【イベント】​"TVゲーム"と"紙"が融合を果たすNintendo Switchの新感覚タイトル! ディライトワークスの新作『紙謎』を先行プレイレビュー


ディライトワークスは、11月7日に自社内にて、Nintendo Switch向けダウンロード専用タイトル『紙謎 未来からの想いで』のメディア向け先行体験会を開催した。

今回発表された『紙謎』は、Nintendo Switchと、様々なイラストが印刷された紙を使って進める、新感覚の謎解きゲームとなっている。



先行体験会当日は、ディライトワークス第3制作部の岡村光氏と、本作の共同開発にあたったギフトテンインダストリの代表である濱田隆史氏が登壇した。


▲ディライトワークス第3制作部の岡村光氏。


▲ギフトテンインダストリ代表の濱田隆史氏。

ギフトテンインダストリは、これまでにもVRを使う「モニャイの仮面」や、Nintendo Switchを使う「マドリカ不動産」といった、デジタルとアナログを融合させた謎解きゲームをリリースしている会社だ。こうした個性的なタイトルに魅了された岡村氏からの直々のオファーで、今回の共同開発が実現した。



体験会を開催するにあたり、まずは『紙謎』の全容について様々な発表が行われたので、その内容をレポートしていく。

『紙謎』というゲームは、前述した通りNintendo Switchと紙を使って進める謎解きゲームであり、謎を解くことでストーリーを読み進めていくのが目的となる。



基本はNintendo Switchの方でゲームを進行し、謎を解く際にのみ紙も必要となる。紙には様々なイラストが描かれており、情報を書き込むだけでなく、切ったり、折ったり、出来上がったパーツを組み立てたりと、紙ならではの要素が多数含まれている。

 
▲謎を解くには、Nintendo Switchだけでも、紙だけでも足りない。両方の情報を連動させていくことで解ける仕組みになっている。

本作のジャンルについて、岡村氏は"謎解き紙ゲー"と題しながら、「紙ゲーであり神ゲーである」と自信満々の様子で語っていた。



謎の制作には、ギフトテンインダストリだけでなく、謎制作において数々の実績がある5団体も参加している。参加団体の詳細は明かせないとのことだが、多くのクリエイターが参加したことで、多種多様な謎が採用され、『紙謎』1本だけで複数の謎解きイベントを回ったような感覚になれることも魅力であると、登壇したおふたりは口にしていた。



ゲーム内で使用されるイラストは、イラストレーターのめばちさんが担当。めばちさんは、TVアニメ「少女☆歌劇レヴュースタァライト」のエンディングや、同じくTVアニメの「三ツ星カラーズ」のエンディングを担当したことで知られている。

デジタルで制作したイラストでありながら、紙に描いたように温かく柔らかいタッチが、紙を題材にした本作にマッチしていると考え、めばちさんにオファーするに至ったそうだ。

 

ここからは、ゲームのストーリーについて詳しく語られている。本作に登場するメインキャラクターは、主人公の"トキオ"とヒロインの"ミライ"のふたり。



物語は主にトキオ視点で進行していく。トキオは物に込められた残留思念を読み取るサイコメトリー能力があり、未来から送られてきた物に込められた記憶に触れたことから、忘れてしまっていた自分の記憶と向き合っていくこととなる。

ミライは、トキオの過去にも密接に関わる少女であり、徐々に記憶を取り戻していくトキオを導いていく。しかし、その正体も目的も最初は不明のまま。物語を読み進めていくなかで、彼女が何者なのかも解き明かされていくだろう。



▲トキオのCVは、「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」や「あんさんぶるスターズ!」にも出演された声優の斉藤壮馬さんが担当。


▲ミライのCVは、『Fate/Grand Order』でマシュ役を務める高橋李依さんが担当。


▲ストーリーの紹介とともに発表された新キービジュアル。トキオが持っている折り鶴も、ゲーム内で登場するキーアイテムであると岡村氏は語るが、その詳細については各々プレイして確かめてほしいとのこと。

プロモーションムービーも公開されたので、その一部を抜粋して紹介する。

 
 

そして、本作の配信日が正式に11月28日に決定したことが発表された。価格は税込みで2480円。事前にゲームデータを取得できる、あらかじめダウンロードは11月8日より開始している。



本作のプレイに欠かせない"謎用紙"の入手方法についても補足している。『紙謎』の公式ホームぺージ内に、謎用紙の申し込みフォームを設置し、希望者に送料無料で配布が行なわれる。申し込みの開始日は11月21日を予定している。

申し込みは1回につき1セット分。配布の終了時期は未定となっている。謎用紙はコピーしても使えるので、ゲームを始める前にいくつかコピーしておくといいだろう。


▲同時にPDFも公開されるので、印刷できる環境があれば謎用紙はすぐに入手できる。

『紙謎』の今後の展開として、担当声優によるプレイ動画の公開、全国の謎解きカフェで体験用紙を配布、オリジナルグッズの製作が予定されていることも発表された。各種情報の詳細は、ディライトワークスインディーズの公式Twitterアカウントで、随時アナウンスされる。

 

▲オリジナルグッズの販売は、公式オンラインストア「DELiGHTWORKS STORE」内にて、11月28日からから開始予定だ。

このあとは、岡村氏と濱田氏によるテーマトークのコーナーとして、『紙謎』の魅力についておふたりが語っている。その内容を一部抜粋して紹介していく。



そもそも、本作を開発するに至ったきっかけは、岡村氏が濱田氏の作ったゲームのファンであり、ギフトテンインダストリとのコラボによって、斬新なプロダクトが生まれる予感があったからだと岡村氏が明かす。

濱田氏も、急なオファーに驚きながらも、昨年自身が作った作品ではできなかったストーリーの追及や、他団体とのコラボを『紙謎』であれば実現できると感じたことから、『紙謎』製作に参加することを決心したと語っている。



こだわりのポイントは何かという質問に対し、岡村氏はストーリーであると回答。本作の主役はあくまで謎解きなので、ストーリーは謎解きをいかに盛り上げていくかを重視。読ませることでストーリーを見せるのではなく、謎解きとストーリーが両立する関係を目指しているそうだ。

濱田氏のこだわりは、やはり謎に尽きるようだ。製作する謎の方向性は、クリエイターによって個性がでるものなので、5団体とのコラボが実現したことにより、違った視点が混ざりあいながらも遊びやすい作品になったと語る。

『紙謎』に登場する謎は、紙を使った遊びを徹底的に追及しているため、想像を超えた遊びがあると濱田氏自身もワクワクした様子で話していた。また、キャラクターの心情と結びつくような謎という難しいオファーに対しても、各団体が全力で応えてくれたことで、ストーリーと謎の連動がより深まっていることにも注目してほしいと付け加えた。



最後に、『紙謎』をどんなシーンで遊ぶと面白いかという問いに対しては、ふたりとも複数人でのプレイを推奨するといった回答をしている。実際の謎解きイベントのように、誰かと遊ぶきっかけになってほしいという想いも口にしていた。

実際に遊んでみると、Nintendo Switchを操作する人、あらかじめ紙を切ったりして準備をする人、情報をメモしていく人といったように、自然と役割分担で出来上がっていくのが、こういった謎解きゲームの面白さでもあるので、是非誰かとシェアして遊んでみてほしいとのことだ。



ここからは、いよいよメディア先行体験会となる。他のメディアの取材陣とも協力し、今回は3人で『紙謎』に挑戦してみた。



ゲームを開始すると、まずはプロローグからスタート。キャラクターのセリフが少なく、読むことに集中しなくていい内容になっているのが印象的だ。それでも状況は絵でしっかりと伝わってくるので、ストーリーは自然と頭に入ってくる。


▲今回は、私がコントローラーを握っていたため、シーンを送るタイミングは私次第だった。テキストが少ないため、いちいち「読み終わりました?」みたいな確認をしなくていいのが素晴らしい。

謎解きのステージは、いくつかのステージが同時に解放され、どれからクリアしていくかはプレイヤーの自由となっている。順番にクリアしていった方がストーリーの流れが自然になるそうだが、紙を先に確認してみて、解いてみたい謎から遊ぶのも良さそうだ。



ステージ1を始めてみると、記憶の中と思われる不思議な空間に転移した。ミライらしき少女が立っており、話しかけてみると超能力の使い方を教えてあげると言われる。画面に表示された指示通りに操作すると、タイムリープの超能力が発動し、次のシーンへ進んだ。

 

▲超能力の操作は、Lボタン、もしくはRボタンを押しっぱなしにしながら、その他のボタンを順番に押していき、最後に押しっぱなしにしているLボタン、もしくはRボタンを離すといった流れになる。ボタンの順序があっていれば超能力が発動し、ゲーム内のシーンが変化する。

この超能力を発動させるボタンの組み合わせを探るために必要になるのが謎用紙であり、謎用紙をどう使えばいいのかというヒントはゲーム内に隠されている。ステージはいくつかの段階に分けられており、超能力を発動するたびに状況が変化していく。

 
▲最初は紙の折り方を図解してくれたうえに、どの順番でマークを見ればいいのかまで教えてくれる。チュートリアル的なステージということもあり、ここは非常に親切。


▲指示通りに紙を折ってみると、端のマークがつながり"X"が浮かび上がってくる。あとはこれをゲーム内の支持と照らし合わせながら超能力を発動させるだけだ。


▲さらにもう1段階進んだ紙の状態がこちら。ここまでは、矢印やABXYなど、対応するボタンがすぐにわかるマークだったが、ここで月のマークなど難解な模様が登場する。それぞれが何を意味するかは、ゲーム内にヒントが隠されている。


▲右スティックで視点を操作してみると、さっきまで何もなかった空間にヒントが浮かび上がっている。超能力でゲーム内の状況が変化したことで、新たなヒントが生まれたのだ。このように、ゲームと紙の両方を同時に処理していくというプロセスは、たしかに新感覚としか言いようのないものだった。


謎をすべて解き明かすと、部屋の中に浮かんでいた謎の球体が燃え上がってからステージクリアとなる。その後のストーリーを見たあと、再びステージセレクトに戻る。


▲この謎の球体は何なのか、なぜ燃え尽きるとステージクリアなのか。何か深い意味がありそうだが、現段階ではまだまだ予測もつかない。



ステージ2からは、謎解きの難易度が急にアップ。パッと見ただけでは紙のヒントが何を意味しているのかがさっぱりわからない。まずはじっくりとゲームの中を観察するところから始めよう。

 
▲このふたつの写真を見比べてみれば、似たような形があることがわかるだろう。まずは、こうした共通点を探すというのも、謎解きでは常とう手段となる。

ステージ2を進めていくと、最後の謎で紙を豪快に切る必要がでてくる。3人とも「これで間違いない!」という確信は持っているのだが、いざ紙を切るとなると、後戻りができないかもしれないという緊張感がでてくる。ドキドキしながら紙にハサミをいれていくこの感覚も、デジタルだけでは味わえない、『紙謎』ならではの感覚だ。

 

次はステージ3だが、あまり情報を見せすぎて謎の解決法がわかってしまっては面白くないだろう。ここは、謎用紙の最初の段階と、ゲーム画面をちょっとだけお見せして終わっておく。


▲観光マップのようなイラストと、バラバラの集合写真。観光マップの方は、必要な情報をどんどん書き込んでいかないと解決が難しい。ステージ2のハサミもそうだが、恐れずにトライすることが重要だ! 不安なときはコピーを事前に用意しておこう。

 
▲このステージは、タイムリープするたびに季節が変化。同じ場所なのに、景色が大きく変化していく。

そして、ステージ1から3までをすべてクリアすると、ステージセレクト画面に"あした"という項目が出現。これを選択すると、文字通りゲーム内での1日が終了し、物語は大きく動きだす。そしてまた新たなステージが出現するのだが、今回お見せできるのはここまでだ。



実際に遊んでみると、謎ひとつひとつのクオリティが高いだけではなく、Nintendo Switchと紙の連動が想像以上に密接になっている。デジタルとアナログの融合という触れ込みは決して大げさではなく、デジタルでしかできないこと、アナログでしかできないことを組み合わせた、『紙謎』でしかできない体験が盛りだくさんとなっている。

体験会はそこまで長い時間ではなかったものの、一緒にチームを組んだ人たちとは自然とコミュニケーションを取りながら、夢中になって遊んでしまっていた。その様子は、たしかにリアルの謎解きイベントさながらであり、是非とも複数人で遊んでみてほしい。

 
(取材・文 ライター:宮居春馬)



■『紙謎 未来からの想いで』
 

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会社情報

会社名
ディライトワークス株式会社
設立
2014年1月
代表者
代表取締役 庄司 顕仁
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