【決算まとめ②】ゲーム関連企業31社の1-3月の営業赤字企業は10社と増加が続く DeNAとセガサミーHD、コナミHDが大幅な赤字を計上 

主要モバイルゲーム企業の2021年1~3月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。

この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の31社中、10社となった。2四半期前が4社、前四半期が7社だったことを踏まえると全般的に収益性が悪化していることは否めないところだ。3度目となる緊急事態宣言の発令の影響に加え、3月期決算銘柄がこのタイミングで新型コロナ禍での負の影響を清算したという側面もありそうだ。

ちなみに営業赤字を計上した10社は、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、ボルテージ<3639>、KLab<3656>、エイチーム<3662>、モブキャストHD<3664>、オルトプラス<3672>、ケイブ<3760>、バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>、セガサミーHD<6460>、コナミHD<9766>となる。このうち、DeNAとボルテージ、エイチーム、セガサミーHD、コナミHDの5社が前四半期の営業黒字から赤字に転落した。

うち、DeNAとセガサミーHD、コナミHDは赤字額が数十億円単位となっているが、これはそれぞれ一時的な費用を計上した影響も大きいものとなっている。そのため、次の四半期以降に大きく収益性が改善することが予想される。

やや気掛かりなのは、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』と『テイルズ オブ クレストリア』が想定を大きく下回り、両タイトルの帳簿価額の全額の減損処理も実施したKLabだろう。ただ、減損の計上で減価償却費が減ることはプラス材料となり、次の四半期は回復の兆しを見せられるかどうかが焦点となってくる。
 

この四半期に逆に営業黒字に転じたのは、アエリア<3758>とブシロード<7803>の2社となる。ただし、ブシロードは11~1月決算ということで、3度目の緊急事態宣言の影響がこの四半期は限定的だったことも注意しておく必要がある。次の2~4月決算で黒字を確保できるのかどうか、まずはじっくりと見守りたい。

一方、アエリアは、2020年12月期の1~3月期に「のれん」やコンテンツ事業の固定資産の減損損失を計上した影響で、利益構造が大きく改善したことが今回の黒字転換の遠因となっている。加えて、前四半期はリベル・エンタテインメントにおいて、将来の収益獲得が難しくかつ損失の発生が見込まれるプロジェクトに関するプロジェクト損失引当金繰入額を計上していた反動による回復も大きいだろう。

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株式会社アエリア
http://www.aeria.jp/

会社情報

会社名
株式会社アエリア
設立
2002年10月
代表者
代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
決算期
12月
直近業績
売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3758
企業データを見る
KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
企業データを見る