ながら様々な展開をしていければと思います。


――ユーザーさんにはこういうふうに遊んでほしい、こういうところを見てほしいという点はありますか。

K氏:キャラクターを育成して、自分の理想のヒーロー、チームを育ててほしいです。メインストーリーやイベントストーリーも順次公開されていくので、シナリオを通じたキャラクターの成長も楽しみにしていただければと思います。

M氏:バトル以外の遊び方もいろいろと入れる予定です。女性が楽しめて、世界観に入り込めるようなゲームパートも用意していますので、楽しんでいただけると思います。UIなども全て世界観を重視した形で制作しているので、ヒーローのいる世界観に没入していただけると嬉しいです。


――声優さんの発表もありましたが、キャスティングで意識した点はありますか。

K氏:声優さんのキャスティングについては、音響会社様と相談しながら、チーム内でかなり検討しました。このキャラクターの雰囲気には誰がぴったりなのかなど……。結果、演技力も含め、この世界観をより盛り上げてくださる方々にお願いできたと思っています。

――実際に収録も進めていると思いますが、感触はいかがでしょうか。

K氏:メインストーリーを読んで、面白いという感想を頂けたことが嬉しかったです。バトルシーンなどカッコいい部分が多いので、声優さんからも楽しんで演技できたというコメントを頂くこともありました。

――各キャラクターの衣装はどういった意識で制作されているのでしょうか。

K氏:そこは一番悩んだところではあります。ヒーローの衣装といっても様々ですが、この世界観で一番カッコよく映える衣装を作ることを目指しました。あとはキャラクターそれぞれの個性が出せるようこだわりました。

――私が見た感じ、この衣装は海外の警察の制服のような印象を受けました。

K氏:そうですね。普段はこういった海外の警察っぽい衣装を着ているのですが、戦うときはヒーロースーツに着替えます。また、イベントごとがある際はそれに応じた衣装を着用することもあります。
 

――分かりました。ありがとうございます。ではまだ発表の初期段階ではあるんですけど、今後の展開について教えていただけますか。

K氏:今後はオンライン、オフライン共にいろいろな展開を予定しています。ヒーロースーツも順次公開していくので、ヒーローたちがどういうふうに戦うのかを楽しみにお待ちください。

M氏:SNSや公式サイトを更新して、世界観に関する情報を提供していきたいと思っています。公式TwitterでWEB漫画も連載する予定ですので、ぜひ読んでいただければと思います。


――最後に読者へ向けてメッセージをお願いできますか。

新井氏:カカリアスタジオとして力を入れて制作を進めており、まだ現時点ではゲーム開発に注力しているところで動きづらいのですが、無事に良いゲームがリリースできましたらゲーム以外にもいろいろな展開を用意してコンテンツの総合力を高めていきたいと考えています。ご一緒に展開ができる会社様を探しておりますので、是非お声がけください。

K氏:今後もヒーローとしての活躍、キャラクターの関係や、世界観などまだまだ発表していきますのでご期待ください。
これまでの作品同様、妥協は絶対にいたしません。カッコいいヒーローを届けるため、ビジュアルであったり、シナリオであったり、バトルであったり、ゲーム性であったり、全てにおいてこだわって制作しております。

M氏:女性向けは特にグラフィックとシナリオのクオリティーを求められるので、そこは特に力を入れてチームで頑張っておりますので、期待してお待ちいただけますと幸いです。


――『HELIOS Rising Heroes』はカカリアスタジオさんにとっても新しい挑戦にもなりますし、そこは変わらず全力でということですね。

新井氏:そうですね。弊社は大きなスタジオではありませんが、そんな中でもチームごとに全力で、しっかりとした作品を継続的に出していきたいです。

――楽しみにしています。ありがとうございました。


■『HELIOS Rising Heroes』
 

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