「mixiアプリ」開始前後におけるSNS「mixi」のトラフィックの変化について(1)

SNS「mixi」で「mixiアプリ」が始まったのは、PC版は2009年8月から、モバイル版は同年10月であった。ミクシィは、開始直後の決算説明会資料で、ユーザーの月間ログイン率や滞在時間が大きく伸びたことを発表していたが、1年半年ほどが経過した現在、そういった指標はどうなっているのだろうか。今回の記事では、月間ログインユーザー数やアクティブ率の変化、滞在時間の変化を時系列でグラフ化してみたものである。 いずれもミクシィの発表した四半期ベースの決算説明会資料に掲載されていた数字を用いている。グラフ中、棒グラフを塗りつぶしたもの、あるいは印が付いているものが「mixiアプリ」開始直後の数字となっている。2010年については、7月末、10月末、12月末の数字となっているので注意していただきたい。最新のデータを提供する、という方針に変わったようである。 さて、まず、ユーザー数の推移をみてみよう。下のグラフは、四半期末毎の「mixi」のユーザー数の推移を示したもので、単位は1万人となっている。これを見てわかるように、ユーザー数は右肩上がりで伸びていることが伺える。2011年1月31日現在の会員数は2262万人となっている。     ここで前四半期比での会員数の増加率の変化をみてみよう。対象期間を前半(2008年9月末~2009年9月末まで)の5四半期と、「mixiアプリ」開始後の後半(2009年12月~2011年1月末までの5四半期)に分け、それぞれの平均変化率を比べてみたい。平均変化率は、単純平均ではなく、幾何平均を使っている。その結果、前半が3.68%となったのに対し、後半は4.63%だった。つまり、「mixiアプリ」開始後の方が会員数の伸び率が高かった。2010年3月に実施された登録制への移行効果なども無視できないだろう。 次に、月間ログインユーザー数の推移を示したものが下のグラフである。ご覧になってわかるように、「mixiアプリ」開始後、停滞気味であったログインユーザー数が急激に伸び、1400万人台に乗せている。こちらも会員数と同様、前四半期比での平均変化率を比べたところ、「mixiアプリ」開始前が1.61%、開始後が3.25%となり、開始後の方が伸び率が高かった。      次に、ユーザーの滞在時間の推移を見よう。この滞在時間についてはあくまでPC限定なので注意したいが、「mixiアプリ」開始前と後では明らかに違うことがわかる。PCのみだが、月間150時間程度だった滞在時間が、200時間に伸びている。ただ最近は、200時間前後から伸び悩んでいることも伺える。      最後に、月間アクティブユーザーの比率を見てみよう。こちらは全ユーザー数に対する月間ログインユーザー数の比率の推移を示したものだ。月間ユーザーの比率は、「mixiアプリ」開始前まで低下傾向にあったが、「mixiアプリ」開始後、一時的に70%台まで回復したものの、再び下落に転じている。2011年1月末現在、65%となっている。アカウントを作ったものの、1ヵ月以上ログインしないで放置しているユーザーの割合が増えているということだ。     次回はPVを取り上げたい。