三菱UFJモルガン、ソーシャルゲームの市場規模予測を上方修正…ただし比較対象をパチンコとし目標株価やレーティング引き下げ

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、3月9日付で「ソーシャルゲームの正体を探る(Ⅴ)」と題するレポートを発行し、ソーシャルゲーム市場の市場規模予測を上方修正する一方、ソーシャルゲームに対する見方を変更したことに伴い、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>とグリー<3632>、ミクシィ<2121>の目標株価を引き下げた。 まず、同証券では、2011年の市場規模推定を2658億円とし、2012年を3832億円から4643億円に、2013年を4320億円から5766億円に引き上げた。市場予想の前提として、ARPPUの予想を引き上げたとのこと。ただし、ソーシャルゲーム業界における高ARPPU化の傾向に対し、ユーザー離れのリスクがつきまとっており、中期的な成長という観点からするとユーザー数を増やし、課金率を上げることに注力すべき、と指摘している。 一方、同証券では、ソーシャルゲーム関連企業の目標株価とレーティングを見直した。従来より「ソーシャルゲーム=オンラインゲーム」とみていたが、「ソーシャルゲーム≒パチンコ」として捉え直したという。RMTの期待から大金を叩くインセンティブが働く点や、同一システムの皮替えであること、有料ガチャは大当たりが出る確率を楽しむ点でパチンコと類似していることなどを理由としてあげている。 これにより、バリュエーション算定にあたっては、比較対象をTencent Holdings、Netease.comなどではなく、セガサミーホールディングス<6460>やSANKYO<6417>に設定、修正PER8.6倍とした。同証券では、低バリューとする理由について、海外展開の困難さもあげている。 各社の目標株価とレーティングは、グリーの今後12カ月の目標株価を3800円から2250円に引き下げ、レーティングを「Outperform」から「Neutral」に引き下げた。また、DeNAについても「Outperform」を継続する一方、目標株価を3200円から3000円とした。ミクシィ<2121>については「Outperform」継続で、目標株価を34万7000円から31万3000円とした。一方、サイバーエージェント<4751>のみレーティングを「Neutral」から「Outperform」、目標株価を24万5000円から27万3000円としている。 各社のレポートも発行されているため、別途、その概要を紹介したい。