独立系調査機関のティー・アイ・ダヴリュ（TIW）は、3月1日付のグリー<3632>のレポートで、レーティング「2+（Neutral Plus）」の継続としつつ、今期の営業利益予想を850億円、2013年6月期を1110億円とした。グリーの発表した今期の営業利益予想は800-900億円となっている。
TIWでは、グリーの直近の業績拡大については、広告戦略の切り替えが奏功し、高ARPU化と会員数の増加につながったことが主な要因と分析している。広告戦略の変更は、従来のように「GREE」全体ではなく、個別タイトルのプロモーションにしたことで、これまでリーチできなかったユーザー層にもアプローチできていると評価している。
また、ディー・エヌ・エー（DeNA）<2432>の業績伸び悩みとの関係については、DeNAのシェアを奪ったというよりも市場の拡大余地をグリーが優位に刈り取った結果と見ているとのこと。
2013年6月期も、業績が大幅に伸びる見通しだが、ARPUの伸び幅が徐々に減少する一方、会員数は3450万人（TIWの2012年6月期予想は3050万人）まで伸びると想定している。さらに「GREE」プラットフォームの世界展開とともに、海外事業が収益に寄与し始めると見ているという。海外事業についてはARPU0.2円、期末会員数3億2000万人と予想している。
なお、TIWでは、グリーの株価の見通しについて、DeNAに比べて安定した業績であるうえ、今後も増益基調が続く点は安心材料であると指摘し、「海外収益拡大期待も高まると推測されるため、株価の上昇により割安感のある株価水準は是正されることになると考える。」としている。
