矢野経済研究所、2012年のスマホアプリの市場規模は139億円に…収益性やプロモーション手段に課題

矢野経済研究所は、本日(3月27日)、「スマートフォンアプリ市場に関する調査結果 2012」の概要をまとめ、スマートフォンアプリの市場規模は、2011年には82億2000万円だった、と発表した。矢野経済研究所によれば、デバイスの普及や通信インフラの整備、アプリ内課金モデルの普及などを背景に、iOS系のアプリ市場が急速に成長している、とのこと。 今後も市場の成長が続く見通しで、2012年の同市場は前年比70%増の139億9000万円、2016年には441億7000万円の規模になると予測している。現在はネイティブアプリが主流だが、マルチデバイス型のアプリへの需要の増加や、ディベロッパーの開発効率の改善、HTML5の普及に伴い、中長期的にはwebアプリも増加するとみている。 しかし、BtoCの場合、1本あたりの単価や販売数が小さいため、一部のヒットアプリを除けは売上規模が小さくなりやすく、収益性に問題を抱えているディベロッパーが多く、オフショア開発や海外市場への展開を視野に入れるディベロッパーが目立っている。一方、アプリが増えて認知度が上がりづらいなどプロモーションの面でも課題がある。収益性の問題から販促コストを抑える必要があるため、ソーシャルメディアの活用が注目されているという。 このほか、ユーザー調査も実施。日本と中国のスマートフォンユーザーにアプリを購入する際の情報源を尋ね、日本ではアプリのレビューが65.3%と多く、次いでアプリストアのランキング(57.0%)だった。実際の友人の口コミは21.0%、開発会社のWEBサイトは8.3%だった。これに対し、中国では、際の友人からの口コミが最も多く(57.0%)、ランキング(51.0%)、SNSなどでの口コミが47.0%だった。 矢野経済研究所では、日本は不特定多数による評価や客観情報を重視するのに対し、中国は身近な友人による評価・評判を重視する傾向がある、と指摘している。 なお、この調査の詳細をまとめた資料は、「スマートフォン・タブレット PC アプリ市場のトレンドと中期展望」としてまとめられている。価格は15万7500円。詳細はこちら。   ■調査概要 調査期間:2011 年 10 月~2012 年 1 月 調査対象:国内のスマートフォン・タブレット PC アプリ関連ディベロッパ及びパブリッシャ等 調査方法:専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用   Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd.