「ニコニコ動画」のユーザー属性の変化について(2010年12月版)

 ドワンゴ<3715>は、2月3日、決算発表を行うと同時に、決算説明会資料も開示した。「ニコニコ動画」では、「ニコニコアプリ」というプラットフォームがあることもあり、グリー<3632>のケースと同じようにユーザー属性の推移を簡単に記述していきたい。   ■会員数の推移  「ニコニコ動画」の会員数は、2010年12月末現在、1968万人となった。2010年9月の水準(1860万人)に比べて5.8%増加したことがわかる。前年同四半期(1564万人)との比較では、会員は実に18.9%も伸びている。また、プレミアム会員数は108万人で、前年同期比74.2%増、モバイル会員は586万人で前年同期比24.4%増となった。

 

 「ニコニコ動画」の1日平均PVは、7649万PVで、前年同期(6339万PV)に比べて20.5%増だった。1日平均の訪問者数は288万人となり、これも前年同期(238万人)に比べて21.0%増だった。1日の平均滞在時間も37.6分から39.2分に伸びた。  「ニコニコ生放送」については、平均PVが380万PVで、前年同期330万PVに比べて15.1%増。1日の平均訪問者数も前年同期(20万人)に比べて105%増。1日の平均滞在時間は70.9分で、これについては前年同期の79.5分から減少している。  単純に比較することは避けたいが、9月末の「mixi」会員の月間平均滞在時間は3時間26分だった。1日当たり7分弱である。   ■男女比率について  男女比率については、男性68%に対し、女性32%で、この1年間、ほとんど変化がない。「GREE」や「mixi」では、女性比率が上がる傾向があったことを考えると、「ニコニコ動画」の大きな特徴といえるかもしれない。

 

■年齢構成の推移  年齢構成について見ていこう。2010年12月末現在の年齢構成は、10代が20.8%、20代が44.9%、30代が21.2%、40代以上が10.9%となっている。若年層の多さが「ニコニコ動画」の特徴といえるが、「金払いが良い」とされる30代以上のユーザーの割合が徐々に増えている。2009年12月時点では、30代が19.3%、40代以上が9.0%だった。若年層の男性が多いという基本的な性格は変わらないが、サービスそのものが幅広い年齢層に徐々に受け入れられはじめている、といえるのかもしれない。

 

■まとめ  以上、簡単に会員の属性をみてきた。「ニコニコ動画」の会員の特徴は、10代、20代の男性が多く、滞在時間も40分近くとかなり長い。ただ、少しずつ30代以上のユーザーが増えている。  動画を見るためにログインしたユーザーにアプリで遊んでもらうというのは、直感的には、一筋縄ではいかないように思える。動画の閲覧や投稿、生放送などとうまくリンクさせられればいいのかもしれない。    Copyright (C) DWANGO Co.,Ltd. All rights reserved.