【再掲】コナミHD、19年4~12月の営業利益は39%減の239億円 スポーツ事業の減損と新技術対応への先行投資で 本社移転費用も重しに

コナミホールディングス<9766>は、1月30日、第3四半期累計(4~12月)の連結決算(IFRS)を発表し、売上高及び営業収入1931億円(前年同期比0.2%増)、営業利益239億円(同39.2%減)、最終利益163億円(同40.1%減)となった。

大幅な減益となったが、同社では、スポーツ事業において固定資産の減損損失を計上したことに加えて、新技術対応のための先行投資等により減益となった、としている。また、自社物件の新拠点「コナミクリエイティブセンター銀座」への移転に伴い、現賃借物件の2021年3月期までの退去後家賃等の一時費用を計上したことも響いた。 

 


各セグメントごとの状況は以下の通り。

①デジタルエンタテインメント事業…売上高1086億円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益290億円(同10.0%減)
売上は伸びたものの、新作タイトルの制作費や将来に向けての研究開発が増加したことにより減益となった。 

モバイルゲームは、グローバル市場で『遊戯王 デュエルリンクス』がけん引した。また、大型アップデートを行った『eFootball ウイニングイレブン 2020』(海外名『eFootball PES 2020』)が好評だった。国内市場では、『プロ野球スピリッツA』が引き続き好調を維持し、継続配信タイトルの多くで、アニバーサリーイベントやプロモーション施策などを展開し、盛り上がりを見せた。また、新作として『ラブプラス EVERY』と『beatmania IIDX ULTIMATE MOBILE』を配信開始した。

カードゲームでは、「遊戯王オフィシャルカードゲーム」の大型デュエルトーナメント大会「Yu-Gi-Oh! CHAMPIONSHIP SERIES JAPAN」と「デュエリストフェスティバル」を東京で同時開催した。また、2020年4月から遊戯王アニメ新シリーズで採用される「遊戯王ラッシュデュエル」を発売することを発表した。

家庭用ゲームでは、9月に発売した『eFootball ウイニングイレブン 2020 LITE』を配信開始した。また、eスポーツの取り組みとして、日本野球機構(NPB)と共催する「eBASEBALL プロリーグ」の2019シーズンが開幕したほか、第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラムとして「ウイニングイレブン」シリーズが採用され、決勝大会を実施した。


②アミューズメント事業…売上高164億円(同9.3%減)、セグメント利益37億円(同27.4%減)
事業環境の変化から、複数タイトルの発売を次期に移行するなど、投入時期の見直しを行った影響が出たという。eスポーツ大会における「beatmania IIDX」シリーズの世界標準となる最新筐体「beatmania IIDX LIGHTNING MODEL」や、カードベンダー機「カードコネクト」の稼働を開始した。また、「マジカルハロウィン」シリーズの最新機種「マジカルハロウィン7」を発売した。


③ゲーミング&システム事業…売上高229億円(同4.7%増)、セグメント利益24億円(同20.6%減)
システムの販売が好調だったことによりにより増収となったものの、商品ラインアップの拡充に伴う先行投資により営業費用が増加し、減益となった。「KX 43」の販売が堅調に推移したほか、「Concerto Opus」をはじめとした「Concerto」シリーズを北米市場を中心にオセアニア・中南米・欧州市場へ展開し、特にオセアニア市場においては「All Aboard」などのコンテンツの稼働が好調に推移した。また、「Global Gaming Expo 2019」において、「J」型のカーブをしたディスプレイが特徴の最新筐体や「SYNKROS」向けの顔認証システムを活用した新機能などを発表した。


④スポーツ事業…売上高461億円(同3.6%減)、セグメント利益22億円(同13.4%減)
直営施設の退店、自然災害の影響や市場ニーズの多様化などにより減収減益となった。激化する競争環境の中で事業構造の体質強化に向けてのれん(24億円)及び有形固定資産(38億円)の減損損失として合計62億円を計上した。インストラクターがマンツーマンで指導しトレーニングを行うパーソナルプログラム「BEST CORE」を2020年1月より導入することを発表したほか、人気スタジオプログラムを暗闇スタジオで体感できる「Club Style」の展開を開始した。さらに全国で大型施設を運営する強みを生かし、自治体や学校が抱える設備維持や働き方改革などの課題解決への貢献を目的とした、幼稚園や小中学校向けの水泳指導授業受託事業の受注活動を開始した。


 
■2020年3月通期の予想を下方修正

なお、2020年3月期通期の連結業績予想の下方修正を行った。売上高は従来予想2700億円から2635億円(増減率2.4%減)、営業利益は同470億円から330億円(同29.8%減)、最終利益は同300億円から210億円(同30.0%減)とした。修正の理由は、スポーツ事業において激化する競争環境の中で事業構造の体質強化に向けてのれん及び有形固定資産の減損損失を計上したことや、製品投入時期の見直しを行ったためとしている。
 
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3143億2100万円、営業利益461億8500万円、最終利益348億9500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
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