コナミHD、9月中間の営業益は2.1%増の213億円 『遊戯王DL』や『プロスピA』などゲーム好調 カジノとスポーツの赤字をカバー

コナミホールディングス<9766>は、11月5日、9月中間期の連結決算(IFRS)を発表し、売上高1160億7200万円(前年同期比4.1%減)、営業利益213億6800万円(同2.1%増)、税引前四半期利益202億1500万円(同0.9%減)、最終利益137億9100万円(同9.3%減)となった。

新型コロナウイルス感染症による国内外のアミューズメント・カジノ施設事業者、グループのスポーツクラブの店舗休業措置に伴う売上高の減少に加え、休業期間中に生じた固定費等の損失を計上するなど影響を受けたが、デジタルエンタテインメント事業が堅調に推移した。

 


(デジタルエンタテインメント事業)
モバイルゲームでは、グローバル市場において、「遊戯王 デュエルリンクス」が、新ワールド「遊☆戯☆王ZEXAL」の追加などにより好評し牽引した。また、「eFootball ウイニングイレブン2020」(海外名「eFootball PES2020」)が引き続き好調に推移している。加えて、ゲーミングプラットフォーム「Stadia」で、第1弾タイトル「SUPER BOMBERMAN R ONLINE」の配信を開始した。国内市場では、「プロ野球スピリッツA(エース)」のコラボレーション企画において、プロ野球OBやMLBで活躍しているダルビッシュ有選手により選出した選手が非常に話題を呼び、大きな盛り上がりとなった。

カードゲームでは、「遊戯王トレーディングカードゲーム」のグローバル展開を引き続き進め、新型コロナウイルス禍の中でも厚い支持をした。加えて、小学生を中心とした若い世代の人向けに「遊戯王ラッシュデュエル」を訴求し続けながら展開している。

家庭用ゲームでは、「eBASEBALL プロリーグ」2020シーズンの競技タイトルである「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」を発売し、早々に累計生産出荷数50万本を突破する快調な出足となった。また、「ウイニングイレブン」シリーズの最新作となる「eFootball ウイニングイレブン2021SEASON UPDATE」(海外名「eFootball PES2021SEASON UPDATE」)を発売した。加えて、人気SF(スペースファンタジー)漫画「EDENS ZERO」を原作とするゲームの制作を「東京ゲームショウ2020オンライン」で発表した。

eスポーツでは、その特性を活かし、新型コロナウイルスにより活動が制限される環境下でも人に楽しめるよう、オンラインでのコンテンツ提供を引き続き行った。日本野球機構(NPB)と共催する「eBASEBALL プロリーグ」の2020シーズンのプロテストを開始したことに加えて、「eBASEBALL プロリーグ eオールスター2020」を初開催した。また、サッカーコンテンツでは、「ウイニングイレブン」シリーズのeスポーツ公式大会「eFootball.Open」の決勝大会を実施している。さらに、「遊☆戯☆王」シリーズでは、100万人以上が参加した「遊戯王 デュエルリンクス」の大規模オンライン大会「KCグランドトーナメント」の本選決勝ステージをとり行い、世界NO.1を決定した。

以上の結果、当事業における第2四半期連結累計期間の売上高882億7200万円(前年同期比31.8%増)となり、セグメント利益310億4800万円(前年同期比65.8%増)となった。


(アミューズメント事業)
ビデオゲーム・メダルゲームでは、オンラインによるイベントを多数開催し、市場の回復に繋がる取り組みを推進している。また、戦国コレクションシリーズの最新機種「戦国コレクション4」が稼働を開始した。これにより、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた第1四半期時点の損失、第2四半期累計期間において解消され利益計上へと転換した。

以上の結果、当事業における第2四半期連結累計期間の売上高65億8700万円(前年同期比26.9%減)となり、セグメント利益2億9700万円(前年同期比81.0%減)となった。


(ゲーミング&システム事業)
このような状況のもと、当事業のスロットマシンでは、「DIMENSION27(ディメンション トゥウェンティーセブン)」や、「J」カーブディスプレイを特徴とする新型筐体「DIMENSION49J(ディメンション フォーティーナイン ジェー)」を市場に投入したほか、主力商品のアップライト筐体「KX43ケイ エックス フォーティースリー)」や「Concerto(コンチェルト)」シリーズの各種筐体の販売、及びパーティシペーション収入を計上した。また、カジノマネジメントシステムでは、北米と豪州ともに、大手オペレーターへの「SYNKROSⓇ(シンクロス)」納入に加え、新規に契約を獲得した。

以上の結果、当事業における第2四半期連結累計期間の売上高71億5000万円(前年同期比51.9%減)となり、セグメント損失12億3600万円(前第2四半期連結累計期間は16億5200万円の利益)となった。


(スポーツ事業)
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う政府による緊急事態宣言の発出や地方自治体からの休業要請などを受け、スポーツクラブ直営施設及び受託施設の臨時休館や営業時間の短縮等により売上高減少した。緊急事態宣言及び休業要請の解除後は、業界団体である日本フィットネス産業協会(FIA)が定めるガイドラインの遵守に加えて、自社基準による感染拡大防止策を講じており、新型コロナウイルスの不活性化が確認したオゾンによる除菌の毎日実施や、スタジオプログラムのWEB予約、施設の混雑状況をWEB公開するなど、感染拡大防止や3密防止につながる取り組みを順次導入し、人と従業員の安心と安全を最優先とした運営を推進した。

受託施設においても、地方自治体や契約法人等の要請により、施設の臨時休館を余儀なくされたが、新規に川崎市民プラザ(神奈川県川崎市)、堺市家原大池体育館(大阪府堺市)、大分市大洲総合体育館(大分県大分市)の業務受託運営を開始するなど、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進した。

また、施設利用に不安のある方や、自宅でスポーツに取り組む機会の増加など、様々なニーズに対応すべく、コナミスポーツクラブオリジナル動画の無料配信や、公式オンラインショップで多彩なホームフィットネス商品を揃えるなど、商品・サービスの充実を図った。

以上の結果、当事業における第2四半期連結累計期間の売上高151億2200万円(前年同期比51.3%減)となり、セグメント損失29億9300万円(前第2四半期連結累計期間は14億7400万円の利益)となった。 
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3143億2100万円、営業利益461億8500万円、最終利益348億9500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
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