SNS「mixi」のユーザー属性について

 ミクシィ<2121>が第2四半期の決算発表を行い、決算説明会資料もHP上にアップしました。前回の「GREE」のユーザー属性の変化の記事に引き続き、今回も、SNS「mixi」のユーザー属性の変化を見て言いたいと思います。他のSNSと比較すると、mixiがよくもわるくも独自のポジション、メディアになりつつあることが伺えます。「GREE」や「モバゲータウン」に言及しつつ、「mixi」のユーザー属性の変化をみていきたいと思います。基本的に時系列での記述がメインです。 ■登録会員数・PV  登録会員数は、10月31日現在、2190万人となりました。「GREE」が2246万人、「モバゲータウン」が2187万人ですから、登録会員数については「GREE」に後塵を拝している、といった状況です。  PVについては、312.4億PVとなりました。内訳は、モバイルが261.2億PV、PCが54.1億PVでした。「GREE」のPVと比較すると、PCからのアクセスの割合が大きいことが特徴です。  

 月間ログインユーザー数は1464万人。登録会員数の66%が毎月1度はログインしていることになります(下表)。ただ、ログインユーザーの割合は、今年3月末時点をピークにして下がっており、トレンドなのか一時的な下落なのかが注目といえます。   ■男女比率  男女比率を見ると、男性が48.8%、女性が51.2%でした(下表)。男性ユーザーの比率が上昇していることが確認できます。  他のSNSとの比較では、「GREE」や「モバゲータウン」に比べて、女性ユーザー比率は依然として高いです。これはmixiの特徴といえるでしょう。「GREE」の女性比率が48%、若干古めですが、「モバゲータウン」は42%程度でした。    一方、モバイルについてみると、全く状況が変わっています。男性が45.4%、女性が54.6%となっており、その比率はほぼ変わりなく推移していることが伺えます(下表)。   ■年齢構成  年齢構成については、10代が9.5%、20代が50.6%、30代が28.4%、40代以上が11.7%となっています(下表)。20代の比率が減って、30代、40代の会員が増えている点が特徴です。   モバイルユーザーについてみると、10代が14.4%、20代が57.7%、30代が21.2%、40代以上が6.7%でした(下表)。PCも含めた場合に比べて、10代のユーザーが多いことがわかります。また、傾向としては、30代、40代のユーザーが増えています。    他のSNSと直接比較できるようにしたのが下の表です。mixiは、他のSNSと比べて20代の分厚いユーザー層を形成している点が特徴です。もっといえば、大学生や新社会人など、20代前半が最も多いです。これは、金遣いの良い30代以上のユーザーの取り込みに立ち後れている、ともいえるわけです。また、10代以上のユーザーが少ないですが、理由は不明です。当初、10代の登録を禁止していましたし、ゲームサイトしての特色を打ち出さなかったから、でしょうか。   ■地域別分布  次に地域別の分布ですが、下の表のとおりです。首都圏のユーザーが42.1%と最も多いですが、若干、その比率を減らしています。GREEは首都圏のユーザーが33%でしたから、この点がmixiの特徴といえます。広告媒体の資料でも、都会的で流行に敏感なユーザーが多いこと、女性が多いこと等がアピール材料として使われていました。  モバイルに限ったときの地域別の分布は以下のとおりとなります。ユーザー全体に比べて、首都圏や近畿のユーザーが割合を減らす一方、他の地域のユーザーがまんべんなく増えています。時系列でも、首都圏や近畿圏のユーザーの比率が減っています。 ■まとめ  だらだらと書いてきましたが、「女性・20代(しかも前半)・都市圏のユーザーが多いというmixiの特徴に大きな変化はない。しかし、テレビCM等の効果もあって、男性・30代以上・他地域のユーザーの比率が増えている」といったところでしょうか。コンテンツを企画する際、20代前半の女性を意識したコンテンツ作りが求められるのかなと思います。  他の年齢層に比べて、可処分所得はそれほど高くはないでしょうから、少額でかつ手軽に変えるような仕組みを入れたり、リワードなどを使ったり。半分冗談ですが、男がマイミクの女性に貢がせたり、あるいは手助けするために課金するといったような仕組みにしたり。この点、私もまだまだ勉強中でして、色々とご指摘いただけると幸いです。